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264話 旅立ちの為に

 港町についたメル達はその足で港へと向かう。

 しかし、男性にそれを止められてしまうのだった。

 話を聞けばどうやらこの辺りにドラゴンがいるらしい。

 メル達は一旦宿を取る事にするのだが?

 手頃な宿を見つけたメル達は一室を借り、そのまま中で話を始めた。


「それで……グラネージュがなんとかするって」

「いくら精霊でもドラゴン相手じゃ無理だろ!?」


 メルの言葉に反論するのはシュレムだ。

 彼女は珍しくもまともな事を口にし、一同は驚きつつも首を縦に振った。


「僕もそう思う……」


 エスイルも意見は変わらないのだろう、当然だ。

 そう思うメルもまた机の上に置いた宝石にしがみつくグラネージュを見つめていた。


 でも……。

 もし、あの宝石にグラネージュの力を高める効果が……ウンディーネの様な力が使えるようになれば……。


 そう考えるも現実的ではない、そう判断したメルは一人深いため息をついた。


「だけど、確かにドラゴンがいつ去るかと言われると分からないな……こうしてる間にも精霊は減ってる」


 リアスの言葉にぴくりと身体を震わせたメル。

 それもまた事実なのだ……どうすれば良い? メルは悩みだした結論は……。


「そう言えばウンディーネはどうしてあんな姿になれたの?」


 水の精霊に尋ねる、と言う物だった。

 精霊は首を傾げつつも口を開き……。


『詳しい事は分かりません、ただ……メルの剣からなにかが伝わってきた気がするんです』


 とだけ答えると可愛らしくも困ったように笑い。


『それが何なのかは分かりません、ただ、怖いものではなかったです』


 そう付け足した。


 やっぱり……アクアリムが関係ある?

 それに何かが伝わって来たって魔力って事? でも魔力だったら精霊は好まないんじゃ? そうしたら精霊力?

 それもおかしい……だって私には……。


 精霊魔法を使う力が無い……つまり精霊力が無いという事になる。

 だが……。


「ウンディーネのあんな姿……? 精霊の力か……そう言えばあの男はメルには精霊力があるとか言ってたな?」

「……へ?」


 精霊との会話が聞こえないはずのリアスはそう口にすると確認するようにライノの方へと向いていた。

 するとライノは頷き……。


「ええ、確かそうよ、だから魔力を抜いても死なないとか……とにかくそんな事を言ってたわ」

「そんなはずは……だって……」


 メルは知らされた事に驚き戸惑う。

 事実、魔法が使える魔族(ヒューマ)には精霊力が無い。


「ん? 精霊力が無い……?」


 メルは思い浮かべた言葉を口に出す。


「いや、そうじゃなくて……逆だ、あるんだよ」

「難しい事は分からないがメルは凄いって事だな!」


 二人の言葉を聞きつつメルが思い至った一つの事……。


 精霊力は野菜とかにも含まれれてて、それを取り込むと魔力へと変換する器官が魔族(ヒューマ)にはある。

 だから精霊力の代わりに魔力があってそれで身体を動かしたり魔法が使える……んだよね?

 つまり、一度精霊力自体は体に留まってるって事で……。


 メルはそうぶつぶつと呟き始め、仲間達は心配そうに彼女を見つめる。

 しかし、メルは自身が考えていた事が……いや、思い込んでいた事が間違いだったのではないか?

 だからこそ、仲間達は精霊力があると聞いたのではないか? そう思い。


 もし、本当にそうだとしたら……きっとウンディーネ達も私の精霊力を使ってあの姿になったはず。

 なら……それさえ引き出せれば。


 同じ現象を起こせる。

 同じ力を与えることが出来る……そう考えたのだが……。


「で、でも精霊力の使い方なんて分からないよぅ……」


 きりっとした真剣な瞳はすぐに曇りがっくりと項垂れ尻尾と耳も垂れ下がるのだった。

 そして、唯一この場で精霊力を扱える少年へと目を向けたメルは……。


「エスイルゥ……」


 何かを求めるようなまなざしと共になんとも情けない声を上げる。


「え、えっと……名前を呼ばれても僕にも分からないよ?」


 しかし、帰ってきた言葉にメルは今度は机に頭をコンっとあて「ぅぅ~」っと唸り始めた。

 だが、メルは仕方がないとも思えた。

 何故ならメルも同じだからだ……魔力をどうやって使ってますか?

 そう問われたら分からない……と言うしかない。

 それでも魔法のコツはと言われたらこう言うしかないのだ……想像力で魔法を使っている。

 事実、それだけしか言えないのだ。

 そして、それこそが魔法を使うには不可欠な物だ。

 だが、精霊魔法にそれはあてはまらないだろう。

 何故なら精霊の力を借りるからだ……一人で完結する魔法とは違う。

 だからこそ、メルには理解が出来ないものの一つだった。

 精霊とは仲がいい、手も借りたりする。

 しかし、精霊魔法や召喚だけは分からない……。

 ましてや今までは精霊力が無いと思い込んでいたのだ、その魔法に関わる事も無かった。


「つまり、メルが精霊の力を借りればドラゴンを倒せるのか? 流石はメルだな!!」


 メルなうーうー唸る中、シュレムは感心した様に頷く……。


「いや、だからその方法が分からないみたいよ?」


 それに対しライノは苦笑いを浮かべ……メルへと優しい瞳を向けると……。


「でもメルちゃん、そう考えるって事は自分でなにかしたって言う確信はあるのよね?」

「はい……」


 思い浮かぶのはツィーアでの一件だ。

 あの時メルは自身の瞳でしっかりと見ている、そしてそれを境にウンディーネの姿は変わった。

 同時にシルフもだ……。

 何か理由がある……そう考える少女はふと自身の腰にある剣へと目を向けた。


 もしかして、この剣そのものに精霊力と関係がある何かがあるとか?

 そんなはずは……ううん、決めつけるより試してみた方が良い、よね……。

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