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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
11章 雪国の大陸フロム
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250話 魔力回復薬

 ナイフには魔力を奪う力しかなかった。

 リアス達はメルを助ける為に今一度屋敷へと向かう。

 そこで見つけたのは魔力を液状化した水。

 それと見つけた資料を使い魔力回復薬を作る事にしたのだが?

 ライノは手早く……しかし、慎重に調合をこなしていく……。

 そんな中、シュレムとリアスは彼を手伝う事は出来ずメルの様子をじっとうかがっていた。

 目覚める気配はないが……ついに――。


「出来たわ!」


 ライノは一つの薬を作り出す。

 それを見たシュレムは……。


「さ、さっきと変わらないぞ!? 色が変わっただけだ!!」


 出来あがった薬は確かに中に入っている水の色がわずかに変わっただけだ。

 リアスもこれには頷き……。


「これじゃ飲ませられないんじゃないか?」


 とライノに問う。

 するとライノは……。


「これ、飲めないわよ?」

「「は……?」」


 その答えに二人はほぼ同時に同じような声を上げる。

 だが、ライノは気にすることもなく、メルへと近づくと……。


「これはね、こうやって……」


 中身をメルへとかけていく、するとどうだろうか? 淡い光を放った水はメルを濡らすことなく……消えて行き……。


「これで魔力が回復するはずよ?」

「そ、そうなのか! やっぱライノの旦那はスゲェや!!」


 シュレムはメルが助かるという事を信じ喜ぶ、だがライノの表情は明るくはなくリアスは首を傾げた。

 薬は完成している。

 使った以上効果も期待できるはずだ。

 なのに、何故だろうか? そう思いリアスは彼を見つめていると、ライノはそれに気が付き――。


「確かに魔力は回復するの、でも書いてあるのだと微量……資料には恐らく他人の魔力だからだろうって書いてあるけど、たぶん状況から見てあの水はメルちゃんの魔力……けどまだ、分からないのよ」

「そう言う事か……じゃぁ、メルは……」


 ライノが言わんとしている事が分かり、リアスもまた表情を曇らせた。


「お、おいどういう事だよ?」


 そんな中、一人事態を飲み込めていないシュレムにライノは――。


「つまり、メルちゃんがちゃんと目を覚ますか分からないの……魔力は少し回復してるでしょうけど」

「いま、薬を使っただろ!?」


 シュレムの訴えに二人は頷く……。


「だけど、その薬が完全な物じゃなかった……元からな」

「だったら最初から振りかけてれば良かっただろ!?」


 彼女の訴えにライノは首を振り、それは出来ないと口にする。

 納得がいかないのだろうシュレムはライノにつかみかからんとするが――。


「あの水のままでは直ぐ消えてしまうみたいなの、だから調合して保つ必要があるみたいね……だから、あれがメルちゃんの魔力で、此処に書いてある通り……他者の魔力だから効果が落ちたのかもしれない、本人の魔力ならあるいは……と言うのを信じるしかないわ」

「そんな……」


 がっくりと項垂れたシュレムはメルへと近づき、その手を取る。

 そして、静かに願う……。


「頼むメル……目を開けてくれ……」


 彼女だけではない、リアスもライノもまた願う……。

 そんな時――。


「……ん?」


 リアスは何か変な臭いを感じ、眉を歪める。

 そして、彼は扉を睨み……ゆっくりと近づくと聞き耳を立て――その匂いの正体に気が付いた。


「っ!?」

「どうしたんだよ?」


 そんな彼の行動に疑問を感じたシュレムは首を傾げるが……リアスはそれに応える事無く急いで扉へと手をかけ――。


「早く外に出るぞ!!」

「何を急に言ってるの? メルちゃんがまだ目を覚ましてないわ」

「分ってる! メルを早く背負ってくれ!! 屋敷が……屋敷が燃えてる!!」


 叫ぶと同時に扉を開けるのだが、もうすでに火は目の前までに迫っており、彼は愕然とした。

 道が炎で塞がれているのだ。

 最早、その部屋から逃げる術はない……そう理解し、リアスは拳を地面へと落とす。


「ど、どういう事だよ!? なんで燃えてるんだよ!!」

「あいつだ、きっとあの大男が燃やしたんだ!」


 気絶をしていたから大丈夫だろうと特に気にしなかった事にリアスは後悔したが、もう遅い。

 縛っておけばよかったと考える彼はがっくりと項垂れ……。

 そんな彼に対し……。


「魔法が使えなくてもメルちゃんの武器を使えばどうかしら?」


 とライノは提案する。


「メルの……武器……っ! そうか!!」


 リアスは急ぎ仲間の元へと戻り、メルの剣であるアクアリムへと手を伸ばす。

 そして、しっかりと握ると鞘から滑らせナウラメギルを使う時と同じように魔力を込めるのだが……。


「……な、何で……」


 一向に魔力が減った気がしない。

 剣にも変化はない……何故か使うことが出来ないのだ。


「お、おい!? こんな時にふざけてる場合か!?」

「ふざけてない! 使えないんだ!!」


 シュレムの言葉にリアスはそう答える。

 するとシュレムは呆れ果てながらも剣を奪う様に取ると――。


「ったく!! 遊んで……る……」


 剣を構えたのだが、すぐに首を傾げた。


「使えない……」

「ちょっと二人共!? 何やってるの!?」


 ライノは二人に対し、焦ったような声で注意を促すも二人は声をそろえて答えるのだった。


「「この剣は(オレ)達じゃ使えない」」


 何故か使えない武器を持ち、彼は……いや彼らは目の前に広がっていく炎を呆然と見つめるのだった……。

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