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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
11章 雪国の大陸フロム
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249話 奪われた魔力

 メルを助ける為にライノにどうにかしてくれと頼むシュレム。

 しかし、彼にどうこうする事は出来なかった。

 だが、唯一怪しいのは魔力だ。

 それを戻すことが出来れば……そう淡い期待をしつつ魔力を抜くナイフを使いメルを助けようとする一行。

 しかし、魔力を出そうと道具を使ったシュレム達は信じられない物を見るのだった。

「くそ! なんでだよ!!」


 道具を使ったシュレムは叫び声を上げる。

 リアスはメルに異変が無い事を確認しほっとしたが、すぐに枯れた木へと目を向け……疑問が生まれた。


「どういうことだ……じゃああいつはどうやって魔力を取り出した!?」

「分からないわ……とにかく、そのナイフは今は危険でしかないわ、使わない方が良いわね」


 ライノはそう口にするとメルの元へと歩み寄り、様子を診る。

 しかし、医師ではない彼に分かることは少なく……。


「怪我や熱はないみたいね、やっぱり魔力不足が原因かしら……」

「………………」


 リアスもまたメルの元へと近づき、シュレムの持つナイフへと目を向ける。


「何でそのナイフに魔力を戻す力が無いのかは分からない、でも……何か方法はあるはずだ!! メルを助けるためにも一旦屋敷に戻ろう!!」


 そして、メルを背負うと彼は来た道を引き返す。


「でも、シュレムちゃんが倒しただろうあの男が居るかもしれないのに……」

「その時は倒す!! それよりも――」

「メルの方が大事だな!」


 リアスとシュレムは共に頷き、歩き始める。


「仕方ないわね……保護者が行かないんじゃ話にならないわ」


 そう呟いたライノもまた立ち上がり、一行は先程の屋敷へと急ぐ……。

 なぜあの時に確認しておかなかった……そう後悔しながらも、メルを助けるために急ぐのだった。

 しかし、それほど離れていなかったのが幸いだったのだろう、彼らは屋敷にすぐにたどり着き中へと入る。

 途中に見えるのは崩れた壁、それはシュレムが戦った後であり、大男が奥に倒れていた。

 それを横目にリアス達は地下へと急ぎ……。

 扉を開くと部屋の中にある物を物色し始めた。


「ここに何か手掛かりがあるはずだ!」

「おう!!」

「研究とか言ってたわね、そう言えば変な水を持ってたわよね?」


 そう呟いたライノは一つの瓶を手に取り、それをまじまじと見る。


「そう言えば、それって確かあいつが見ていた水だよな?」

「水? 水なんてどうでもいいだろ!!」


 シュレムはライノから瓶を取ると、その水をまじまじと見始め……。


「そう言えば喉が渇いたな!」

「そう言ってそんな得体の知らない物を飲むなよ? 毒かもしれないんだからな」


 リアスは呆れながら口にしつつ、部屋の中を探す。

 また、ライノも「そうね」と言いつつ辺りに机に資料へと目を通し始め……。


「ちゃんと水袋にある水を飲むって! 分かってるっての……」


 彼女はそう言いつつ、瓶を机に置き水袋を取り出すと口をつけた。

 ごくりと喉を鳴らし皮の臭いが映った水を飲んだシュレムは「まずい」と一言口にした。

 そんな時だ……。


「待って! さっきの水!!」


 ライノは焦ったような声を出し……。


「どうした? あの水が何かあるのか?」

「あの水! 魔力よ……ここに書いてある詳しい事は分からないけど、魔力が液状化したものって書いてあるわ!!」


 その言葉を聞き、慌てて瓶を手に取ったシュレムはその蓋を開ける。


「じゃぁこの水をメルに飲ませればいいんだな!!」

「ちょ、ちょっと待て!!」


 だが、リアスはそんな彼女を止め、瓶を取り上げる。


「何をするんだよ!?」

「馬鹿か!? 意識が無いメルにこれを飲ませても溺れるだけだ!!」


 意識があれば飲み込むことが出来るだろう、しかしリアスの言う通り無理に飲ませても危険なだけだ。

 シュレムもそれは理解出来た……理解出来たのだが……。


「じゃぁ! どうしたら良いんだよ!!」

「待ちなさい二人共……」


 そんな時、ライノは資料を手に片目を瞑り間へと入る。


「何を落ち着いてるんだよ! これじゃメルを助けられないんだぞ!?」

「そうだな、せめて意識があれば……」


 二人はどうする事も出来ない事に落ち込みがくりとする。

 しかし、ライノは……。


「何も水だからって飲ませれば良いって訳じゃないわ」

「何を言ってるんだライノの旦那……」


 シュレムは諦めたかのような顔でライノを見るが彼は相変わらず片目を瞑りながら、資料を片手で持ち、片手でそれを示す。


「何か書いてあったのか!?」


 その動作の意味に気が付いたリアスは彼に問うとライノは笑みを浮かべた。


「ええ……簡単な調合方法がね?」

「調…………合……? っ! じゃぁメルは!!」


 その言葉を聞きシュレムも顔をほころばせるとライノは力強く頷いた。


「大丈夫、必ず助けるわ! アタシ達でね……さ、始めるわよ?」


 ライノはリアスの持つ瓶を受け取ると机へと向かっていく……。

 そんな彼に対し、リアスは心配そうに呟いた。


「簡単だって言ってたけどさ……」

「ええ、分かってる。失敗は出来ないわ……この水で最後みたいだから……」


 真剣な表情を浮かべ、机へと向かったライノは資料を基に材料を探し始める。


「魔力水、ハーブ……それと……あら?」

「どうした!?」


 顔を顰めたライノにリアスは不安を覚える。

 しかし、シュレムは……。


「ライノの旦那に任せておけば大丈夫だろ?」

「……ええ、問題ないわ、机に無かっただけ……幸いこの材料は鞄の中に入ってたはずよ……」


 そう答えたライノは何やら魔物の一部……牙を取り出す。


「さ、じゃぁ……作るわよ」


 そう口にすると作業へと移るのだった。

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