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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
11章 雪国の大陸フロム
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241話 メルの行方

 リアス達は洞窟を抜け街を目指す。

 彼らは進み続けようやく一つの街についたのだ。

 そこで彼らは門兵に尋ね、ブランシュと言う店主が居るという酒場へと向かうのだった。

 リアス達はそこでメルがそこに居たという情報を得るのだが?

 ブランシュから話を聞いたリアス達は街に着いたばかりではあったがすぐにメルが向かったという場所へと足を急がせた。

 勿論、ブランシュはエスイルに会い、休むように止めたのだが……。

 リアス達はメルが心配だと言い飛び出して来たのだ。

 しかし、メルが出て行ってから時間がずいぶん経っているとの事だ。


「間に合うか?」


 シュレムはその表情をこわばらせながら呟いた。

 それを聞き、リアスは静かに首を振る……。


「メルがゆっくり進んでどこかで休憩をしてくれてれば、間に合う……だけど……」


 街の危機と聞いてはあの少女がそんな悠長なことをするはずはないだろう……。


「メルちゃんがそんな事するとは思えないわね」


 それには仲間達は皆同意見だったのだろう、首を縦に振る。


「急ごう……」


 そして、リアスの言葉に頷いた彼らは雪道を急ぐのだった。



















 今自分は何処に居るのだろう……。

 暗闇の中、彼女は思考する。

 だが、何も分からない……。

 ただ分かるのは……瞼を開けると……。


「クククク……ハハハハ!!」


 見えるのは痩せ細った男がナイフを自分へと突き刺そうとする光景だった。

 彼は何かを唱えるように胸元へとナイフの切っ先を向ける。

 実際に刺される訳ではないから痛みは無かった。

 だが……。


「あ…………かっ!?」


 何かが抜け出ていく……そんな気持ち悪い感覚が彼女を襲い、再び暗闇へと落ちていく……。

 四肢は拘束され、武器もなく、魔法を唱える気力も力もない。

 ………………彼女。






 メルは最初の内は何の抵抗も出来ずに死を待つだけだと感じていた。

 だが、どういう訳か魔力を根こそぎ抜かれているのにも関わらず、死ぬ事は無かった……。

 それどころか、自身の身を守る為だろうか? 僅かに魔力が回復するのだ。

 その所為で苦しむことになるとは彼女自身思わなかったのだが……男の方はそれが嬉しかったようで毎回高笑いを上げながらメルへとナイフを向けてきた。


 もう止めて!! そう叫びたかったが、声も思う様に出ない。

 彼女はその事実を受け入れ……脳裏に浮かんだのは……。


 誰……だったけな? あの人……達……。


 顔はしっかりと覚えているのに名前を思い出せない人たちの事だった。

 彼らにもう一度会いたい、そう願うも……心のどこかでそれはもう叶わない夢だと彼女は感じていた。


 早く……終わって……。


 彼女に出来るのは最早、最後の時を待ち望むだけ……。

 だというのに、その時はいつまで経っても訪れなかった。

 彼女を待つのは苦痛だけ……だからだろうか? メルは最後に一つだけ思い浮かべた。

 助けて……っと……。










 一方リアス達はメルを探し雪道を歩いていた。


「エスイルを連れてくれば良かったんじゃないか?」


 そんな中、シュレムはそう呟き……リアスは首を傾げる。


「いや、確かにエスイルも頼りにはなる……だけど、メルが置いて行ったんだぞ?」

「そうね、今はとても出歩ける状況じゃないのよ」

「そ、そうか……そうだよな」


 がっくりと項垂れたシュレムを見てリアス達は疑問を感じたのだろう。

 二人は目を合わせると彼女に尋ねた。


「どうしたんだ?」


 すると顔を持ち上げたシュレムは歩きながらも口を動かし始めた。


「いや、エスイルが居ればメルが大丈夫か分かるだろ?」

「そうか、精霊か……しまったな、だったら……聞いて来ればよかった」


 シュレムの考えていることが何かを理解したリアスはそう言うのだが、ライノは一人首を振る。


「そうは思わないわ」

「はぁ!?」


 その一言に顔を歪め一言を発するのはシュレムだ。

 彼女はライノに詰め寄るのだが、彼は動じずに言葉を続ける。


「万が一伝えた時に悪い知らせが来たらどうするの? エスイルちゃんも男の子、無理してもついてくるって言うわ」

「ぁ……で、でもさ、メルの事だぜ? 剣も使えて、魔法も……それに可愛い!」


 シュレムは何かに納得したかのように語り始める。

 しかし、その途中でリアスは口をはさみ……。


「いや、確かにメルは剣も魔法も得意だ……だけど、実際油断して捕まっていた事はある。それに見た目は……と、とにかく見た目的な問題でも心配だ」


 自身が死にかけた事件を思い出したリアスは彼女が縄で縛られていた事を知っていた。

 危険要素がある彼女を生かしておく理由なんてたった一つしかないだろうこともだ……。


「嫌な予感がするな……急ごう!」


 リアスは胸騒ぎを感じると仲間達に告げ、脚を急がせるのだった。


(メル……無事で居てくれよ……)


 そう思い、願いながら……。

 彼は足を動かす……その甲斐あってか彼らは予定よりも早くその場所へと辿り着くのだが……。


「お、おい……あれって……」


 シュレムが指をさしたその場所にあったのは雪に埋もれてはいるが辛うじて見えた見覚えのある剣。

 思わず駆け寄る彼女をリアスは止め……。


「何だよ!?」

「罠が大量にある……外してから入ろう」


 彼はそう言うとゆっくりと剣へと近づき糸を取り外していく……。


「二重か……」


 そう呟きながらも細い糸も外し、剣へと近づくと上に積もった雪を振り払い、それを手に取った。


「…………メル!!」


 剣をしっかりと持ち彼女がここに来たという事を確信したリアスは……屋敷を睨むのだった。

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