プロローグ11
装備を整えたメルはブランシュと共に氷狼の住処を予想する。
すると不自然な場所を見つけた彼女はそこへと行こうとするが迷子の癖がある彼女ではそこにはたどり着けない。
メルは水の精霊に反対されつつも案内を氷の精霊グラネージュへと頼むのだった。
「よしっ!」
メルは改めて装備の確認をし、一人意気込む。
「メルお姉ちゃん大丈夫?」
しかし、そんな彼女を見て心配そうに声をかけたのはエスイルだ。
少年はまだベッドに横たわっており、顔色も良くない本調子ではないのだろう……。
「やっぱり僕も一緒に……」
だというのに無理やり起き上がろうとする少年を慌てて止めたメルは微笑むと……。
「大丈夫! 絶対に戻ってくるから」
と微笑みながら答えた。
エスイルを置いて行くのは気が引けた。
しかし、動けないのでは装備を整えたくとも無理だ。
そもそも、お金も無いので装備が整えられないのだ。
例え装備があったとしても今のエスイルを連れて行ったら数日前の二の舞になってしまう事はすぐに理解出来た。
「だから、エスイルは此処で待って……リアス達が来たら私が向かった場所を教えてほしいの」
メルはそう言うと印を残した地図を机に置き、扉へと向かう。
そして、振り返ると……。
「行ってきます!」
そう告げて、その部屋から……いや街から去るのだった。
本当に氷狼なんているのかな?
そんな疑問を感じながら彼女は雪道を歩く……。
『ってそっちじゃない! こっちだって!』
「ぅぅ……」
道案内を頼んだ精霊グラネージュに注意をされたメルは慌てて来た道を引き返し、彼女の指示に従う。
『し、締まらないですね……』
『メルだし、ね?』
二人の精霊に苦笑いをされつつ、少女の一人旅は始まりを告げた。




