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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
9章 奪われた精霊の首飾り
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195話 タリムの王の遺産?

 無事スプリガンを倒した。

 そう思っていたメル達は嫌な気配を感じる。

 そう、スプリガンは群れをなしメル達に襲い掛かってきたのだ。

 だが、引く訳にはいかない。

 メル達は剣を取り戦うのだった。

 スプリガンとの戦いを強いられるメル達。

 彼女達は何とか数体減らす事が出来、その場から離れると岩場へと隠れていた。


「はぁ……はぁ……」


 そんな中、メルは息を切らしながら後方の様子を窺った。

 そこにはメル達を探す魔物の姿が見え、まだ見つかっていないことに安堵のため息をついた彼女は少し離れた場所にある岩影へと目を向けた。


「…………」


 手で大丈夫だと合図をし、メルは仲間であるシュレム達に伝える。


「しかし、参ったな……どんどんツィーアから離れてる」

「そ、そうなの?」


 メルは知らなかった事実を聞き驚いた顔を浮かべた。

 道が分からずともそこまでは離れてはいないと考えていたのだ。

 しかし、道を知るリアスは――。


「何とか逃げられてはいるが……先に進むには魔物の方へと向かわなきゃならない」

「そんな、でも……」


 メルは魔物の方へと目を向ける。

 進むにしても魔物を突破せねばならず、どうしようかと考えるが……。


 あんなに魔物が居るんじゃ抜けられないよ。

 それに、私達を探してるのか魔物はあまり動いてないし……ここに居るのがばれるのも時間の問題……。


 そこまで思い浮かべてメルは一つ気が付いた事があった。


 もし、本当に私達を探してるなら何らかの動きがあってもおかしくない。

 だけど、あの魔物達はあそこに居てキョロキョロしてるだけ……考えてみればおかしい気もする。

 ずっと立ち止まってる事なんてあるのかな?


 メルは近くにあった小石を手に取るとそれを投げてみる。


「お、おい!?」


 寧ろ、ずっと私達を追って来てたんだ。

 なのに見張りを立てるのは良いとして全員があそこに居る理由が無い。

 それもユーリママ達が言っていたスプリガンがあの魔物なら――知能があるはず。


 メルの投げた石は何かに当たり、大きな音を立てる。

 当然魔物はそれに反応し顔をそちらへと向けるが……。


「メル! ばれるぞ!!」


 リアスは声を潜めつつもメルに忠告をすると彼女の手を取り……。


「移動しよう」


 と告げた。


「大丈夫だよ……」


 しかし、メルはそう告げると魔物を睨んだ。

 そう、魔物は音に反応は示したものの動くことはなかったのだ。


「リアス聞いて……あの魔物全部倒せるかもしれない」

「何言ってるんだメル! あの数は無理だ」


 そう告げるリアスにメルは首を横に振る事で答えた。

 このままでは駄目だ、ツィーアに着くことはできないだろう、いや……着くことが出来てもそれはもう騎士達が去った後になってしまうだろうとメルは感じた。


「あの魔物はきっとあの騎士達が放ったんだと思う……私達をツィーアに行かせないために……」

「なに?」


 突然現れたスプリガン、きっとタリムの王が作ったモノとは違う。

 劣化種と言った方が良いかもしれない、だけど陽光に弱いって弱点と打撃や他の魔法じゃ通じないっていう特性はあまり変わりがない。

 だけど、本当にスプリガンなら、今の石を見て何らかの動きを見せるはず。

 恐らくあれは……。


「あの魔物は騎士達に私達をツィーアから遠ざけろって言われてるんだと思う、だから道を塞いでる。単純な命令しか聞けないんだよ」


 メルの予想を聞きリアスは瞳を丸め呆然とする。

 暫くし、ようやく出た言葉は――。


「――は?」

「だから、あの魔物はあの二人の騎士に――」


 信じてもらえない、それはメル自身も当然だと考えていた。

 何故なら人に従う魔物というのは早々居ない、ドラゴンならば勝利した者とその家族には従うがあの魔物は違う……。


「あれは多分作られた魔物……それも昔タリムの王が作ったモノを真似たんだと思う」

「思うって、なんでそう思う?」


 リアスはいくらメルの言う事でも命令に従っている問う言葉を聞き、信じることが出来ないのだろう……。

 彼女に聞き返すとメルはゆっくりとその理由を口にした。


「陽光の魔法が聞くのはタリムの王が作った魔物だけ……これはその為に作られた魔法だから、それに同じモノを作り出そうとしたならその特性が引き継がれてもおかしくはないよ」


 そう口にするメルだったが、正直に言うと自身も信じきれなかった。


 タリムの王が作った魔物……それを真似るにはユーリママのソティルと対極のアーティファクトが必要のはず。

 という事はこの魔物は最初から作られたっていう事はない。

 つまり、どこかにこの魔物達が最初からある程度作られていたって言うなら陽光の魔法が効くのも分かる。

 でもそうなったら……他にもキメラ達はいるって事だよね……。


 メルは嘗て傷だらけで戻って来た母の姿を思い出す。

 人より攻撃魔法が苦手で武器も大して扱えない、それでもタリムの王を討ち取り約束通り戻ってきた母の姿を……。


 そうなら、あれは私が倒さないと駄目だ!


 そう心の中で強く誓いを立てながら……メルは魔物を睨んだ。


「メル! 良いから戻って来い、ばれるぞ!!」

「大丈夫、だけど……余程近づかない限りバレないよ! でも、あの魔物は倒さないと先に進めない」


 メルはそう言うとリアス、次にエスイル達が居る岩場へと目を向けた。

 そこに居るライノはシュレムの口を手で塞ぎながら慌てた様子で「隠れなさい」と告げたが、メルは首を振り再び刃を構えた。

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