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183話 首飾りの行方

 ウンディーネのお蔭でメル達は助かった。

 更にはシルフとドリアードが首飾りの行方を追っているらしい。

 本来目が見えないはずの彼女達だが、どういう理由かは分からないが可能の様だ。

 しかし、ウンディーネは力を使い果たしたのか幼い姿になっていたのだった。

 タリムに戻り、フィオを家へと連れて行ったメル達。


「ありがとうございます! 娘が迷惑をかけたにもかかわらず!!」


 フィッツとその妻、友人であるアニィは深々と頭を下げつつメル達に謝罪をする。


「い、いえ! 気にしないでください」


 そんな三人の態度に驚きつつメルは両手と首を振り、問題が無い事を伝える。


「じゃぁ、俺達は宿に居るから、また何かあったら呼んでくれ」


 そんなメルを見て少し気が紛れたのか、リアスは柔らかい口調でフィッツ達にそう伝えるとメル達へと視線を向け、宿へと歩き出した。


「本当に! ありがとうございます!」


 感謝の言葉を背中に受けながらメル達は歩く……宿へと向かう一行には会話は無くフィッツ達のお蔭で多少紛れたものの重苦しい空気が流れていた。


「なぁ、首飾りどうするんだよ?」


 そんな中、話を切り出したのはシュレムだ。

 彼女もまた現状の事態に気が付いているのだろう、何処か真剣な表情で――。


「あれが無いと精霊がまずいことになるんだろ?」

「確か精霊を助けるために必要なのよね?」


 シュレムに続きライノはその事を口にし、メルとリアスは頷く。


「それなんだけど、どうやらシルフ達が追いかけてくれてるみたいなの、宿に着いたらちょっと調べてみる」


 精霊がついて行っているという事を伝えたウンディーネが気になる所ではあったメルだったが、それもシルフ達に聞けば分かる事だろう。

 そう信じ、メルは真っ直ぐに歩く――。


「メル!」

「お姉ちゃん!!」


 すると、名前を呼ばれメルは二人の方へと振り返る。


「え? あ、あれ?」

「宿はこっちだ」


 呆れ気味のリアスは少し微笑みメルは顔を赤くしながら、彼の横へと移動をする。

 ウンディーネの事が気になっていた事もあり、どうやら道から外れてしまった様だ。

 メルはこんな時なのに! と思いつつも今度こそ仲間について行くのだった。







 宿の部屋へと着いたメル達は早速首飾りの行方について話す。


「それで……追いかけてくれてるって言ってたな?」

「うん……ウンディーネがエスイルに言ってくれたみたい」


 メルがそう言うとシュレムは首を傾げつつ問う。


「メルに直接じゃなくてか?」


 その問いにメルは頷くもののの黙り込んでしまった。


「メルちゃん?」

「ウンディーネがすごく幼くなっていて……理由は分からないけど会話が出来なかったの」

「精霊が幼く? もしかして、首飾りと関係があるのか?」


 リアスは身を乗り出しそう聞くが――。


「それは分からないの、ただ……その前には大きくなってるウンディーネも居て……」

「僕そのウンディーネ見たよ! そのウンディーネから伝えてって言われたんだ」

「……どういうことだ? ウンディーネがデカいのか? それとも小さいのか?」


 シュレムの質問にメルは申し訳なさそうな顔をした。


「さっきも言ったけど、ウンディーネや私達に何が起きたのか分からないの」


 そう言いつつメルは何が起きたのか、一つ一つ思い出そうと試みる。

 すると――。


 あれ? そう言えば私何で普通に起きていられるんだろう?

 あの時確か――。


「……精霊が居なくなったわけじゃないなら、取りあえず首飾りの方を探そう、メル悪いけどシルフ達は何処だ? …………メル?」


 反応が無い彼女に首を傾げつつ、名前を呼ぶリアス。


「え? あ、ごめん……」

「良いのよ、精霊が心配なのね?」

「ごめん……メルの気持ちも考えず」


 ライノ達の言葉に頷くメルだったが――。


「うん、でも……今考えてたのはそうじゃないの」

「考えてた事? ってなんだメル、オレとの結婚か?」


 なぜそうなるのか? メルは苦笑いをしつつも答える。


「あの時、私はアクアリムに魔力を込めた。普通だったらそんなに減らないけど、あの時だけは気絶するほど魔力が減ったの……なのに今は何も問題が無い、これってどういう事?」

「それは不思議だけど、何か関係があるのか?」


 リアスの疑問は最もだ。

 アーティファクトを使って魔力が減る。ごく普通の事であり、魔力切れを起こせば気絶するのは当然。

 しかし、メルは丁寧に一つ一つを思い出していくことで気が付いた事があったのだ。


「私は魔力が切れてもすぐには倒れなかった……それに、あのウンディーネを呼び出したのはエスイルじゃなくて私……」


 恐らくは自分達を守ってくれたであろう精霊ウンディーネ。

 しかし、その精霊を呼び出せるエスイルはその時気を失っていた。

 森族(フォーレ)の血を引くメルが精霊を呼ぶというのは確かに出来るかもしれない……だが――。


「私は精霊魔法も精霊召喚も出来なかったんだよ?」


 何故ここにきて召喚が出来たのか、そしてあの大きなウンディーネは何なのか。


「…………それは確かに変だな」


 シュレムも同意しメルは頷く、そんな二人を見てリアスは首を傾げつつ問う。


「確かに不思議だ。だけど、ウンディーネが小さくなったことには関係がありそうだけど、今は首飾りを――」

「そ、そうだね! すぐに聞いて見るよ!」


 メルはすっかりと頭の中から忘れかけていた首飾りの事を思い出し慌てて答えるのだった。

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