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160話 心配は……

 リラーグから訪れた冒険者達。

 メルも知る彼女達の戦いはあまりにも無謀だった。

 危険だと判断し、体力が戻り次第戻ろうと相談するメル達だったのだが?

 マリー達のお蔭でしっかりと休めたメル達。

 再び門の外に出ようとした、しかし……。


「さ、流石にあれだけ暴れればそうなるよな」


 シュレムが呟き呆然と見つめている先にはマリー達から慌てて逃げる魔物達。

 それを見てメルは苦笑いを浮かべた。


 し、心配したけど、その必要はなかったのかな?


 そんな事を考えつつ、メルはリアスの方へと目を向けると、彼もまた同じような笑みを浮かべていた。


「普通は魔物より人の方が先にバテそうな戦い方だ……あれで息を切らさないってどれだけ強いんだ」

「当たり前だろ? マリーさんは時と場合によってはナタリアさんも恐れる人だぞ!?」


 怯えながらそう言うシュレムを見てメルは――。


 ナタリアってフィーナママにユーリママ、マリーさんって意外に怖い人が多い気がする。

 特にユーリママ相手だと子供って事もあってか甘い所があると思うし、甘いのは私に対してもだけど……。


 そう考え思わずくすりと笑みを浮かべた。


「僕達はいかなくても大丈夫なの?」

「そうだね、でも、すぐに駆けつけられるようにここに居ようか?」

「ああ、そうだな」


 メル達はその場で待機することを決め、門兵と共にマリー達を見守る事にした。








 更に時は経ち……メルとエスイルの耳には何かが街へと近づく足音が聞こえた。

 また魔物だろうか? それとも人だろうか?

 メルは音へと耳を傾ける。

 すると――。


「――っ!」


 耳と尻尾をぴんと立てた少女はすぐに尻尾を大きく左右に振る。

 リアスはそれを見て笑みをこぼすと――。


「戻ってきたのか?」


 とメル達に尋ね。


「帰ってきたみたいだよ」

「うん! ライノさんの声が聞こえたよ!」


 二人の言葉がリアス達へと告げられると共に森から姿を現したのは白い羽を持つ青年と数人の男女達だった。

 彼らを目にしたリアスはほっとした様子で――。


「良かった。あの人たちが来てくれたか……」

「知り合い……なんだよね?」


 メルは確認するとリアスは頷く。


「ああ、今のタリムの中でも俺達が世話になった人だ」


 俺達と言うのは妹であるリリアの事も含めてだろうとメルは察し、彼らを見下ろす。

 すると彼らはメル達の方へと向き、いや正確にはリアスへと目を向けたのだろう……笑みを浮かべ手を振った。

 リアスも彼らに応えるように手を振ると、マリー達もまたメル達の方へと向く。

 恐らく、彼らが何者なのか? と考えての事だろう、彼女達にタリムに人を呼びに行っている事を伝え忘れていた事を思い出し、メルは慌てて声を上げた。


「マリーさん! その人達はタリムの人なの! ライノさん、仲間に呼びに行ってもらってたんだよ!」

「それなら早く言っておくれ!」


 メルの説明を聞いた恰幅の良い女性は斧を肩に担ぎ、呆れつつも笑みを浮かべた。








 メル達はマリーとタリムからの使者であるボルグという男性と共にソーリオス領主イリアの屋敷へと向かう。

 勿論、彼らが来たと言う事を伝えるためだ。


「それにしても、この森の中にこんな豊かな街があったとは」


 彼は物珍しそうに辺りを見回すと関したような声を出し――。


「かつてのタリムの様だ」


 昔を懐かしむ様な表情を浮かべた。


「タリムってここみたいだったんですか?」

「いや、タリムの方が栄えていた、だが……人々の生活は嘗てのタリムを思い出させるようだ」


 メルの質問に柔らかな笑みを浮かべる男性。


「この街と共に歩んでいければタリムもきっと復興できるだろう、是非とも領主殿には協力を申し出たい物だ」


 彼の言葉にメルはほっとしつつ目の前を歩くリアスの背を見つめる。

 リアスの知り合いと言う事で心配はしていなかった。


 でも、本人の口から聞くともっと安心できるよね。


 そう思いつつ歩いているとメルの瞳に曾祖母の屋敷が映り――。


「あそこが曾お婆ちゃんの屋敷です」


 メルは目の前の屋敷へと指を向けそう告げる。


「ナタリアの母親が領主なんだっけ?」

「うん! そうなの!」


 マリーに問われメルは元気よく頷く、幼いころからメルはマリーも好きだったのだ。

 それもそのはず、ナタリア達が居ない時は決まってシアがメルの世話を――彼女無理な時はマリーに世話をしてもらっていたのだから。

 だからこそ、別れを言えなかった彼女に再び出会えたことを嬉しく思っていた。


「じゃ、此処からはメルが案内してくれるんだね?」

「任せて!」


 マリーに頭を撫でられたメルは嬉しそうに笑い、屋敷へと向かうとすぐにノックをする。

 すると、すぐに扉が開き――。


「おや、メアルリースお嬢様、それに……もしやそちらの方は」

「リラーグから来た冒険者のマリーさん、それにタリムのボルグさんだよ」


 メルが紹介をすると執事は表に出てゆっくりとしかし、丁寧に頭を下げる。


「お待ちしておりました、冒険者様、早速ではありますが奥様にお伝えいたします、屋敷の中でお待ちいただけますでしょうか?」

「これはこれはご丁寧に……では、失礼させていただきます」


 ボルグの言葉を聞いた執事は顔を上げ、メルの方へと向く。


「お嬢様達もご一緒にお願いいたします」

「は、はい」


 お嬢様って呼ばれるのは何かちょっと変な感じだなぁ……。


 メルはそう思いつつも執事の後をついて行くのだった。

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