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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
7章 決意を持った旅立ち
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152話 光の人型

 核となる言葉は見つけた。

 見事に文字を書き換えたメル達の前に現れたのは……。

 ナタリアと同じ姿を持つ光の人型だった。

 放たれたその魔法はナタリア本人のとはかけ離れた物。


「――がはっ!?」


 しかし、メルの魔法よりは強力であり――リアスは壁へと叩きつけられる。


「こ、これナタリアさんか!?」


 シュレムは目の前で起きた事に狼狽し、光の人型を見つめる。

 しかし、メルは力の入らないその身体で静かに首を振った。


「違う、あれは……私の魔力を吸って生まれた幻影……魔法も私の魔力を使ってるんだ……」


 無駄に魔法陣が大きかったのはきっとこの魔法を隠す為でもあったんだ……。

 それにリアスは吹き飛ばされたけど、命には関わらないはず。

 だけど、このままじゃ……結界が――。


 戻ってしまう。

 その事を察した少女はこの状況をどうにか打破できないか考える。


 あの魔法は私の魔力を使ってる……。

 でも、ナタリアが理由もなしに人を殺すなんて事はしない。

 つまり、私がこれ以上魔力を失う事はない、それに恐らくだけど……魔力吸収は直接魔法陣を壊そうとした人以外には効果が無い。

 そして攻撃が効かないのにリアスを吹き飛ばしたって事は……魔族(ヒューマ)、ううん魔力に反応してる。

 シュレムに反応しなかったのは私の近くに来たのが人型が出る前であれには向かって行かなかったからじゃ? それに――攻撃をするって事は倒される可能性もあるって事……魔力を奪う理由……。


『………………』


 メルが考えている内も人型は魔法陣を修復しようとしている。

 その光景を見つつ焦る一行だが、先程の魔法を見てしまったからだろう……もし、危険な魔法を使われたらと下手に動く事は出来ず。


 魔力さえあれば……魔力?


 人型がそこまで危険ではない事を察したメルは何かに気が付いた。


 もしかして……ううん、恐らくあの人型は私から奪った魔力の分だけ動ける。

 同時に魔法だってそう……なら――。


「リアス下がって!!」


 メルは起き上がったリアスの方を向きそう叫ぶとすぐにそばに居るシュレムへと目を向ける。

 この場を打破できるとしたら頑丈な彼女だけだと感じたからだ。


「シュレム良く聞いて……」

「なんだ? 結婚か?」


 こんな時だと言うのにそんな事を言う姉にがっくりとするメル。

 しかし、すぐに気を取り直すと――。


「あの人型は魔力で動いてる……だから魔法を誘発させれば……でも、威力は抑えられてもリアスやライノさんじゃ危ない、私ももう魔法が使えないよ」


 魔力さえあればディ・スペルと言う魔法であの人型自体を消す事は可能だろう。

 しかし、魔力を多く使う魔法を使った時メルは気を失うだろう。

 ならば、この場を切り抜けるには別の手しかないのだ。


「だからシュレム……お願い、あの魔物を――」

「つまり、オレが突っ込んで行けば良いんだな!」

「え? 待って……」


 シュレムはメルの制止の声を聴かずにニヤリと笑い盾を構え、人型に向かってその大きな盾を叩きつけようとする。

 勿論、人型には効果が無く……すり抜けていくのだが――。


「なっ!? こいつ攻撃が効かないぞ!?」

「さっきリアスお兄ちゃんが向かった時もそうだったよね!?」

「そ、そうだった! クソッどうすれば良いんだ!?」


 焦るシュレムに向かい腕を伸ばす人型。

 それを見てメルは咄嗟に叫ぶ――。


「身を守って!!」


 その声にしがたいシュレムはその巨盾を構える。


『――意志を持て――マテリアルショット』


 それに少し遅れ放たれた魔法はシュレムを襲い、彼女はあっけなく壁へと叩きつけられる。

 それを見てメルは頭を押さえつつも祠の入口へと向かい、陽光を浴びると――。


「陽光よ我が身に降り注ぎ糧となれ……マナヒール」


 ()()を唱えた……それはわずかではあるがメルの魔力を回復するもので――。


 これなら……一回は気絶しないで使えるはず!


 彼女は即座にその右腕をシュレムへと向け、魔法を唱える。


「万物の根源たる魔力よ、(つるぎ)に宿りて力を示せ――エンチャント」


 メルが魔法を唱え終わると同時にシュレムの盾に焔が纏う。


「ん? なぁ!? 盾が燃えてやがる!!」


 突然燃え始めた盾に驚くシュレムだが、すぐにそれがメルの魔法だと気が付くとほっとした様子がメルからも見て取れた。


「魔力……ギリギリまで吸うって事は魔力を使ってするのは魔法や魔法陣を直すだけじゃないはず……! ……シュレム!! その盾で殴って!!」

「おお!!」


 メルの願いに応え、再び武器である盾を人型へと叩き込むため駆け始めるシュレム。


「これが初めての共同作業だぁぁぁあああ!!」

「何言ってるの!?」


 もし、人型を止められなかったら再び始めからだと言うのに緊張感の無いシュレムに思わず突っ込みを入れてしまうメル。

 だが――。


『――っ!!』


 メルの予想は合っていたのだろう、シュレムの巨盾は見事に人型を捕らえた。


「やったか……!!」


 確かな手応えを感じたのだろう、シュレムの声が響き――。


「油断するな!!」


 リアスの声が飛ぶ――それに遅れ人型はゆっくりと動き、シュレムは目を見開き驚いた。

 いや、誰が見ても驚くだろう……シュレムの持つ燃え盛る盾は確かに人型に打撃を与えた……しかし、人型は吹き飛ぶことは無くそれがリアスが注意を促した理由でもあったのだ。

 だが、彼の忠告は僅かに遅く――。


「ガッ!?」


 人型は魔法を唱え――シュレムは再び壁へ叩きつけられるのだった。


 な、なに……これ、ナタリア……どれだけ協力な罠を仕掛けてるの……。

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