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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
7章 決意を持った旅立ち
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139話 ライノの陰謀

 同年代の子供達に誘われ遊ぶことになったエスイルを見送るメル達。

 すると、シュレムは子供達の見守りを申し出てくれた。

 同時にメル達の知らない所でライノは何かを企んでいる様だ……。

 エスイルとシュレム、二人と別れた後暫く街の中を歩いていたメル達。

 何故かライノはメル達に遅れて先ほどの笑みを浮かべたままだ。

 それに気が付いたメルは不安そうに後ろをチラチラを見るのだが、ライノは何かを思いついたような表情を浮かべ――。


「あ、あの、ライノさん?」

「ああ、そうだったわ……そろそろ薬草切れる頃だから、買い足してくるわね」

「へ!?」


 メルは突然すぎる言葉に驚きつつ、一緒について行くと告げようとするのだが――。


「見分けにくい薬草もあるからね、二人はゆっくりしてらっしゃい?」

「え? それは店の人に聞けば――」

「じゃ、行って来るわね」

「え、ちょ!?」


 二人の言葉を聞く気はないのかライノは背中にある羽を羽ばたかせると空を飛んで移動し始める。

 当然、メルとリアスはすぐに飛ぶことは出来ず、その場に取り残されてしまうのだが……。


「ラ、ライノの奴急にどうしたんだ?」

「わ、分からない……急になんか変な顔をしてたけど……」


 メルは首を傾げつつ不安なのか尻尾と耳を垂らす。

 それに気が付いたリアスはメルの頭へと手を乗せ――。


「な、なに?」


 メルは戸惑いつつも、リアスの方へと目を向けると彼は慌てて手を退け――。


「い、いや……不安そうだったから、大丈夫だライノの事だしきっと何か理由があるんだろう……夜には屋敷にいるはずだ」

「そ、そうだね」


 二人はライノの去って行った空を見上げつつそう呟くと再び街の中を歩き始める。


 それにしてもライノさんのあの顔、一体なんだったんだろう?

 怖いって感じじゃなくてもっと別の……なんか変な事でも考えてたのかな?


 しかし、その疑問に答えてくれるものは無く……。


「メル! あまり離れるなよ?」

「うん、ありがとう」


 メルの事を案じ、少し先で待っていてくれたリアスの元へと彼女は駆け寄った。

 そして、横に立つ少年へとメルは尋ねる。


「でも、何をしようか?」

「装備は……特に必要ないし、薬はライノに任せて置けば良いからな……」


 そう、メル達はやる事が無い事に気が付くと当ても無くぶらつく事にしたのだった。







 外の森には魔物が居たとはいえ、街の中は平和。

 珍しい物がそうそうある訳でもなく、メル達は椅子へと腰かけゆっくりとしていた。


「なにも、ないな……あの塩焼きそばって言うの以外は」

「精霊達が住みやすい街だって言うのは分かったよ」


 メルの瞳には生き生きとした精霊達が映り、彼女達はメルを見つけると一目散に近づいてくる。

 気がつけばメルの周りにはシルフやドリアードを始めとする精霊達おり、彼女達は見える景色一つ一つに感動の声を漏らしていた。


「精霊は何て言ってるんだ?」

「えっと、景色が綺麗とか、こんな風になってたんだとか……人がいっぱいだとかだよ?」

「そうか……」


 リアスは優し気な笑みを浮かべ、メルの言葉にそう返す。

 するとメルはその笑みに瞳を奪われる。


 初めて出会った時は互いにいがみ合った二人ではあった。

 しかし、それが誤解だと理解し、共にここまで歩んできたのだ。

 メルはその事を思い出すと何処か嬉しい様なおかしい様な気持ちになり口元を緩める。

 そんな時――。


「あら、初々しいわね」

「本当、二人椅子に座って可愛いわね」


 二人の目の前を通り過ぎていく女性達はメル達の事らしき会話をしていた。

 通り過ぎた後も――。


「片方は確かディーネ様の――」

「ええ、ユーリ様の瞳にそっくりだったわ」


 その様な会話が続き、二人は去って行く――。


「…………」


 リアスは予想していなかった事に目を丸め。

 メルは俯き顔を真っ赤にすると、耳と尻尾をぱたぱたとさせる。


『メル?』


 当然メル達の反応に首を傾げる精霊。

 だが、メルはそれどころではなく――。


 そ、そうだった……。

 普通の人には精霊()が見えないから、私とリアスが二人っきりに見えるんだ。


 その事に気が付いたメルは途端に恥ずかしくなるのだが、それはリアスも同様だったようで……。


「あ、その……適当にまた歩くか?」

「え、あぅ……うん」


 二人はそそくさとその場から移動をするべく立ち上がった。


 で、でも……もしかして、ライノさんのあの顔の意味って……。

 私とリアスと二人っきりにする事が目的だった?


 メルはふとライノの顔を思い出す。

 すると、以前にも似た様な表情を浮かべたことがある事に気が付き――。


「絶対そうだ……」


 リアスにも聞こえない小さな声で一人呟いた。


「しかし、何処に行くかだな」


 彼の言葉にメルは苦笑いを浮かべつつ、考えている時だ。

 遠くの方で音が響き、メルとリアスはその方向へと視線を向ける。


「何の音だ?」

「分からない、でもリアスにも聞こえたなら何かが!」


 二人は頷き合うとそちらの方へと向かい駆ける。 

 音が聞こえたのが街の中では無い事を祈りつつ……もし、そうであったとしても何事も無い事を願って――

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