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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
7章 決意を持った旅立ち
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134話 ソーリオスの森

 ソーリオスの魔物を退治するために森へと向かったメル達。

 だが、広い森の中で魔物を探すのは大変だ……。

 そんな時、ライノが持ち出した魔物避けの薬、それを使い創作することに決めたメル達だったが?

 メル達はサンクの花から抽出した物を身に着け森の中を歩く……。

 人々には好まれるその匂いは魔物にはどうやら嫌われる物だ。


「でも……どこにもいないね? ライノお兄ちゃん」


 魔物の姿はなく――メル達は辺りを見回す。


「この匂いが苦手じゃないとか?」

「魔物は大体この匂いが苦手のはずなのだけど……」


 ライノが頬に手を当てながらそう言った後だ。

 森の中に音が鳴り響き――。


「な、何!?」


 メルは慌てて音のする方へと目を向ける。

 すると数本の木が動き出し、メル達とは正反対の方へと逃げていくではないか……。


「あ、あれがエイシェントツリー? 一体だけじゃなかったのか……」

「どうでも良い! さっさと叩き潰すぞ!!」


 盾を構えたシュレムは魔物へと突撃し、それに続くようにリアス、メルも武器を構え走る。

 生木の姿の魔物はメル達から逃げれないと悟ったのだろうか?

 ぐるりとその身体をメル達へと向け――。


「ひっ!?」


 メルは木に張り付いた顔に思わず小さな悲鳴を上げ尻尾と耳を丸めてしまった。

 そう、それはまるで――。


「お、おば、おば――!? お化け!?」


 木の魔物というよりは木のお化け、そう言った方が良いだろう魔物の姿にメルは怯んだのだ。


「メルちゃん! 相手は魔物、お化けなんかじゃないわ!」

「そ、そうですよね! お化けはいない、お化けはいない……」


 メルは自身を落ち着かせるようにそう繰り返すと改めて武器を構え直し、魔物を睨む――

 そこにはすでに先に魔物と刃を交えるリアスとシュレムの姿があり、メルは慌ててその場へと向かう。

 メルは目の前の仲間達の元へ走る途中、自身の後ろから――。


「草花の精霊よ我が前に姿を現せ――ドリアード!!」


 エスイルの詠唱が聞こえる事に気が付く――。


「ドリアード! メルお姉ちゃんたちの手伝いをして!!」


 そしてその声に答えるかのようにドリアードはメルの傍へと現れ――。


『メル!!』

「ドリアード、頼りにしてるよ!」


 精霊へとそう告げると、ドリアードは嬉しそうに微笑んだ。

 そんな精霊の様子に頷いたメルはアクアリムを構え魔力を送り込む……そして、二人へと迫る木の魔物へと向かい、水の刃を放つっ!!

 それは見事に魔物を捕らえるのだが――。


「あ、あれ?」


 確かに魔物はメルの攻撃を受け傷を負ったはずだ……しかし、まるで効いていないかのようにリアスとシュレムへと迫るのを止めることは無く……。


「リアス! シュレム!!」


 慌てて仲間の名を呼ぶ。

 その声に反応しリアスはその場から飛びのけ、シュレムは盾を構える事で事なきを得た。

 しかし――。


「わ、私の攻撃が効いてない……の?」

『多分、私と同じだから水は効果が無いのかも』


 その理由をドリアードへと告げられ、メルはハッとする。

 目の前に居る魔物は木だ。

 確かに水は効果が薄いのかもしれない、しかし――。


 私が使ったのは水の刃……なのに……なのに効果が無い?


 メルは魔物へと目を向けると無数の傷があるのが分かる……しかし、弱った様子は無いのだ。


 つまり、あの傷位なら問題にすらならない魔物……早く倒すなら火が良いけど――。


 辺りは森、火の魔法を使ったら大惨事になる事は分かり切っている状況だ。


 なら、直接的な攻撃で倒す? でも――。


 メルは木の魔物に果敢に挑むリアスとシュレムへと目を向ける。

 善戦をしているようにも見えるが、魔物に致命傷を与えられず逆に追い込まれるのも時間の問題だ。


 やっぱり魔法で――!!


 メルは辺りにある手頃な岩へと目をつけ、精霊へと伝える。


「ドリアード、一瞬で良いからあの魔物の動きを封じて!!」

『う、うん!』


 メルの願いを聞き入れた精霊は目を閉じ地へと振れる――すると地面が盛り上がりそこからは巨大な根が現れる。

 ドリアードが大地へ……あたりの木々に干渉し、起こした現象だろう。


「なっ!?」

「これは――精霊か!?」


 その根は魔物を捕らえ、リアスとシュレムを守る様に動き始める。

 メルは右腕を岩へと向け――。


「我が意に従い意思を持て!! マテリアルショット!!」


 魔法で岩を浮かせるとそれを魔物へと向け討ち放つ。

 その岩は見事魔物へと命中し、魔物は音を鳴り響かせる……。

 やがて大きな穴が開いた魔物はぐらりと揺れ、地面へと倒れると時折動くものの立つことは出来ない様だ。


「よし! これなら――!!」


 メルは一体の魔物を倒せたことに安堵をした。

 その時――。


「メルちゃん!! 危ないわ!!」


 ライノの忠告が耳に届き、その場から離れるとメルが先ほどまで居た場所へと振り下ろされたのは魔物の腕に当たるのだろうか?

 まるで獣の爪の様な枝だった。

 魔物はメルへと狙いを定め彼女へと迫るが――。


「メル!! 下がってろ!!」


 今度はシュレムの盾により、その枝は防がれる。


「こっちで注意を引く、魔法を頼んだ!!」


 そして、リアスもまた駆けつけ、彼女の横を走り去りながらそう告げた。


「うん! ドリアード! もう一回お願い!!」


 メルは彼の言葉に頷きつつ精霊へと再び声を掛け、魔法を唱えるのだった。

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