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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
7章 決意を持った旅立ち
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126話 マタルラガルド

 龍に抱かれる太陽、そこの冒険者であるマリーと言う女性。

 メル達は彼女の住んでいた村へと辿り着く……。

 しかし、そこは肉食大トカゲマタルラガルドと言う魔物が住まう場所となっていた。

 メル達はそれから暫くマタルラガルトの様子を見守っていたが、やはり一向に立ち去る気配はない。


「他に道はないのかな?」


 メルはリアスへと問う。すると彼は首を振り答えた。


「ああ、安全な道は此処しかない。後は建物が崩れていたり、巣になっているんだ」

「じゃ、戦うしかないって事か……」


 シュレムは盾を構え、魔物を睨み呟く……。


「流石に近づけば襲い掛かってくるだろうし、そうするしかないわね」

「ぅぅ……」


 二人の言葉を聞きメルはますます項垂れてしまい、それを見たリアスは眉をひそめる。


「メル、相手は――」

「う、うん……分かってる。相手は魔物避けて通れない以上、仕方ないよ」


 そう言いつつ顔を上げた彼女もまたアクアリムを鞘から抜くとマタルラガルトをその目に捉え。


「今はまだ一匹、多くなる前に倒そう!」

「ああ!」


 メルのその声で武器を構えた三人――。

 物音に気が付いたのだろう魔物はメル達の方へと向く……すると彼女達を敵とみなしたのだろう巨大なトカゲはメル達へと迫り――。


「なっ!? は、速えぇぇ!?」


 その速さにシュレムは叫ぶ――魔物の攻撃を避ける二人とは違い、シュレムはそれに耐える為に盾で受けるが、その衝撃はすさまじかったのだろう……彼女は後ろへと押されてしまう。


「っ……のっ……トカゲェェ……」


 何とか大地に踏み留まっている彼女は前に出る事も出来ず、当然盾を動かす事も出来なかった。


「シュレム!?」

「シュレムじゃ分が悪い――!!」


 リアスはそう叫ぶように言うと棒を取り出し魔物へと振り下ろす。だが――。


『――――!!』


 魔物はそれを察し、あっさりと避けると今度はリアスへと向かって行き――。


「リアス!!」


 メルは彼の危機を察し咄嗟に魔物へと向かい、攻撃を仕掛ける事で興味を逸らさせる。


「きゃ!?」


 だが、メルではリアスの様に華麗に避ける事は出来ず、すんでのところで魔物の猛攻を躱す事になり、ただその身を危機にさらすだけになってしまい……。


「ラ、ライノお兄ちゃん! このままじゃメルお姉ちゃんがっ!!」

「そんなに早くないはずなのに……どういう事なの? と、とにかくメルちゃん! エスイルちゃん! あれは体温を奪うと動きが鈍くなるわよ!!」


 エスイルの声を聞き焦りつつもライノは魔物の弱点を告げる。

 それに頷いたメルは魔物から距離を取るように動くのだが、魔物はしつこく彼女を狙い――。


「こっちだ!!」


 再び襲い掛かろうとした所をリアスの針が飛び、それを尻尾ではじいた魔物は再び狙いを彼へと向けた。

 しかし、今度は間にシュレムが入り込み――。


「な、ろぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 攻撃を彼女の盾によって防がれ、苛立った様子の魔物は尻尾を地面へと叩きつける。

 その隙を見逃さずメルは魔物から離れ――。


「エスイル!! シルフを呼んで!!」


 弟に風の精霊であるシルフを呼ぶように伝えると右腕を魔物の足元へと向けた。


 体温を奪う……それなら――っ!!


「地よ凍てつき、氷廊(ひょうろう)となりて妨害せよ――アイスフロア!!」


 魔物の足元へと作られた氷は見る見るうちに広がって行き、慣れない足場の所為か魔物は上手く力を入れることが出来なくなったのだろう……。

 シュレムはニヤリと笑うと身を守るのを辞めその大盾でマタルラガルトを叩き、それに続く様にリアスも棒による打撃を与える。


『――――!!』


 避ける事の出来なくなった魔物は二人の攻撃を受け、よろけながらも反撃に出ようとその口を大きく開け――。


「シルフ――あそこに風を起こして!」


 エスイルの声に頷いた精霊は二人の目の前まで来ると地から舞い上がる様に風を起こす。

 すると――。


「つ、冷た!? お、おい! リアス引くぞ!!」

「ああ!!」


 余りにも冷たい風にシュレムとリアスはその場から飛びのき、再び武器を構えたのだが――。


『――っ! ――』


 魔物の体温は奪われたのか、徐々にその動きは鈍くなっていく……。


「よし!! このまま攻めるぞ!!」


 リアスの号令に頷いたシュレムとメルはそれぞれの武器を構え魔物へと振り下ろす。

 先程までの動きであれば捕らえる事も出来なかっただろうが、今はエスイルとシルフのお蔭で見事彼女達の攻撃は魔物を捕らえ――。


『――――』


 魔物は沈黙した。


「…………た、倒せた?」


 メルは動かなくなった魔物を覗き込む。


「何とかなったみたいだな……先を急ごう」

「だな……流石のオレでもこんな魔物何度も相手にしてたらメル達の魔力が持たないのは分かる」


 無事魔物を倒せたことにホッとし、そしてシュレムの真面目な言葉に笑い声を上げた一行は武器を収めると急いでその場を離れる。


「他に魔物は出てこないみたいだね?」

「けど、さっき日向に出てきたと言う事は他の魔物も出てくる可能性があるわ! これ以上で会わない事を祈るしかないわね」


 沢山のマタルラガルトが気持ちよさそうに日向ぼっこをしている光景を思い浮かべたメルは思わずその顔を崩し……。


「そ、それはちょっと見てみたいかも……」

「「メル!?」」

「あ、いや……うん、分かってる、よ?」


 驚くリアスとシュレムにメルは慌ててそう告げたのだった。

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