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105話 買い物を続けよう

 立ち向かうことを決めたメル達は防具を揃え、今度は武器屋へと向かう。

 そこには様々な武器がある訳だが……。

 リリアはどんな武器を好むのだろうか?

 防具を選び終わったメル達はその足で近くにある武器屋へと向かう。

 そこでの目的もやはりリリアの武器なのだが……。


「リリアちゃんは確か短剣を使ってたよね?」


 メルはそう言うと棚にある短剣を手に取り、リリアへと手渡そうとするのだが……リリアはそれを見て後ろへと引いた。


「リ、リリア?」


 リアスは妹の名を呼び彼女の方へと向くが……。

 そこには顔を青くしたリリアの姿がある。


「どうしたの?」


 その理由が手渡そうとした短剣にあるとメルは思ったのだろう、とっさに棚に戻し問うと……・

 少女はふるふると震えていて……その様子は明らかにいつもと違うのだ。


「リリア?」


 その様子は彼女を嫌うエスイルにも伝わったようで……その様子に心配をしたのだろう。

 だが、その理由を伝える事無くリリアはメルへと抱きついた。


「…………」

「……そっか、短剣怖いんだね……」


 そうリリアに問うメル。


 きっと今まで短剣で人を殺めてきたから怖いんだ。

 でも……それならどうしたら? このままじゃリリアちゃんが丸腰だよ……。


 メルは困り果て武器屋の中を見渡すと一つの武器へと目をつけた。


「弓……そうだリリアちゃん弓は使える?」


 リリアはメルの言葉を聞き、小さく頷く。

 だが、人を殺める武器には変わりがないそれを見て顔色はますます悪くなっていた。


「ねぇ、リリアちゃん」

「…………」


 だが、メルには旅立ちの日からずっと心に刻み込んでいた言葉があった。

 それはきっと今のリリアにとって大事な事になるだろう、そう思い。


「私ね、旅立つ時に大事な人から言われた言葉があるの……」


 ナタリアより受け継がれた言葉……。


「力は命を奪う、でもそれで人を助ける事も出来る……でもね、私が私達が絶対に守れるなんて言いきれない、使わなくても良いから……せめて身を護る手段を持ってて欲しいの」


 戦う力が必要ではない。

 万が一の時に備え身を守る手段を得て欲しい……メルの思いはただそれだけだ。


「大丈夫だってオレ達が居るんだリリアが武器を握る事の無いようにするって!」

「そうね、子供守る為ならアタシも戦うわよ?」


 仲間達のその言葉を聞き、メルは優しい笑みを浮かべると未だ抱きつく少女へと目を向ける。


「皆もそう言ってくれてるから、ね?」

「……」

 

 それでも怖いのだろう……しかし、リリアは震えながらも首を縦に振る。


「なら決まりだな、オイラの出番だ! おやっさんこの店にある弓でこの子に合いそうなのってあるか? 出来れば良い物が良い」

「カルロス? お前何を……?」


 突然、話を切り出したカルロスに疑問を浮かべるリアス。

 しかし、カルロスはニヤリと笑みを浮かべると――奥に行った店主を確認し――。


「さっきの防具屋では文句のつけようも無かったけどな」


 そう言って親指と人差し指の先をくっつけ円を描く……彼が突然そんな行動を取ったのは商売人だからこそであろう理由だ。


「オイラに任せておきな!」


 そう言うと彼は今度は親指を立てた。








 それから暫くし……メル達は別れて行動をしていた。

 以前とは違いその身には武具を身に纏い。

 メルと共にいるのはリリアそしてエスイルだ。


「それでエスイル、何処に行きたいの?」

「うん、リシェスに冒険者やなりたい人が練習できる場所があるんだって」


 エスイルはそう言うと笑みを浮かべた。


「でもエスイル……精霊召喚したことあるの?」


 メルは心配そうに弟の顔を覗き込む。

 精霊達は彼に手を貸すと言っているのだから失敗は無いだろう、だがそれを分っていても心配な物は心配なのだ。


「もう! 心配性だねメルお姉ちゃんは! だから練習するんだ! ね、シルフ!」


 彼はメルの頭の上に乗るシルフに声を掛ける。


『うん!』


 すると元気な声で返事が聞こえ……。


 ま、まぁ魔法じゃないし……大丈夫だとは思うけど……心配だなぁ。

 それにしても、この心配性って絶対ママ達の心配性を継いでるよね……。


 そんな事を考え歩いているとその広場らしき場所へと辿り着いたメル達。

 まだ早いというのにそこには剣の練習や魔法の練習をする者達が居り……メルはタリムの屋敷や酒場での事を思い出していた。


「何か懐かしいな……」

「お姉ちゃん?」


 首を傾げるリリアの頭を撫でるとメルは――。


「ただ、懐かしいなって思ってただけだよ……それよりも」


 エスイルへと目を向けて微笑み――。


「無理をしちゃだめだよ? 勿論シルフもね!」

「『うん!』」


 頷いた少年は目を閉じ手の平を空へと向ける。

 精霊召喚をするにはその精霊が住む場所へと振れて語り掛ける事が必要だ。

 だが、シルフに至っては風の精霊……風さえ拭いていれば呼び出すことが出来る。


「風の精霊よ我が前に姿を現せ……シルフ!」


 その言葉を紡ぐとメルの頭の上に乗っかっているシルフはエスイルの目の前へと移動し……。

 淡い光に包まれるとくるりと身を回転させる。


「で、出来た?」


 エスイルは不安そうにメルに問う。

 するとシルフは――。


『メル!』

「し、シルフ!? わわ!?」


 メルへと頬ずりをし、すぐにお気に入りである頭の上へと戻っていく……。


『ユーリと同じ匂いがする……』

「え、えっと……」

「精霊さん気持ちよさそう……」


 その様子に戸惑うエスイルと笑みを浮かべたリリア。

 メルは二人の様子を交互に見ると――。


「シルフはちゃんと実体化したみたいだよ」


 エスイルの頭を撫でそう伝える。

 それに少年は長い耳を垂らし顔を赤くすると――。


「えへへ……」


 嬉しそうに笑った。

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