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距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる  作者: 歩く魚
巻島葉音

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1/30

「七里ヶ浜くん、逃げないでね」


 巻島は体育倉庫の扉をゆっくりと引いた。

 中に入ると、ちょうど二十四時間前に閉じ込められたときと同じ、埃と木の匂いがする。


「……何のつもりだ?」

「……密会? 逢瀬? なんて言えばいいかな。僕たちだけの言葉、作っちゃう?」


 巻島は振り向きながら囁くと、俺の腕を軽く引っ張った。

 中に引き込むようにして、扉を閉める。鍵がかけられる。


「お、おい!? 鍵まで……」

「だって、邪魔されたくないでしょ?」


 そう言って、巻島は俺のすぐ目の前に立つ。

 距離が近い。鼻先がかすりそうな距離。


「……お前、何がしたいんだよ……」

「え? 分からないの?」


 彼女は俺の胸に手を置いて、ぐいっと寄ってくる。


「昨日は、なんかいろいろ中断されたから……ね。続き、しよ?」

「いや、昨日の続きって……」

「――キス、しよ」


 耳元で、吐息まじりでそう言われた瞬間、俺の心拍数は限界を迎えた。

 一体どうしてこんなことになったのか。

 俺は即座に、しかし走馬灯のように丁寧に思い返していた。

こんな感じですって感じです。

6話(これを入れて7話)まで我慢して読んでください!

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