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2話

 

 あー、何だか頭がボーっとする。

 それに目を瞑っているのか、目の前が真っ暗だ。

 あれ?そういえば俺はいつの間に寝ていたんだ?家に帰った覚えも、保健室に行った覚えも無いぞ。

 最後の記憶は確か、いつも通り授業を受けていたら、目の前が真っ白になって………………あれ?これヤバくね。

 もしかして病気で倒れたか事故でも起きた?そういえば一瞬だけ物凄い痛みを感じた気がする。

 それに体が動かしずらい。

 これは本格的にヤバイか?手や足の感覚はあるから、最悪でも五体満足なのは確かだけど。

 取り合えず目を開けえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?


 俺の目の前に広がるのは緑溢れる景色。

 もし一言で表すなら密林。


 えっ、ちょっ、ちょっと待って。

 ここどこ?病院とかじゃないの?何でテレビでしか見たこともないような密林に居るの俺?ドッキリ?いやいやいやいや、俺みたいな普通の高校生にこんなに手の込んだドッキリなんてするわけない。

 あっ、そういえば俺の体…………………………。


 確認の為に目を向けた俺の体は、球体の間接部と、滑らかな表面に木目が浮かぶ四肢。

 一目で血が通っていないと分かる物。


 何だこれ?木の人形?マネキン?俺の体は?

 どうして俺が手を動かすと人形の手が動くんだ?

 もしかしてこの人形が俺?

 そんな馬鹿な。

 俺は人間だ。

 決して人形なんかじゃない。

 でも目の前にあるのは人形だけ。

 ……………………………………………………マジで人形になったの俺?。









 よし、だいぶ落ち着いてきた。

 取り合えず状況を整理しよう。

 まずこの状況になるまでの経緯。


 授業中→何かあった→密林→人形の体


 だめだ、意味が分からない。

 何があればこんなことになるんだ。

 人間が人形になるなんて聞いたこともない。

 だけど、夢とか幻覚にも思えない。

 感覚がリアル過ぎる。

 そうして考えると、もしかしてこれはあれか?最近流行りの異世界転生って奴か?

 それもスライムとかゴブリンとかの魔物に転生するやつ。

 普通だったら笑い話に思えるけど、そう考えれば一応は今の状況にも説明が出来る。

 でもそれならこれからどうしようか。

 人形の俺には、睡眠は分からないが食事は必要ないだろう。

 なら異世界だろうと生きるだけなら、ぶっちゃけ余裕だと思ガサガサ


 んっ?今なにか聞こえたような。


ガサガサ


 まただ、確かに何かが動く音が聞こえた。


ガサガサ


 どうやらあの茂みの方から・・・アリだ。

 小型犬ぐらいある白いアリがいる。

 まるで元の世界の白蟻を大きくしたような姿をしていて、はっきり言ってキモい。

 アリがでかくなるとあそこまでキモくなるとは。

 でもこれで、ここが異世界なのは確定だな。

 って、うわっ、白蟻(仮)を見ていたら目があった気がする。

 それにすごい勢いで近づいてきた!

 その勢いはまるで獲物を見つけた肉食動物の様な・・・獲物?


 俺→木で出来た人形


 白蟻(仮)のご飯→木(推定)


 やべええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

 もしかして俺はご飯ですか!

 このままだと、パクパクされちゃうんですか!

 早く逃げよう、ってもうすぐそこにいるよ!

 くそっ!こうなったら自棄やけだ!

 食らえ!俺の黄金(木)の右足!


バシッ


 俺の蹴りを顔面に食らった白蟻(仮)が二メートル程ふっとんで動かなくなる。


 おう、なんか予想以上に上手く決まったな。

 でも昆虫って簡単に死なないイメージがあるし、死んでるか確認した方が良いよね?

 後ろを向いた瞬間に丸かじりされるとか嫌だし。


 俺は注意しながら白蟻(仮)に近づいて確認する。


 ん-まだこいつ生きてるな。

 足とか口?が微妙に動いてる。

 取り合えず殺っとくか? 

 また襲われるの嫌だし。

 それじゃあ白蟻(仮)よ、お前のことは忘れない(多分)


 俺はまた白蟻(仮)の頭を蹴っ飛ばす。


『経験値が一定に達しました。レベルUPします』

『レベルUPに伴い各種ステータスが上昇しました』

『スキルポイントを入手しました』


 えっ何?

 なんか頭の中で声が聞こえたんですけど。

 聞こえた内容も気になるけど、なんなのこの声。

 もしかしてあれか、またまた小説でよくある天の声とか神の声的ななにか。

 これは助かるけど、いきなり頭の中で声が聞こえるとか、びっくりするわ。

 それで、レベルUPにステータスとスキルポイントだって?

 これはあれをやらないといけないのか?というかやっちゃうよ。

 いくぞ


 ステータス!


 ……

 …………

 ………………

 ……………………


 うん、分かってた。

 だから別に恥ずかしくない。

 恥ずかしくなんかないんだからね!


 ・・・OK冷静になろう。

 ステータスは出てこない。

 しかしさっきの天の声(仮)から考えれば、ステータス自体は存在していると思われる。

 ならステータスを見えるようにすれば良いじゃないか。

 幸いスキルポイントとやらを俺は手に入れている。

 そしてスキルポイントと言うぐらいだから、それを使えば鑑定とかステータス閲覧のスキルを取ることができるんじゃ『スキル【鑑定】を取得する為にはスキルポイントが足りません』


 はい終わった-。

 なんか食いぎみに天の声(仮)来ましたー。

 でもあれだ、スキルに鑑定があることは分かった。

 ならレベルUPして、さらにスキルポイントを入手すれば良いのだ!

 でもそうすると、また白蟻(仮)みたいな魔物を倒さないといけない。

 でもなー、あの白蟻(仮)を倒すことは出来たけど、白蟻(仮)より強い魔物は他にも沢山いると思う。

 そして、その強い魔物と俺が出会わないという確証はないと…………。

 正直、異世界舐めてました。

 そして目標決定です。

 弱い魔物を探してレベルUP、そして安全に暮らすことができるまで強くなる。

 絶対死んでなんかなるものか!

 それと最終目的はそれで良いとして、取り合えずの目標は【鑑定】の取得にしよう。

 どうか、強い魔物に出会いませんように。                                          

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