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1話

 

 とある世界で2柱の神が争っていた。

 1柱は闇神、世界に混沌をもたらし破壊を司る。

 1柱は光神、世界に秩序をもたらし再生を司る。

 2柱の神の力は拮抗しており、決着がつく様子がみられない。


 しばらく争い続けていた2柱の神だが、なかなか決着がつかない状況に苛立ってきたのか、どちらともなく罵りあいを始める。


 闇神は言う。


「いい加減しつこいよ!世界が進歩するためには破壊が、混沌が一番必要なんだ!この頭かちこち女!」


 それに対して光神は言う。


「何を言っているのですか!世界の進歩には再生が、秩序こそが一番必要なのです!それに誰が頭かちこち女ですか、この適当幼女!」


 2柱の神は、またしばらくの時間を使い罵りあいを続けていくが、闇神が動きを見せたことで罵りあいも終わる。


「もうアッタマ来た!これでも食らえ!」


 闇神が放ったのは、今までとは比べ物にならない力。

 無抵抗で食らえば、不死の神でさえ滅ぼしてしまうほど。


「それはこちらもです!食らいなさい!」


 光神が放つのは、闇神が放った力と同じ大きさの力。

 2柱の神が放った力はぶつかり合い消滅したが、その余波は凄まじく、2柱の神が管理する世界以外にも影響をもたらした。

 その影響の大きさは様々。

 天変地異が起こる程の影響がある世界もあれば、石ころがひとつ割れる程度の影響しかない世界もあった。

 ここまで来れば、2柱の神も争いを止めるかと思えばそんなこともなく、今度はどちらが悪いかで言い争いを始める。

 このまま永遠に終わることが無いかと思われた争いは、しかし唐突に終わりを迎える。


 先程の攻撃で、自らの管理する世界に影響を受けた、他の世界の神々の手によって。


「お前らいい加減にせんか!それ以上暴れるなら、二人ともぶちのめすぞ!」


 天変地異が起こる程の影響を受けた世界の神を筆頭に、多くの神々が2柱の神に怒りの視線を向ける。

 これには流石に争いを止め、2柱の神は謝罪を始める。


 最終的に、2柱の神が世界を元に戻す手伝いをすることで、今回の騒動には決着が付いた。

 その間、2柱の神が管理していた世界は眷族神達が管理をする事になったのだが、2柱の神より力が弱い眷族神達は気付けなかった。

 今回の騒動で綻びが出来た場所から入ってきた二つの存在に。


 ひとつは悪神、様々な世界を渡りながら悪を振り撒き、世界を蝕む。

 ひとつは魂の群、今回の騒動で世界がつながり、その余波で死んでしまった、とある学校の生徒と教師の魂31個。


 主神とも言える2柱の神がいない世界はどうなるのか、その答えは………………。                                                                  

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