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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第13章幕間 「リリンサの手記②」

「むぅ……?あ、いらっしゃいませ。……むぅ?」



 なんだかんだ楽しく接客をしていると、ユニクが女の子に話しかけているのが見えた。

 どうやらワルトナも気が付いているようで、目で「僕が行く」と訴えていたので任せた。

 ……たぶん真の狙いは、お母さんから離れて休憩したかったんだと思う。


 暫くして『サチナのライブが始まるよー』と、ワルトナから連絡が来た。

 おじいちゃんにお店を任せ、セフィナと共に矢倉台ステージに移動。

 そして、ユニクが話していた女の子の正体が判明する。

 なんと、アカム、モモリフ、フランルージュはセフィナの冒険者友達だった!


 友達は大切。

 それこそ、一生の宝と言っていい尊重するべき存在がセフィナにも居る、それはとても喜ばしいこと。


 ……なんだけど、ワルトナの「強引な手段で用意された」って言葉が気になった。

 どうやら、アカムはユニクラブカード・赤を持つ関係者で、フランルージュはおじいちゃんの配下の貴族の娘、モモリフはテトラやセブンジードと因縁?があるらしい。

 どう考えても、お母さんとワルトナが暗躍している。


 大聖母ノウィンがお母さんだったと判明した今、私の『お母さん像』は崩壊している。

 優しくて、温かくて、怒るとしっかり怖いダウナフィア(おかあさん)

 優しくて、でも冷たくて、仕事に感情を持ち込まないノウィン(おかあさん)

 意外と言えばそうだし、納得もできる。不思議な感じ。


 私の友達、心無き魔人達の統括者も強引な手段とやらで集められたっぽいし、その時の大事件と同じような問題がアカム達にあったのなら、相当な修羅場をくぐっている筈。

 情報収集をするべき、そんな私の感によってトンデモナイ裏切りが発覚した。


 ……ユニクは一昨日、わんぱく触れ合いコーナーでアカム達と遊んだらしい。聞いてない。

 目をキラキラさせてユニクの戦いを語るアカム達、特に、フランルージュの言葉には熱が籠っていた。

 この子のことは、後でおじいちゃんからも情報を仕入れよう。


「それでは、びじゅある・びーすと、デビューシングル『夏の日遊び』、いっくですよーー!!」


 そんな掛け声と共に始まったサチナのライブは、『感動』の一言だった。

 演奏が素晴らしいのもある、だけど、一番すごいのはサチナの歌声。


 サチナの声が普段からよく響くのは知っていた。

 だけど、歌という遊びを用いる事で、何倍にも、いや何十倍にも威力が高まっている。

 歌詞の良さも相まって、忘れられない一曲になったのは間違いない!!


 その後も色んな歌に一喜一憂、メルテッサ達の演奏にも感動した。

 私も出場してみたいと思わせる程の盛り上がり、それに、セフィナに負けない様に料理も覚えなくてはならない。

 でもそれは、きっと、神託を完全に叶えた後の……、夢。


 私の神託

『リリンサ・リンサベルは英雄・ユルドルードの実子、ユニクルフィンと……婚姻し、幸福ある時も、厄災ある時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなる時も、死がふたりを分かったとしても愛し続け、失われた家族を取りどせ』


 この神託を、私は『家庭環境の再構築』という意味で受け取った。

 ユニクルフィンをお父さん、私がお母さん。

 そして、仲の良い子供達に囲まれた温かい家庭を作る、それが神託だと盲目的に信じていた。


 だけど、本当の意味は違う。

 この神託は、『失われた家族』を取り戻す物語。


 お母さん、セフィナ……、だけではない。

 今でこそ分かる、ノウィンの養子で義理の姉妹となっていたワルトナも、『死によって分かたれた家族』のひとりだ。

 金鳳花の策略を、お母さんが何処まで気が付いていたのかは分からない。

 だけど、最初から家族の枠組み中に『ワルトナ』は入っていたんだと思う。



『人狼狐』

 金鳳花、そしてワルトナが願いを叶える為に仕掛けたゲーム。


 《人食いキツネが探しているよ》

 《祭りの中から狙っているよ》


 《甘い甘ーい、愛の飴》

 《騙してとろける、人の飴》


 《静かな夜には、もういない》

 《明日の夜には、誰もいない》


 《12の鐘でキツネが来るよ》

 《9つの指に、130の頭》


 《裂いて分けよう七つの幸》

 《足りない足りない、まだ足りない》


 《終えて始まり、残りは9つ》

 《探して減らそう、無色の心宝》



 不気味な歌を奏でた笛吹き男、彼自体は金鳳花に……、いや、ワルトナに操られていた傀儡。

 認識阻害を極めているワルトナとシェキナでしか、私やユニクの目は誤魔化せない。

 そう、ワルトナにしか無理だった。


 無色の悪意によって、仲間が裏切っている。

 そんな悲しい現実に忌避感を抱いた私は、みんなを信じたいと思ってしまった。

 そして、私がそう思うことなんてワルトナはお見通し。


 敵じゃないワルトナなら、きっと私に何も教えない。

 私を悲しませないために秘密裏に処理をして――、後になって、大したことではないように無理して笑う。


 頼られて嬉しい、だけど、それはありえないこと。

 そんな違和感にも気が付けない程、私はワルトナを信じ切っていた。

 彼女の本心を知ったつもりになっていた。



「じゃあ、私はムーの所に行ってカミナが居るか確認してくる」



 メナファスが金鳳花、カミナが唯一神で、レジェが狐。

 皆でした推理を確かめるべくラボラトリムーに赴く……、そんなワルトナの指示は体の良い厄介払いだった。


 仲間割れを見せたくなかったのか、それとも、外の脅威(・・・・)を使って私を消耗させたかったのか。

 どうあるにせよ、私はまんまと罠に嵌った。むぅ。


 セフィナとゴモラ、あとラグナガルムがこっそり監視していたのは良い。

 だけど、忌むべき師匠(ろりこんども)まで呼び寄せたことについては、結構な文句がある!!

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