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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第13章幕間 「リリンサの手記①」

「じゃあ俺はひと風呂浴びてくるぜ!!」

「いってらっしゃい」

「すっごくゆっくり入ってきて良いよ、ゆーにい!」


「おう、のぼせない程度にだらけまくってやるぜ!!……おら行くぞタヌキ共」

「ヴィギルーン!」

「チッ、俺は高温風呂に行くからな、こっち来るんじゃねぇぞ」



 サチナの2thライブも無事に終了し、ユニクルフィン達は極鈴の湯に戻ってきた。

 一昼夜走り回ったユニクルフィンの衣服はボロボロ、身体の至る所に泥や汚れが付いている酷い状態だ。

「流石にこの格好で部屋に入りたくないな」という建前の下、うっきうきなタヌキステップでユニクルフィン達は温泉の暖簾をくぐって消える。



「僕らはどうしようか、もう一回入るかい?」

「セフィナはどうしたい?」

「おねーちゃんの日記が読みたい!ワルトナさんの解説付きで!!」



 大好きなおねーちゃんと尊敬するワルトナさんが、ちょっとだけ喧嘩している。

 そんな状況に挟まれたセフィナは、これ以上姉達を困らせない様にわがままを我慢していた。


 本当はいっぱい構って欲しかったし、いっぱい褒めて欲しかった。

 でも、私のせいだから……、そんな幼いながらの思いやりは、二人が仲直りしたことで解消。

 だからこそ、次は私の番!とでも言うように、二人の腕を抱きしめて笑った。



「よし、私達は部屋でゆっくりしよう!」

「だね。あぁそうだ、売店に寄らないかい?適当に買って夜食にしようよ」



 戦いを終えたリリンサとワルトナは仲間と合流を目指すも――、『レジェなら嫌でも出てくる。最短最速で』と判断。

 ならばと、目についた宿の温泉に入って汚れを落とし、広場にある自分の店で余暇を楽しんでいた。

 そんな理由から既に身だしなみが整っている彼女達は売店のお土産コーナーを買い漁り、自室で夜の女子会をスタートさせる。



「続き、つっづき、おねーちゃんの日記の続き~~!!」



 リリンサが召喚した日記帳を手に取り、セフィナが満面の笑みを浮かべる。

 さっそく机の上に広げ、膝の上のゴモラと一緒にページをめくった。



「リリンは紅茶で良いかい?」

「砂糖多め、ミルクも入れて欲しい!……ん、ワルトナも入れるの?」


「今日からは良いでしょ、甘くてもさ」



 最新の日記帳を開いたリリンサの目に止まったのは、自分のティーカップにも砂糖を入れるワルトナ。

「砂糖を入れた方が美味しいのに」

 そんなリリンサの呟きを、あの手この手で否定してきたワルトナにしては珍しいと思うも……、心が繋がっている現在は、それがやせ我慢だったと判明している。



「ワルトナさん、このデモンレモンメロン事件って……、もしかして」

「あぁ、寝ぼけたリリンがレモンソーダをメロンソーダと聞き間違えてね。甘いのを想像して買ったらめっちゃくちゃ酸っぱくてさ――」



 懐かしい思い出を小耳に挟みつつ、リリンサは筆を走らせる。

 昨日・今日の二日間は、まさしく人生の転換期。

『おばーちゃんになっても鮮明に思い出せるように』、そんな願いを込めて、最初の一文字目を書いた。



 **********


 10の月、25の日。

 今日は色んなことがあった。

 本当に書ききれないくらいに大変なこと……、その中でも一番は、私はこの日、英雄になった!!



 ユニク争奪戦の初戦を勝ってリードを得た私は、このまま勝負を決めるべく種目を『大食い競争』に設定。

 正直に言って、私は負けるつもりは欠片も無い。

 どれだけ条件を追加しようとも、大食い競争である限りは絶対に勝てるという自信があったから。

 結果的に勝負は有耶無耶になってしまったけど……、この自負は今でも変わっていない!


 ワルトナが指定した追加ルール、『お店を経営しながら大食いをする』。

 そんなヘンテコな条件に慣れるべく、セフィナやおじいちゃんと一緒に王宮風お祭り屋台を開店。

 私達で料理の配膳係をしつつ、セフィナと交代で屋台を巡る……、そんな完璧なプランは、想定外の所から崩れてしまった。


「セフィナ、中華鍋にバターを引いてくれるかい」

「分かった!!えっと、グラスフェッド?それとも無塩のほう?」

「え?」


「ノウリ国のリスレスキュールを120g。180秒、中火にかけて温めた後に入れて油回しを。できますか?」

「勿論だよ!!お玉でぐるぐる、何回もやったもん!!」

「え?」



 唐突に飛び交い始めた料理用語の応酬に対し、私が出来たリアクションは棒立ちだけ。

 リスレスキュールバターが美味しいということしか分からない、そんな疎外感を抱きつつ、こっそりセフィナの背後に移動した。



「え」



 うん、それしか言えなかった。

 セフィナの中華鍋さばきは見事という他なく、天女の羽衣のように舞った油がキラキラと光っている。

 凄いを通り越して美しい。

 そんな感想を抱いて恐れ戦いていると、優しい笑みのおじいちゃんから野菜を切るようにお願いされた。


 セフィナに対抗するには、殲刀一閃・桜華でキャベツを一瞬でバラバラにするしかない!!


 ……結果的に私だけが接客担当になった。

 とても文句を言いたい。『私の口と手は料理を食べる為にある!!』と言い切っていた、過去の私に。

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