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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第224話「お祭り幸七・後夜祭⑤」

「謝罪も済んだことだしい、ね、ワルトナ?」

「はいはい、迷惑を掛けたお詫びに、温泉郷の立て直しに尽力させて頂きますとも」



 事情の説明を終えたワルトは、サチナに頭を下げ謝罪。

 無色の悪意に後押しされたとはいえ、根底にある欲求は自分のもの。

 咎は僕にあると宣言し、被害の賠償を行うとサチナに誓った。



「さて、どうやって温泉郷を復興させるのか、だけどね」

「今はサチナの権能をフル稼働させて、物質の時間回帰を促してるです。だけど、なかなか上手くいかねーです」


「生物の回復と物質の復元では能力の方向性が違うからね。それを同時に行っているだけでもすごい事だが、今回は規模が大きすぎて、処理に遅延が出ている」

「そうなのです。実はサチナはへとへとで、パワーが足りてねーです」



 木星竜やダンヴィンゲンとの決戦は、どう考えても、この大陸が滅亡しかねない規模だった。

 それをサチナとホロビノの2匹だけで乗り切った……、俺だったら、今すぐ腹いっぱい飯を食って温泉に漬かっている所だぜ!!



「なら、街の作り直しは僕が引き受けよう。おあつらえ向きに、シェキナは想像と創造の弓だし」

「じぃ……、確かに物を作るのは得意そうです。でも」



 サチナはワルトの瞳を凝視して記憶を読み、シェキナの効果を把握。

 理屈的には出来ると理解したものの、心情的には慎重になっているっぽい。



「そう、シェキナは想像できなければ創造できない。ましてや僕は、建築物の設計には関わっていない。壁の中身とかまったく知らない!」

「そうです。サチナが苦労してるとこも、そこなのです」


「建築士にもこだわりがあるだろうしねぇ、ということで、そんなものは無視しま~す」

「なんだと、です!?」


「シェキナを使って街並みを整え、冒険者を視覚的に鎮静化させる。当然、一時的に建物の強度は下がる。だけど、それは問題にならない」

「どうして、です?後で困るだろ、です」


「サチナは、温泉郷をリメイクしたいとは思わないかい?」

「!!」



 深い笑みを零すワルトの提案に、サチナが固まった。

 温泉郷のリメイク、その言葉を噛みしめ、コクンと頷く。


 温泉郷は、サチナを保護する過程で、この地域の利権をワルトが買い上げたのが発端だ。

 2つの村が争っていたのは、中央を流れる川が干上がってしまったから。

 上流で起きた天変地異の影響で水の流れが変わってしまったのが原因で、その問題を解決するべくサチナが井戸を掘り、温泉を発掘。

 リリンの温泉施設を作ろう!!を聞いた魔王共が悪ノリした結果、温泉郷が爆誕した。


 そんな訳で、この町の中央の宿街は少しだけ煩雑だったりする。

 カミナさんはこの温泉郷を使って建築の基礎を学んだ……、要するに、失敗した建築実験も含まれているらしい。



「せっかくだからリメイクしようか。お金は僕が全部出すよ」

「今まで建てた建築物の合計見積もり費用は、20兆エドロに届くです」


「僕の個人資産はそこそこあるし、テトラフィーアもいるしねぇ。サチナが出すのは理想だけさ!」

「願ったりですが、美味すぎる気がするです?」



 疑い深そうにジト目を向けるサチナと、笑みを崩さないワルト。

 レジィは面白そうに微笑んでいるし、レラさんは財布を取り出した?



「サチナ、ワルトナだけに出資させちゃダメ。私達も可能な限り出すべき」

「主様?」


「ワルトナはこの機に、温泉郷の実質的な経営権を手に入れようとしている。土地と建物の両方の利権を押さえられたら覆せなくなる!!」

「なんだと、ですっ!!」



 うわぁ、そんなこと企んでやがったのか。

 で、それをリリンに看破させることで、サチナとの主従関係の強化を図っていると。



「あらぁ、そうなのぉ。なら余も出さないとねぇ」

「おねーさんも良いかな?あんまりお金ないけどね、にゃは!」



 おっと、ここで大魔王姉妹も乗って来た。

 サチナの本拠地である銀鈴の湯のVIP室の数は限られている、出資しておくことで優先的に確保できる訳だ。



「ちなみに、出資の最低額っていくらだ?できれば俺も出したいんだが」

「株式的な考え方だと、総出資額の5%もあれば大きい顔が出来るよ」


「具体的には?」

「1000億エドロくらいかな」



 ……1000億かぁ。

 森ドラ換算で333匹、よし、ちょっとドラゴン壊滅させてくるぜ!!



「ユニくん。おねーさん、相談があるんだけど」

「奇遇だな、俺もだぜ!!」



 俺もレラさんも、1000億エドロを出すのは不可能ではない。

 なにせ、レジェンダリア口座には10垓エドロとかいう、カツテナイ預金がある。

 レラさんを溺愛しているレジィが俺以下の査定金額を付けるはずがないし、実質、無限に金を引き出すことが出来る訳だ。


 だが、そんな魔王金融に手を出したが最後、人生を絡め取られること待ったなし。

 という事で、俺とレラさんは大量に必要になる建材を集めてワルトに売るという、間接的な出資を狙っている。



「よし!みんなで温泉郷再建を盛り上げよう!!私も頑張る!!」

「サチナの為に協力してくれる、です?」


「もちろん!!」

「ありがとなのです!それで、どうすればいいです?」



 少しずつ機嫌を取り戻したサチナに笑顔が戻った。

 なお、共同魔王出資者が叩きつけた現金の規模に、サチナの右腕たちがドン引きしている。



「リメイクの前に、まずは復興。今はサチナが記憶を読み修復している訳だけど、良くも悪くも、考えていることがバラバラで効率が悪い」

「それはしょうがないだろ、です。全員の意識を建物に向けるなんて出来る訳ねーぞ、です」


「建物だけは無理だろうねぇ、でも、『温泉郷』という括りなら?」

「です?」


「ライブだよ。大盛況だったサチナの歌は、ここで経験した楽しい思い出を呼び起こさせる」

「!!」


「みんなの心が一つになった瞬間、それを読み取った僕がシェキナの矢を放ち、町並みを一気に修復する。さぁ、やってみよう。誰も不幸にならない、幸せな策謀を!!」

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