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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第205話「愛情の戦略破綻④」

「そして、ネタバレされた敵はもう、どうしようもないってことも。《目覚めなよ、神嘘窮劇(ジンコキュウゲキ)・シェーキナピア》」



 ピィンっと張った音色と共に、世界が解けて。

 見渡す限りの……、否、真理究明の悪食=イーターで感知できる世界そのものが、銀色の糸と化してゆく。


 キラキラと輝く世界に足場は無く、ただ、糸に絡め取られようとする獲物のようにリリンサは宙を舞った。

 四肢に絡みつき肉に食い込むそれは、世界最強・十の神殺しで作った、殺意。



「《目覚めて!原初に統べし雷人王(オムニバス・ゼウス)ッ》!!」

「ヘぇ、やるじゃないか」



 糸が皮膚を突き破るより早く、リリンサはあらかじめ仕込んでいた防御手段を切った。

 それは、魔神シリーズの外装を奔っていた原初に統べし雷人王(オムニバス・ゼウス)をエネルギーに戻して起こす誘爆現象。

 爆発反応装甲リアクティブアーマーと呼ばれるそれは、受けた攻撃が浸透する前に自発的に外装を炸裂させることで、内部へのダメージを限りなく少なくする技術。

 ソドムが扱う精密魔導防御の簡易版であるそれは、120秒の無防備と引き換えに受けた攻撃を無効化する。



「シェキナの武器の一つに糸があることは勉強済み。そして、ワルトナが奇襲好きであることも」

「おや?アホの子らしからぬ勤勉さだねぇ」


「それだけ私は本気だということ!舐めないで欲しい!!」



 炸裂させたエネルギーによって緩んだ糸の隙間に魔神の右腕を差し込み、薙ぎ払う。

 相手の脆弱さを看破する5枚の刃は、まさしく糸を切り裂いたようにリリンサに自由を与えた。



「舐めるだなんてとんでもない。僕だって本気も本気。見なよ」

「ん、ここは……」


「この神嘘窮劇(ジンコキュウゲキ)・シェーキナピアは僕だけの力で作った物じゃない。シェキナの過去の中から、僕が望むものを継ぎ剥ぎして作った覚醒体。もちろん、キツネの力を使ってね」



 鷹揚に腕を広げたワルトナを中心に、世界が一斉に明転する。

 薄暗かった舞台にスポットライトが差し込むように、いくつもの水晶が浮かぶ美しき光景が現れた。



「シェキナは想像と創造の弓。神殺しの中でも特殊フィールドを作ることに長けているというのは言わなくても知っているかい?」

「当然。それに、ここに閉じ込められるのが二回目だということも」


「じゃあ、ブライアンの時に閉じ込めた世界とは、まったく違う完成度だってのも分かっているのかな?」



 ブライアンと戦った時。

 そう言われて脳裏に浮かんだのは、『迷子の森』の特性である転移魔法使用不可。

 そして、あの時は出来た武器の召喚すらも超高度に複雑化している事を認知し、リリンサの頬に汗が伝って落ちる。



「キミのことだ、裏でこっそりクソタヌキーズと連携してただろ?」

「……本気の戦いでは手段を選ぶ必要はないと教えたのはワルトナ」


「まぁね!だって君は直感で行動させた方が強いアホの子だし」

「んっ」


「そう、手段を選んで推敲して確認して、何度も見直す僕とは違う」



 リリンサがワルトナの口回しに付き合っている理由、それは状況確認を行う時間が欲しいから。

 ソドムとの悪食=イーターリンクが切れた現在、全ての最終判断はリリンサの頭脳で出すしかないのだ。



 ソドムやゴモラとの接続が切れてしまった。

 真理究明・万物創造の悪食=イーターとの連携が途絶えた今、魔神シリーズのアップデートも不可能となっている。


 一応、私が知っている物の知識閲覧は可能。

 だけど、神栄虚空・シェキナを知らない私の知識庫には、その文献は存在しない。

 また、金鳳花や時の権能、そして、ワルトナが隠していたことを知ることも出来ない。

 戦いの中で知見を得ても、ソドム達との接続が切れている以上、知識庫のアップデートも望めない。


 分かる範囲で確かなことは、ここはシェキナで作り出した世界だということ。

 恐らく、私が踏み込んだ開発区域そのものが既にシェキナで作った空間だった。

 流石、ワルトナ。

 認識阻害の取り扱いでは、完全に私の上を行っている。



「さてと。どうやら外では久遠竜鬼……、おにごっこの派生形で遊んでいるようでね」

「こおり、おに……?」


「似たようなもんだね。ま、僕が用意した遊びと大きくかけ離れてなくてホッとしたよ」



 パチン。と指を鳴らしたワルトナの真横に、影像が映し出されているクリスタルが出現。

 その表面には幼い頃のワルトナ、そして、黒い髪をオールバックにした麗人が映っている。



「名づけて、ワルトナちゃんを探せ!ゲーム!!」

「……なにそれ」


「ルールは凄く簡単さ。今からキミには僕の記憶を追体験して貰う。そして、その中の登場人物に化けている僕を見つけて殺せば、キミの勝ち」

「なるほど。私の意見も汲んでいると」


「丁度いいだろう?君は知りたかった僕の過去を体験できる。だが気を付けたまえよ、あまり夢中になりすぎると……、真実を知る前に、あの世に旅立っちゃうからね」



 ワルトナの目的が『あの子』の復活だという話は、リリンサも理解している。

 だからこそ、それに必要不可欠なはずのリリンサを殺す、その言葉に裏があるのも明白だ。



 ゴモラの話によると、ワルトナはサチナの結界を利用した即死結界を用いてレジェを殺そうとしたらしい。

 だけど、それを察知していたレジェはアルカディアを向かわせ、戦闘そのものを回避した。

 解説によると、死亡時に魂を強制的に世界へ還元する、時間逆行でも取り返しの付かない仕組みだったとか?

 なお、アルカディアが生き残ったのは那由他が作ったユニクラブカードを持っていたおかげであり、通常は成す術がない。


 そこから考えると、何らかの方法で私の魂と肉体を切り離し、あの子を取り戻す手段を行使するというのが妥当。

 このシェキナで作った世界に仕掛けがあるのは明らか、なら……、死ななければ良いだけ。



「そのルールでいい。どうせ知ることになる過去なら、早い方が良いに決まっている」

「そうかい、そうかい。じゃ、僕の人生のどうしようも無さを存分に体験してくれたまえ」

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