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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第149話「御神楽幸七・久遠竜鬼-こおりおに-ローレライside④」

「じゃあ、本気出しますね。《神戒既食しんかいきしょく・ラグナロク=ルーラー》」



 ゴーン。ゴーン。と響く、壮大な機械音。

 エデンが首から下げた白と黒の二重球体ペンダントが不気味な音色を奏でている。


 それは、世界の破戒音アポカリプティックサウンド

 神の定めし理が、たった今、エデンの支配下へと書き替えられて。



「出やがったな。クソ仕様悪食=イーター」

「こら!!例えだとしても、皇の権能をクソっていうのは止めなさいっ!!」



 エデンが首から下げた二重球体のペンダント、その正体はカスタマイズされた『万物破壊』の悪食=イーター。

 あらゆる物質を破壊することに特化した性能に、グラムの絶対破戒を付与。

 神の理……、すなわち、世界の法則を破壊できるようになったこの権能は、破戒の支配者(ラグナロクルーラー)と呼ぶにふさわしい能力だ。



「分かっているとは思いますが……、この音色が届いた範囲内に存在する物理法則や概念は、私の意志によって破壊できるようになりました」

「空気抵抗や重力、それ所か、魔道具の魔力回路、生命体のDNA、神が決めたルールなら何でも破戒できるっちゅーんやろ」


「えぇ、当然のことながら、エルヴィティスも即座に破壊可能です」



 悪食=イーターとは、那由他が生み出した世界を食らう捕食器官。

 第一の能力たる万物破壊はその名の通り、世界に存在するモノを全て破壊して飲み込む為の力だ。

 エデンはこの能力をさらに細分化し、物質ではなく概念に特化するように調整。

 これにより、ラグナロク=ルーラーの音色が届く半径10kmに存在するあらゆるルールは、エデンが念じるだけで破戒され、ダウングレードする。


 世界の法則は、様々な要素が組み合わさった複合体だ。

 例えば、物質が地面に落ちてゆく重力加速度は、惑星引力・空気抵抗・遠心力などの力の加減によって変化する。

 そして、その中の要素を破壊することでバランスを崩させ、全く違う現象を生み出すことが可能となるのだ。



「最終通告です。壊れちゃう前に降参なさい、そして、反抗期もやめなさい」

「やれるもんならやってみぃ」


「……。あの、子供のおもちゃを取り上げるのって後味悪いって言うか……、ホントに壊れちゃいますよ?言っときますけど、私には直すことは出来ませんからね?」

「んなもんより先に、クソ親ムーブを治せや。ホンマ」



 これだけ言ったんだから、良いですよね?

 本気で戦っても。


 心の中で唱えた免罪符、それは、エデンの自制心リミッターを解除する最後の引き金。

 愛する我が子に嫌われたくない。

 前にエルヴィティスの試験で大破させてしまった時の気まずさと痛たたまれなさという、筆舌しがたい記憶もある。


 だが、エデンにとっての戦いは、食事にも匹敵する快楽だ。

 獲物を狩り、食す。

 野生で暮らしたことがある彼女にとって、戦いこそがもっとも尊重すべき『食の神髄』なのだ。



「《来なさい=私の帝王礼装グランディール》」



 戦いとは、体で味わうもの。

 故に、エデンが欲した帝王枢機は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を邪魔しない煌びやかに着飾る為の衣装と化した。

 神聖金属の糸で織られた、世界で最も強靭な(ワンピース)ドレス。

 特別な意味を持つ『白』を基調にした丈の長いロングドレスを翻し、グラム(ナイフ)()ギニョル(フォーク)で世界を切り取る。



「えらい気合い入れてるやんけ。痛々しくって直視できへんわ!」



 申し訳程度に言葉で牽制しつつ、エルヴィティスが取った行動は最短最速での突撃。

 予め放っておいた光の粒子をチェインブースターシールドで絡め取って加速し、下から掬い上げるような二連斬を放つ。

 それが向かう先は――。



「《神壊法則ラグナロクルール・分子流動》」



 エルヴィティスの片刃の巨大ブレード『物理主義マテリアリズム』と『無神論エイシズム』が切り裂いていた空気は、分子流動という概念が破戒されたことにより、凝固。

 もっとも分子が停止している状態のー273度となり、刀身を巻き込んで氷結する。


 だがそれは、物質に適応されるルールだ。

 故に、光粒子化した刀身を留めるには至らない。



「《ヴァジュラ=魔邪を打ち砕く独鈷杵(ヴリトラハン)》」



 エルヴィティスが持つヴァジュラが輝いた瞬間、氷塊から剣が抜け出した。

 そしてそのままエデンの首筋に迫り――、数千の剣戟という苛烈な歓迎を受ける。


 前後左右、隙間なく打ち込み続けることで、対象物を前にも後ろにも進ませない。

 当然それは、光粒子化されている剣を捉えられるように、ラグナロク=ルーラーで調整された技。

 だが恐るべきは……、その挙動がエデンの純粋な身体能力で発揮されている点だ。



「エル」

「かっっふっ……!!」


「手に持っているものは何ですか?私には盾に見えますが?」



 チェインブースターシールドで加速し、ヴァジュラで剣を光粒子化。

 その上で繰り出されたエルヴィティスの二重剣戟……、エデンは途中から、それを片手で裁いていた。


 エデンは他のタヌキ帝王がしている高い精度の未来予知など、当然のようにできる。

 むしろ、ソドムの真理究明の悪食=イーターが参照している知識の参照元は、エデンの戦闘データ。

 那由他が実力を隠している以上、タヌキの中で最も戦闘力が高いのはエデンであるからだ。


 予知と等しき未来予測 + 自身の肉体概念を破戒することで発揮させる神経速。

 全てを追い抜く後出しの奥義、これこそがエデンの強さの由縁だ。



「こんなものですか?少々味気ないですよ、エル」


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