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ユニーク英雄伝説 最強を目指す俺よりも、魔王な彼女が強すぎるッ!?  作者: 青色の鮫
第13章「御祭の天爆爛漫」

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第45話「リリンサの主張⑧」

「ロリコンさん、すごーい!!」



 忌むべき師匠の呼び方を決めかねていたセフィナも、リリンサに習ってロリコンと呼ぶことにした。

 それでも、凄い姉に魔法を教えた母の友人である以上、尊敬は必須。

 申し訳程度に追加された『さん』がそれを物語っている。



「これは素晴らしい。まぶしい笑顔、本当に素晴らしいですね!!」



 リリンサの平均的なジト目も「これはこれでいい」と許容するエアリフェードが、幼女の笑顔に笑顔を返す。

 興味津々なセフィナのリクエストに応える度に咲く笑顔が、可愛くて仕方がないのだ。



「むぅぅぅ……なにあれ。セフィナが懐いている。信じられない」

「そりゃあ、お前も一枚嚙んでるからな」

「自業自得ってぇ話だわな」


「むぅ”!?」

「セフィナのリクエスト、すげぇ分かりやすいからな」

「お前ぇみてぇにヒネてねえ。ありゃぁ伸びるぞ」



 黒締嵐蛇を瞬殺したエアリフェード達は、三頭熊の縄張りに向かいながら指導を行うことにした。


 リリンサへの教えを踏襲しつつ、セフィナのポテンシャルに合わせて内容調整。

 アストロズはセフィナと同じ体重と歩幅での回避運動。

 シーラインは魔導杖を長柄武器として扱う方法。

 そして、同じ創星魔法系統であるエアリフェードは、セフィナがリクエストした魔法のみを使用しての戦闘。


 そんな師匠達のドヤ顔の結果、破滅鹿と人形兎の屍の山が出来上がっている。



「にしても、鹿と兎ばっかりだな。どう思うよ?」

「そもそも群れを形成する種族だが……。統率してる奴がいるだろうな。それが眷皇種なら良いんだがよ」



 斃した数は優に100を超えている。

 どちらの生物も希少性は低いとはいえ、ほとんどの個体のレベルは99999。

 それが異常の最極端『皇の出現』の予兆であることを、ここにいる全員が理解している。



「オタク侍、ボディフェチ。あなた達はアマタノ以外の皇種と戦ったことはある?」

「ある。猿の皇種、『追窮狒皇・スグリーヴァ』。10年ぐらい前になるか?あん時もこいつ等と一緒だった」


「猿?確か、魔導枢機霊王国の近くに居たのも猿だったはず。討たれた結果、こっちの大陸で皇種化したというのなら、比較的若いっぽい?」

「若いねぇ。真っ当に強かったが、アマタノほど理不尽じゃなかったしな」


「ちなみに、止めを刺したのってロリコン?」

「だな」


「なるほど。それが超越者になった決め手。美味しい所だけ持っていくとか、ロリコンはやることが汚いと思う!!」



 指示したのあなたのお母さんですけどね。

 そんな呟きを押し留めつつ、エアリフェードは索敵の魔法を放った。

 超越者にふさわしい実力になるように鍛えられた以上、幼女と談笑していようとも、不意の強襲を許す筈がない。



「おっと。また鹿です。数は6」

「処理しとけや、超越者様がよぉ」


「くっ、いいでしょう。やりますよ、役得ですからね!」



 セフィナ、リクエストはありますか?

 はい!!はい!!ランク7の『星の回廊』の凄い版があるなら見たいです!!


 では、『原界に潜みし銀河王オムニバス・アザトゥース』から派生した……、《星雲の外側(ネビュラトホテプ)》でも。



 5つ目の魔法十典範を仄めかせながら、エアリフェードが絶望の天蓋から『闇』を引き抜く。

 瞬時に形成されたそれは、漆黒の中に数千の光が輝く槍。

 二股の切っ先が捻じれて合わさり、末端に向けて色素が薄れてゆく……、そんな槍の投擲攻撃が、着弾地点一帯を跡形もなく爆縮崩壊させた。



「うわーすごいね、綺麗だね!おねーちゃん!!」

「銀河王。私の適正外の魔法。むぅむぅ」


「えっと、じゃあ、私が覚えて使えるようになるよ!!」

「そうして。そして、ロリコンに宇宙の彼方を見せてあげよう」



 リリンサは平均的なジト目でエアリフェードを観察し……、ソドムの真理究明の悪食=イーターを使って解析。

 適正外の星魔法を扱う足掛かりにするべく、ちゃっかり研究を開始している。



「むぅ。あ、忘れてた」

「はい?何でしょうか?」


「……サチナ達、びじゅある・びーすとのデビューを記念したミニライブ握手会がある」

「「「なん、だと?」」」


「チケットは即完売。次回の開催は未定。歴史に残るスーパーイベント間違いなし。そして私は運営側」

「「「何が欲しいんだ?えぇ?」」」


「あえて何も要求しない。それぞれが思いつく限りの最善の行動をとって欲しい!!」



 リリンサが思い出したのは、師匠達が無色の悪意に汚染されている可能性だ。

 そして、サチナに会わせる口実として適当な嘘をでっちあげ、後の事も考えて有利な立場を確保。

『ワルトナ流・経済破綻術』を参考に、最大の利益を狙いに行く。



「シーライン、温泉郷に入れなければ話になりません。早急な対処が必要です」

「おう。我は剣を選ばねぇ。邪魔する奴ぁ、サイリウムで一刀両断してやんよ」

「リリンサ、そのミニライブとやらは何時だ……!!」



「だぁああああああぞぉおおおおおおおおおお!!」



 全身の毛が逆立つような、強烈な魔力放出。

 その発生源は2つと……、不明。

 はっきりと感知できたものに加え、隠蔽工作がされている物も混じっている。



「今のはベアトリクスの声。急ごう」



 ************



「しくった、ゾ……」



 ぽたり。っとベアトリクスの腕から血液が滴り落ちた。

 権能『錬熊術師アルティミスト』による超再生でも治癒できない傷から、絶えず血が滲んでいる。



「エイワズニール……、くんっ、アルミラユエトも居やがるゾ。これじゃ暗号熊(エニグマー)を探すどころじゃねーゾ……」



 近くに生えていた葉っぱを腕に押し当て、簡易的な止血を行う。

 痛々しい顔で、目を引き絞るベアトリクス。

 傷の進行を権能で相殺した結果、治癒も悪化もしない状態となっているものの……、それ故に新鮮な傷口が鋭く痛覚を刺激する。



「落ち着け、オイラ、まだ経験が浅い若輩だゾ。奴らに対抗するには、歴代の皇の知識を借りるしかねーゾ」



 すぅ、はぁ、と小さく息を整え、ベアトリクスは観察する。

 自分の目的、置かれている状況。

 取れる手段、互いの戦力差を。


 ベアトリクスは生まれて間もない皇種だ。

 たったの十数年、ましてや完全に種を統べるようになったのはここ数年の話。



「はっ、上等だゾ。いつかは……って思ってたんだゾ」



 相手は数百年を生きた、正真正銘の格上。

 ラグナガルムよりも長きを生きる、皇。


皇鹿蹄死おうかつていし・エイワズニール』

幻世皇兎げんせいおうと・アルミラユエト』


 かつて、ベアトリクスに皇の在り方を教えた2匹の皇。

 いつの日にかと覚悟していた決別と対峙も、それが同時となれば想定外すぎて。

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