#1-21 イースターマーケット//第1話
お久しぶりです。
楽しみにしてくださった方、そうでない方も、予告なく3ヶ月も待たせてしまってすみませんでした!
久しぶりすぎて内容が思い出せないよ〜という方は、是非読み返してくださいw
結局、あれ以来私は1枚もチラシを配ることは出来なかったが、それでも当日はやってくる。
今日は私が芸能科に転入して初めての日曜日。
そして、初めて友達と出かける休日……!
休日は昼近くまで寝るタイプだけど、今日はちゃんと7時に起きた。
一緒に行く約束をしたくるみんと直輝とは、11時に現地で待ち合わせだ。
友達と休日に遊びに行くというかつてないイベントに、正直私は浮かれていたんだと思う。
私は今、1つの問題に直面している。
それは――――。
着ていく服!!
なんで昨日のうちに用意してなかったんだろう?
しっかりしてくれ、昨日の私。
どうしよう、私服だよ、私服。
私のセンスのなさがばれてしまう。
いや、小物とかで既にばれてるかもしれないけど、私服はまた別。
どうしよう……そもそも顔が地味なのに、おまけにダサい私服であの2人の横を歩くなんて、悪目立ちする――――。
取り敢えず漫画とかでたまに見る感じに、服をベットの上に並べてみる。
そんなに多くない春物服の中で、私が良さそうだと思った3着をピックアップしてみた。
シンプルな白い長そでTシャツ
桃色のチュニック
うす黄色のペプラムトップス(って言うんだよね確か。フリルみたいになっているやつ。)
流石にこの3着全部がダサいなんてことはないよね。……ないよね?
ないことを祈る。
自信がない時は検索エンジンに頼ろう。今どきっ子なので。
何て検索すればいいのかわからなくて、取り敢えず“女子高生 私服”と打ち込む。
SNSの投稿やら雑誌の一部等、お洒落な女の子の写真が沢山出てきた。
肩がでた涼し気な服やひざ上のミニスカートはまず除外だ。
恥ずかしいし、まだ少し寒い。そもそも持ってないし。
分厚いコートにマフラーと手袋……程寒くはない。
多分これ検索ワードミスった。
春って入れないと、季節外れな画像もヒットしてしまう。
そろそろ検索しなおそうかな、と思った時、気になる画像を見つけた。
タップして拡大するが、つい首を傾げてしまった。
綺麗な人。
『お散歩ファッション!』と題された雑誌の一部ので、何処かの街中で撮られたオフショットのようだ。
自販機も前で飲み物を買おうとしている長い黒髪の女の人の後ろ姿。
自販機と比較すると身長は私より低いようで、1番上のボタンを押すために軽く背伸びをしているのが可愛い。
服を紹介する写真というよりは、雰囲気写真に近い。
服の背面をアピールしている可能性も考えるが、長い髪に隠されていて唯一見えるのはスカートの裾が少しと黒いタイツだけなんだからそれはない。
何となく気になるけど、今は今日着る服だ。
“春”と付け足して検索し直すと、画面の印象ががらりと変わった。
服ってこんなにも違うものなんだなぁと感心しながらどんどん画面をスクロールしていくと、丁度いいのを見つけた。
如何にも活発そうな見た目の女の子が、無地の白いシャツにジーンズを合わせて、その上に薄手のカーディガンを羽織っている。
柔らかそうな金髪のボブヘアと桃色の瞳を持つ少女に、黄色い花の刺繍が入った桃色のカーディガンはよく似合っていた。
こんなに華やかなものは持っていないが、地味な私にはシンプルなものの方が合っている。
先程の白い長そでTシャツとジーンズに着替えて、クローゼットを開けてカーディガンを探す。
カーディガン、カーディガン…………。
あった。
シンプルなアリボリーのカーディガン。
派手すぎない、というか少々地味だけど、これくらいが丁度いい。
汚れや穴がないか軽く確認し、さっと羽織る。
いつも使っているショルダーバッグの中身を確認。
サイフ、ハンカチ、ティッシュ、定期、自宅の鍵……よし、忘れ物はない。
そろそろ家を出ないと電車に乗り遅れる。
最後にスマホをバッグにいれ、階段を降りる。
脳内に2人の暖かい笑顔が浮かんで、頬が緩む。
楽しみだなぁ……!
友達とおでかけ、いいですね!
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