771.安全性
「もぐ! 魔力が大幅に弱まったもぐ!」
「そうだな、水から魔力がなくなった」
ぞわりとした感触が去った。
「エルト様、粘度が消えていれば大丈夫ですので……!」
これでまずは一安心だ。
ナールとイスカミナがとてとてと戻ってくる。
「びっくりしましたのにゃ……」
「でも反応はほぼ消えたもぐ」
「ですね」
ステラが構えを解く。
俺も【巨木の腕】を解除した。
さすがにちょっと疲れたな。
濡れた地面に、澄んだ蒼いビー玉が転がっている。
「これは……」
ほのかに魔力が残っている。
これがヒドラの核……でいいのか?
うーん、この形はどこかで見たような。頭の中でひっかかる。
前世のゲームでもあったかな。いまいち思い出せないが……。
「良かったぁ……疲れた」
疲れ切った声を出したナナが、ぱたりと仰向けに倒れる。
ジェシカが駆け寄る。
「大丈夫ですわ!?」
ナナがぴこぴこと羽を動かし、鞭を持ち上げる。
「うん……コレ、とっても魔力を使うから」
「なかなか融通が利かないですわね」
「そーいうこと……」
「ふむ……俺も魔力をかなり消費した。これが核なら、回収して一度引き上げたいところだが」
俺は蒼いビー玉を指差しながら言った。
触っていいのかわからないので、ちょっと距離を取る。
またヒドラが出ても困るしな。
「そうですね……。ですがその前に、言わないといけないことがあります」
ステラが一拍置いて言葉を続ける。
ちょっとドキドキする。
「あの核ですが――今の5つが全てではありません。まだ他にもあるのです」
「そうなのか……」
これで終わりというわけではないのだな。
そしてナナに核を検査してもらい、安全性を確かめる。
核はもう触っても問題はないらしい。
なので5つの核を回収し、一度村へと帰還することにした。
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