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【書籍化・コミカライズ】植物魔法チートでのんびり領主生活始めます~前世の知識を駆使して農業したら、逆転人生始まった件~   作者: りょうと かえ


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251/848

251.スティーブン村の宿屋にて

 スティーブンの村。

 夜になり、ステラ達は宿に泊まる。

 幸いにもお風呂もシャワーもあり、気分スッキリである。


 宿泊部屋は広くはないが、綺麗に整っていた。

 窓の外からは一面、星明りに照らされた雪原が広がっている。

 少し行った先には冠雪の山々があり、ヒールベリーの村とは何もかもが違う。


「スキーやスノボをする人がけっこう来るみたいですね」

「あとは近くの山で採掘だね。それなりに収入はあるみたいだ」


 遊びまくっていたディアとマルコシアスは、ご飯を食べると眠くなっていた。

 ベッドで横になりながら、二人は早くもすやぁしそうになっている。


「ぴよー。マルちゃんのにくきゅう、もみもみ……ぴよ……」

「主の頭に……すりすり……だぞ」


 お布団を被りながら、ディアはマルコシアスは抱き合っている。

 初めての外でのお泊りだけれど、ディアはちゃんと寝つけそうだ。ハイテンションで遊んでいたのが良かったらしい。


 ステラとナナは部屋のテーブルを囲み、今後の話などをしていた。これもコミュニケーションである。


 温かい紅茶を飲みながら、ステラがほうと息を吐く。

 目の前のナナは着ぐるみ姿ではない。ラフなパジャマ姿であった。どことなくコカトリスの意匠が入っているパジャマである。


「今回は現地でホールド様と合流……粗相がないようにしないと」

「大丈夫じゃない? ホールドは礼儀にうるさいほうじゃないし、僕たちヴァンパイアも個人主義だしねぇ」

「とはいえ、ナナが来てくれて良かったです」


 ほむほむと頷くステラ。

 現代のヴァンパイアを一番知っているのは、村人の中ではナナを置いて他にいない。


「まぁ、大聖堂でレイアとも合流するしね。彼女もそれなりの立場で来るし、心配ないよ」

「別口で移動ですものね」


 さすがにザンザスの資材まで持ってくるには時間がなさすぎた。人数も多いとのことで、別口になったのである。


「……故郷はどれくらい振りなんです?」


 おずおずと尋ねるステラに、ナナがふふりと笑いながら答える。


「どれくらいかなぁ……。五年くらいかな」


 貴族院に在籍していたナナであるが、結局貴族への道を選ばなかった。

 在籍当時から先代アーティファクトマスターに師事し、卒業後はすぐに家を飛び出したのだ。


 ちなみに家族と喧嘩や絶縁ということではない。

 出来た兄がいたし、アーティファクトマスターになるのは名誉なこと。大した干渉もなく、ナナは冒険者になった。


「貴族はなんとなく向いてなくてね。もっと自由で、こじんまりとした生活でいいと思ったんだ」

「わかります……!」


 ステラもふふりと微笑む。それは二人を繋ぐ共通点だった。


「ナナもすっかり村の住人ですしね。エルト様も頼りにしてますし――レイアだって、そうだと思いますよ?」

「……どうしてそこで、彼女の名前が?」

「仲、いいんじゃないです?」


 ステラの言葉に、ナナが若干眉を寄せる。


「大人は軽々しく、そんなことを言わない……」

「気持ちはわかりますが。レイアも単純そうでいて、複雑というか癖がありますからね。伝えたほうがいいかなぁ、と」


 ナナが押し黙ると、ディアとマルコシアスの寝息が部屋に響く。


「すやー……ぴよ。ゆきはなんで、つめたいぴよー……。すやー、ぴよ……」

「わうー……。そらのうえがさむいから、なんだぞー……わふ」


 そんな様子を見ながら、ステラがナナへと言う。


「そんな久しぶりに故郷に帰るのですから、家族に伝えることもあるのでは?」

「……まぁね。しばらくはヒールベリーの村にいるつもり、そう伝えようかなと」

「なるほど、そうですか」


 にこにことステラが頷く。

 そう、ナナにも色々とあるのだ。そして、変わりゆく。

 悪い話でない。むしろ良い話なのだ。


「それよりも……そちらはどうなのさ?」


 ずずっと持ってきたトマトジュースを飲みながら、ナナが尋ねる。


「こちら……ですか?」

「エルト様と……だよ。ここ最近は、かなり距離が近いじゃないか」

「もちろん、らぶらぶらばーずですから……!」


 えっへんと臆面もなく、ステラは言い放つ。

 それがステラの持つ強さでもあった。


「なるほど……」

「ユニフォームを着たエルト様、とってもいいですよね……!」

「ん?」

「普段の貴族的な服もよいですが、ラフなユニフォームで体の線が出たエルト様もよいですよね、というお話です」

「う、うん……」


 なんだかちょっと話がズレているような。


 ナナはもちろん、エルトの兄であるヴィクターも知っている。

 現在の経歴で言えば、三人の兄の中でも頭ひとつ抜けている――と言えるだろう。つまりナーガシュ家の後継候補として、今のところ優位であるということだ。


 もちろん三人の兄の中では、ぶっちぎりの変人である。しかし人当たりは良く、気遣いもできる。

 ただスイッチが入ると、少し早口になるのだ。そして突撃していく。

 ナナも何度かそういう場面は目にしていた。


「まぁ、その調子なら大丈夫か……」

「えっ?」

「いや、気にしないで」


 気が合うかもしれない。

 コカトリス関連なら、ホールドがヴィクターを呼ぶことはありそうなことに思えた。

 ヴィクターが乗り込んでくる可能性のほうが高いかもだが……。


 すっかり野ボールに染まっていた村人を思い返しながら、ナナは静かに頷くのであった。

お読みいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ウッドはエルトが作り出したものの筈で、父と呼ぶのはディアの育成に関わると言うことでやむなしとしても初期の設定からブレブレな気が?
[一言] 村の名前的に「悪魔召喚プログラム」が無いか不安になる(目反らし ステラは中高生の筋肉フェチ?
[気になる点] ナナさんタワー建築中…?(・∀・;)
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