『３章』　佐伯愛美

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　佐伯愛美さん。綺麗で、頭が良くて、その上、それを鼻に掛けない気さくな性格で、クラス中の人気者だった。

可愛い人が性格が悪いというのは、その他大勢の普通の娘が、多分やっかみからそう思い込もうとしている根も葉もないデマだと思う。

自分に満足のいく容姿を持って生まれた人が、僻(ひが)む心など持つ筈が無いから、そういう人は他人を妬まないし、大らかだ。当然性格は明るくなり、素直。周りのみんなから小さい頃から可愛い可愛いと可愛がられて育てられれば、性格が歪む訳が無い。

そんな佐伯さんが、悠夜の事を好きらしいと友達から聞かされたのは、１週間前の事だった。

私はその途端絶望した。

私なんか、敵う訳が無い・・・。