27 水着!水着!水着!
本日、書籍3巻発売日です!
腹チラ鼠径部が性癖歪ませてくるセーラー服hikariの表紙、ぜひお手に取ってみてください!
豪華な車内で快適に過ごすこと四十分弱。
着いた大型プール施設こと『ビッグアクア・アイランド』は、日本最大級の広大な敷地を誇る。
大人から子供まで楽しめるプールが七種類も設けられ、それぞれが島に見立てられているのだ。プール以外にも水着で遊べるだだっ広い芝生エリアもあり、そこにはビーチバレーの出来るコートや、ウォーターガン用の的なんかも設置されている。
イベントステージもこのエリアで、夕方にはステージでバンド演奏やアイドルライブ、完全に陽が落ちたら花火も上がるらしく、盛りだくさんに過ごせてしまう。
俺たちは着いてその規模にひとしきり興奮した後、早々に更衣室で女子組と男子組で別れることになった。
「お、お着替え、行って参ります……!」
「お、おう! 武運を祈る!」
まるで戦場に向かうような気迫の雨宮さんに釣られ、俺も謎のお見送りをしてしまった。更衣室で武運とは。
俺と薄井先輩も更衣室で海パン姿になるも、男子の着替えなど早いもので……先にプールサイドに出て雨宮さんたちを待つ。
モデルのマナーとして、hikariのお肌を守るためのウォータープルーフ使用の日焼け止めも抜かりはない。美とお肌の守護神・ココロさんのお墨付きである。
「おおっ! 夏って感じだ」
奥行きが見えないほど広い様々な『島』のプールで、同じく水着姿のたくさんの人々が盛り上がっている。
あちこちで上がる水飛沫に、賑やかな笑い声。
プールサイドにはちょうどhikariが宣伝を務めた看板もあり、そんな彼等を真夏のマーメイドもかくやの微笑みで見守っている。
俺、ちょっと可愛い過ぎるな。
「……hikariちゃんの看板、いいよね。いつも可愛いけど、僕は今回のショットは傑作だなって」
「え、薄井先輩もhikariファンなんですか?」
隣にぼんやり佇む先輩が急に話し掛けて来たので、少々ビビる。
hikariを見つめる薄井先輩は今日イチで顔に生気が宿っている。
「ああ……向日葵畑の写真を見た時から、ずっと追い掛けているんだ。僕の女神を見つけたって」
それって初期からじゃないか。
デビュー写真ですよ。
「前に公園で現れたって情報が流れた時は、現場まで行ったよ。ロリィタコンテストのゲスト出演だって見逃さなかった。今回もhikariちゃんがイメージキャラクターを務めているって聞いたから、会長の強引な誘いに抵抗せず来たんだ……」
「へ、へぇ……」
先輩、ちょっとストーカー気質だぞ。
雨宮さんとは方向性の違うhikariガチ勢だ。
これは絶対に正体バレしてはいけないな……と心を引き締める。
「hikariちゃんはアフロディーテの生まれ変わり、唯一神……穢れたこの世に咲く一輪の花……」
病んだ目でhikariについて語る薄井先輩に引き攣り笑いを浮かべていたら、後ろから「着替えが長引いてごめんなさい」と会長の声がした。
「おわっ……!」
振り向いた先では、我が校が誇る四大美少女が水着姿で揃い踏みだった。
ザワッと、周囲に震撼が走る。
「おいおい……あの四人ヤバくね? レベル高けぇ」
「hikari級の美少女たちだ……!」
「全員モデルさんかな、素敵!」
「とりあえず順番に交際を申し込んで来るわ、俺」
ひとり合コン感覚の不届き者がいるが、圧倒される気持ちはわかる。民衆に対してノリノリで、チュッと会長は投げキッスを決めた。
「どうかしら? 今日のためにデザイナーに依頼した水着は」
男性を中心に「おおっ!」と湧くオーディエンス。
俺の脳内で、ひとりずつ順番に実況が始まる。
ここの水着イラストも描いて頂きました……!
凄いヤバいです





