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【書籍3巻&コミカライズ連載中】世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。  作者: 編乃肌
四章

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18 浮気じゃないんです

長らくお待たせして、大変申し訳ございません……!

連載再開です!

 サラシを取った大きな胸が弾む。

 そこにいたのは奇跡の美少年・hayateではなく、楚々とした淑女であった。


 ウィッグだと判明した長い亜麻色の髪はハーフアップにされ、レースの白いリボンが結ばれている。目もわざわざコンタクトを入れたのか、青から黒だ。

 トップスは半袖ブラウスで、襟元や袖口には臙脂の線入り。ロング丈のベージュのチェックスカートは落ち着いた広がりで、質がよく品もいい。

 足元は踵の低い、リボンと同じ白のパンプスを履いている。


 これぞお嬢様コーデ。

 麦わら帽子を被ったら、別荘の建つ避暑地とかにいそうである。


「さっそく庶民的なところへ行きましょうか」

「具体的にどこが希望ッスかね……?」

「そうねぇ」


 ほっそりとした指先を顎に当て、会長は思案気にする。


「ファミレスとかバーガーショップも気になるけれど……」

「え⁉ 会長、どっちも行ったことないんスか⁉」


 学生のたまり場とも言える店だが、それも庶民の世界での話なのか。

 放課後に立ち寄ったりしないのかな……と思ったが、会長は登下校が車での送迎だと聞いたことがある。もちろん高級車での。


「できなくはなかったけど、ひとりだと心許ないじゃない? 私は友人と行きたいのよ。晴間くんは生徒会メンバー候補な上に、『同士』だし」


 女装男子と男装女子。

 いつの間にか同志士認定されてしまったらしい。


「それなら、どっちか行ってみます?」


 そう提案したものの、このスタジオの周辺には生憎ファミレスもバーガーショップもなかった。

 あるとしたら……。


「……は、どうですかね?」

「いいじゃない! そこも未経験だわ!」


 俺の提案に、会長はパッと花が綻ぶような笑顔を見せた。


 学校にいる時の人を食った雰囲気とも、hayateの時の紳士な振る舞いとも違う。年相応の女の子な反応で、いろんな顔を持つ人だなあと感心する。

 雲雀もツンドラな普段と、ロリィタ好きな面があるしな……生徒会女子はギャップ推しだな。


「ふふっ! そうと決まれば、善は急げね!」

「うおっ!」


 むぎゅうと惜しみなく胸を押し付ける形で、会長は強引に俺の腕を取った。一点に集中した柔らかさがヤバい。


 ち、違うんだ、雨宮さん……!

 これは不可抗力なんだ!


 後ろめたさからカノジョに脳内で言い訳するも、イマジナリー雨宮さんの頬は膨れるばかり。ぷっくぷくだ。


「あの、会長! 少し離れて……!」

「楽しみねぇ、初めて記念日だわ。まずなにからしようかしら?」

「話聞いてください!」

 ウキウキな会長は制止の声など右から左。俺たちは『庶民的なところ』へ成り行きで向かうことになった。


 どうしてこうなった……?

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書き下ろしシーンも盛り沢山!なによりイラストが素晴らしい(◍>◡<◍)
なにとぞよろしくお願い致します!
― 新着の感想 ―
更新されてるー!! 久々になろう見に来て良かった、楽しみにしてます!!
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