表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今度こそ穏やかに暮らしたいのに!どうして執着してくるのですか?  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/124

第108話:友人たちの気持ちは嬉しいのですが…

 グレイソン様がこの3ヶ月、不安な日々を過ごしていたとは一体どういうことなのだろう。お父様はグレイソン様に、全く何も伝えていなかったのかしら?


「ルージュ、とりあえず座って」


 久ぶりに4人でお弁当を囲む。


「それよりも、グレイソン様がこの3ヶ月、不安な日々を過ごしていたとは、どういうこのなの?」


「実はね、あなたがこの国を出た翌日、私たちは4人でヴァレスティナ公爵家に出向いたのよ。そこで公爵と夫人に“グレイソン様にはルージュがパレッサ王国に向かった事は、絶対に言わないで欲しい”とお願いしたの。だって、グレイソン様のせいでルージュは国を出たのよ。ルージュを傷つけたグレイソン様が許せなくて」


「グレイソン様は絶対にルージュが好きな事は、私たちも分かっていたの。それなのにルージュを傷つけ、国から追い出すだなんて。どんな理由があろうと、許せなくて」


「ルージュはずっと、辛そうな顔をしていたでしょう。ルージュをこんなに苦しめるグレイソン様に、少し反省して欲しいと思ったの。でも、あそこまでやつれてしまわれるだなんて…」


「私も最初はルージュの為にも、グレイソン様に少しは寂しい思いをして欲しいと思っていたのだけれど…あまりにもグレイソン様が辛そうだったから、なんだか申し訳なくて。アルフレッド様からも、もう許してやって欲しいと何度も言われてて…」


「もう、メアリーもマリーヌも甘いのよ。ルージュはたった1人で国を出たのよ。私は国を出るときのルージュの悲しそうな顔が、今でも脳裏に焼き付いて離れないの」


「私もよ。ルージュのあんな顔を見せられて、このまま何もせず許せる道理がないでしょう。そもそもルージュがグレイソン様に、何をしたというのよ?どうして急にルージュを避けたのか、全く理解できない。それなのにルージュがいなくなった途端、ルージュに会いたいですって!都合がいいにも程があるわ」


 セレーナとミシェルは、怒りを抑えきれない様だ。


「セレーナ、ミシェル、私の為に怒ってくれてありがとう。あなた達が私の辛さを理解してくれたと事、とても嬉しく思うわ。メアリーもマリーヌも、私の為に心を痛めてくれていたのよね。あなた達はいつも私に寄り添い、私の為に動いてくれる。どんな時も味方でいてくれるあなた達が、私は大好きよ」


 彼女たちは、どんな時も私の味方でいてくれる。それは1度目の生の時から変わらない事実。その事が嬉しくてたまらないのだ。


 でも…


「確かにグレイソン様とは、すれ違いからお互い傷つけあってしまった事もあった。グレイソン様から避けられ、辛くて辛くて心が壊れてしまいそうだった。でもね、グレイソン様はグレイソン様で、自分が傍にいる事で、私を傷つけているのではないかと悩んでいた様なの。彼にはちょっと特殊な理由があって…私もグレイソン様に、きちんと話をしていなかったのがいけなかったのよね」


 もっとお互いが腹を割って話していれば、ここまで遠回りをする事はなかっただろう。


「それでも私たちは、お互い会えない時間があった事で、よりお互いがいかに大切な存在かという事に気が付いたの。随分遠回りをしてしまったけれど、やっとお互いの気持ちを確かめ合う事が出来たの。これはね、まだ内緒だけれど、近々グレイソン様と婚約する事になると思うわ。私、今とても幸せなの。だからどうか、皆もグレイソン様を許してあげて」


「グレイソン様とルージュが婚約を?おめでとう。セレーナもミシェルも、いつまでも怒っていないで、いい加減グレイソン様を許してあげましょうよ」


「そうよ、ルージュがこの国に戻って来て、そしてグレイソン様を許し、2人は結ばれたのだから、それでいいじゃない」


 メアリーとマリーヌが、2人を説得してくれている。


「正直まだ、グレイソン様の事は信用しきれないけれど…ルージュが幸せならそれでいいわ」


「もう、セレーナまで!でも…ルージュが今幸せそうな顔をしているから、仕方がない。許してあげましょうか」


 そう言ってため息をついている2人。


「グレイソン様、2人ももう許してくれるとおっしゃっておりますわ。こちらで一緒に食事をしましょう」


 大きな声でそう叫んだのは、マリーヌだ。ふとマリーヌの視線の先を見ると、不安そうな顔でこちらを見ているグレイソン様の姿が。隣にはアルフレッド様もいる。


「よかったな、グレイソン。令嬢たちが許してくれるって」


 アルフレッド様がグレイソン様の肩を叩きながら、2人でこちらにやって来た。


「セレーナ嬢、ミシェル嬢、メアリー嬢、マリーヌ嬢。今回の件で君たちにもいらぬ心配をかけてしまった事、本当に申し訳なく思っている。もう二度とルージュを泣かせたりはしないから、どうか許して欲しい」


 グレイソン様が、4人に頭を下げたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ