表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Atlantis World Online -定年から始めるVRMMO-  作者: 双葉鳴
五章 お爺ちゃんと聖魔大戦
471/491

ドリームランド探訪34

「取り敢えず妖精誘引してみて、どうなるかみてみましょうかね。と、言うことでお願いしますハンバーグ君」


「ええ、ヤディスは少し離れてて」


「スズちゃん、いこ」


「|◉〻◉)うん」



 ハンバーグ君の命令を聞いて、スズキさんも一緒に離れてる。

 私は釣り竿を手にしながらその様子を見守った。

 これがクタアトに関係するにせよ、しないにせよ。

 何を意味するのかさえわかれば儲けものだ。


 ハンバーグ君が構える。

 影の箱に妖精が集まり、そして……海が、視界が暗黒の渦に飲まれる。



<ワールドアナウンス:プレイヤーの手によって初めて召喚の門が解放されました>


<召喚の門に初コンタクトしたプレイヤーにはステータスポイントを付与>


<そして解放したプレイヤーには更にステータスポイント、召喚チケットを一つ贈与致します>


<召喚の門はゲーム内時間で7日に一回だけ、異なる世界の神格をランダムで呼び出すことができることができるシステムです。既に一回召喚出来るので日を置くことで再び召喚できるようになります>


<ただし召喚チケットをお持ちの場合は上限に関わらず再召喚が可能です>


<召喚には供物が必要です。特定の神格に魂片、又は神格そのものを供物に捧げることで召喚できます>


<召喚には成功と失敗があり、成功した場合のみ神格が顕現します。失敗しますとそこへ亜空間へと繋がるゲートが現れ、全く別の場所へ転移させられてしまいます。十分にお気をつけください>



「えーと、要するにガチャガチャかな?」


「みたいですね。しかも失敗する可能性もあるとか」


「じゃあさっきのクトゥグア召喚って……」


「神格の肉体の一部と認められてしまった様だね、スルメが」


「クトゥルフさんの触腕ですものね」


「|◉〻◉)クッチャクッチャ」


「スズちゃん、お行儀悪いよ?」


【つまりどう言うことだってばよ】

【リリーちゃんがだいたい悪い、と?】

【なんだ、いつもの事か】

【草】


「しかも7日に1回召喚可能らしいです」


【あー、ノーデンスってその為にいる感じなんだ】


「でもですね、初めて召喚の門を開いた僕にはこう言うものが配られまして」


【なんですかそれ?】

【えらい禍々しいお札やな?】

【特級呪物かな?】


「実はこれ7日に1度の上限を問わず、もう一回召喚できるっぽい代物なんですよね」


【おいwww】

【ここでもう一回召喚するのか】

【探偵の人頭抱えそう】


「ねー、あの人せっかく切り札出したって息巻いてたのに。それで、お替り行っとく?」


「ですねー、今度こそ幻影を守って生き残りましょう」


「あ、その前にクタアトの石像を9回だけ削っておきません? 残り1回を直ぐ削れる様にしてさ。どうせならクタアトも巻き込みたいなって」


「……僕はどっちでも大丈夫ですよ?」


「じゃあ私削りに行きますね。準備ができたらスズキさん使って連絡しますので」


「分かりました」


【この人www】

【周回を諦めない姿勢は流石】

【クズの見本かな?】

【再度召喚しようって方も大概だぞ?】

【周囲への被害を全く考慮してない人たちがこちらです】

【聖典さーん、逃げてー、超逃げてー】

【逃げるのは魔導書も一緒なんだよなぁ】

【後で怒られたって知りませんよ?】



 咎める声は上がるも、引き止める声は上がらず。

 やはりリスナーのみんなもここで再召喚したら面白いと考えている様だ。

 それに私としたってどの様な結果を生むかの検証にもなる。

 ついでにクタアトも倒せるなら一石二鳥どころか三鳥にもなる。クタアトそのものにそこまでの魅力は感じないが。現れるのがもし再度クトゥグアだったらハンバーグ君の欲しがってた素材もゲット出来るわけだし、逃す手はない。


 どのみち7日後に誰かが開けるんだ。今私が開けたって変わらないさ。

 と言うわけでササっと石像を9回削り、スズキさんを使ってヤディス君へ念話でコンタクト。

 ハンバーグ君はスズキさんから手渡されたまだ予備のあるスルメと、余ってたバグ=シャースの魂片を10個投入して召喚の門を起動させた。


 私はその様子を見るべく祠を離れ、いつでも最後の一撃を加えられる様にレムリアの器を構える。このビーム銃、スキルも乗せられるのが魅力だけど、ただの攻撃も出来る優れもの。

 実際これを使って削れるか検証もした事があるので効果はお墨付きだ。


 そしてついにそれは現れる。



【WARNING!】


<神格:イタクァが降臨しました>


<降臨したイタクァは一定期間ドリームランド内を巡回した後帰還します>


<イタクァの降臨を目撃し、生存したプレイヤーにはボーナスポイント+5獲得。凍結無効を獲得>



 バキン!

 降臨と同時、私達は海諸共氷漬けになった。

 しかし前もって予測していたので対応は楽である。

 すぐさまビームの射出口を陽光操作で溶かし、石像に向かってビームを照射。

 クタアトが現れる。

 


<水神クタアトが現れた>


 制限時間48:00



<しかしクタアトは身動きができない!>



「よし、思った通りだ」


「これ、僕たちも動けなくないですか?」


【草】

【諸共氷漬けにされたらそりゃ】

【どうしてこの人達動けるの?】

【多分凍らせても死ななかったから例の耐性貰えたんじゃ?】

【あー(察し)】


「逆に考えてもみなさい。手をついて延長線上に相手がいる。ここにある海そのものがクタアトだよ?」


「ああ、そう考えるならやりようはありますね?」


【氷漬けにされてるのにようやるわ】

【この人達、この状態でよく戦おうと思うな】


「水操作、氷作成を持ってると自分の体が凍ることなんてよくあるよね?」


「え、ええ。まぁボクは初体験ですけどね?」



 ハンバーグ君に話を振ると、苦笑いで返された。



【無茶振りやんけ】

【ハンバーグさん、無理に合わせなくていいよ?】



<クタアトの侵食攻撃!>


<イタクァの氷結攻撃!>


<クタアトの行動は失敗した>



 私達は再度凍らされた。さっきよりも丁寧に芯まで凍りつく。



【イタクァさん、まだ居るやんけ!】

【クトゥグアさんは直ぐどっかいったのに】

【きっと気になるものがここにあるんだろうなー】

【そりゃ凍らせてるのにピンピンしてる人達おるし】

【そう言えばリリーちゃん達は?】


「|◉〻◉)冷凍処理されてますね」


「スズちゃん、動けないの辛いね?」


「|ー〻ー)ねー」



 スズキさん達は無事なようだ。

 もしかしてイタクァがいなくならない原因てそれじゃ?


 前回は召喚主のスズキさんがキルされてどこかに向かった。

 じゃあ今狙われてるのはハンバーグ君か!?

 神格は召喚主に対して莫大なヘイトを向ける?

 だとしたら辻褄は合う!



<クタアトの侵食攻撃>


<しかし身動きが取れない!>



「ハンバーグ君、フェイク★をクタアトに! 多分狙われてるのは君だ!」


「僕ですか!?」


「前回クトゥグアはスズキさんを葬ってどこかへと消えた。だとしたら未だにここにイタクァが居残り続ける理由は、召喚主が健在である他ない!」


【召喚すると神格からヘイト取るとかどんな罠だよ】

【こんなガチャ回す奴居る?】

【いるかもしれないだろ? 僻み根性丸出しの破滅主義者にはもってこいの破壊兵器だぞ?】

【ただのリセット要素なんだよなぁ】

【けどアキカゼさんの言う様に、空の試練回ってフェイク? 使えば神格になすりつけ出来るんだろ? 十分使えるって】

【フェイクつよい】

【空のフィールドは陣営入りする通り道くらいに考えてたけど、普通に重要だな】

【少なくともドリームランドに来たら必要だぞ? チュートリアルフィールドでは使う場所が限られてるだけで】

【それ言ったら地下ルートの精霊との契りも必須やんけ】

【両方通う必要があるとか地獄すぎひん?】

【正気度減らないだけマシだよ】

【ベルト巻かれたら覚悟を決めな】



 私の宣言通り、ハンバーグ君はイタクァへとフェイクを実行。

 すると全体攻撃じみた氷結攻撃が、やはり海を乗っ取ったクタアトに向けて放たれる。

 さっきまではハンバーグ君に向けて放たれたそれは、確実にクタアトに向けられていた。

 私達はその巻き添えだ。


 うん、さっきと何も変わらないね。

 けどヘイトは剥がれた。今のうちに領域展開。

 ──成功。

 クタアトに抵抗されない限り、海は私のフィールドだ。

 凍ってない海を召喚し、そこへショートワープ。

 スズキさんとヤディス君、ハンバーグ君を回収し、掌握領域で私の内側に確保した。


 さて、イタクァとクタアトはどうなっているかと高みの見物をする。私が撃墜されると掌握領域が解けてしまうのでなるべく撃墜されないようにショートワープで移動し、クタアトの消滅を確認したタイミングで仕掛ける。



『ハンバーグ君、今!』


『はい、肉の芽!』



 ヘイトを見失ったイタクァがどこかへ羽ばたこうとした瞬間、ミラージュを重ねがけした私たちの特攻が刺さった。

 当然、反撃は見越している。



<イタクァの氷結攻撃!>


<しかしもりもりハンバーグには氷結が効かない>


<肉の芽の侵食攻撃!>


<イタクァは苦しんでいる>



【あれ? これ勝てるんじゃ?】

【まさかまさかの展開】

【素材ガチ勢の特攻!】

【なぁ、知ってるか? この配信雑談枠なんだぜ?】

【命狙ってくるんなら仕留めるしかないんだよなぁ】

【雑談を続けるための攻撃だぞ?】

【雑談とはいったい何なのか?】

【お前ここ初めてか? 肩の力ぬけよ】


「お替りもどうぞ!」


<肉の芽の追撃! 侵食攻撃はさらに加速した>


「ついでにタワーもおまけでどうぞ」


【草】

【当たり前の様に召喚するな】

【そう言えばこの人テイマーだった】

【なおタワー君、足元からバッキバキに凍らされてる件】

【やっぱ神格には通用しないかー】

【当たり前だろ? 海ごと氷漬けにする規格外なんだから】

【神様は伊達じゃない!】



 戦闘時間は思いの外短い。

 肉の芽を植え付けること十数個目にしてようやくイタクァは氷の結晶の様にその命を散らせたのである。

 我々の勝利だ!



<ワールドアナウンス:プレイヤーの手によって異界からの侵攻者が討伐されました>


<討伐者にはそれぞれ称号、ステータスポイントを付与します>


<引き続きAtlantis World Onlineをお楽しみください>



【うぉおおお! 勝った!】

【勝てるもんなんやなぁ】

【害悪プレイヤーだなんて言ってごめんなさい】

【感動した!】

【こんな迫真の戦闘がみれるとは思いませんでした】



 先程までの罵倒が嘘の様に手のひらを返し始める。

 やはり心のどこかで悪ノリが過ぎた様だと反省していたのかもね?


 それよりも素材、素材。

 あったあった。


 入手した素材は以下の通り。

 クタアトは私達がダメージを与える前に倒されたのでイタクァにまわされた様だ。

 そのイタクァを私達が倒したのでその一部が私たちに回ってきたのだろう、でもそれより気になったのはお目当ての素材が引き当てられなかったことかもしれない。

 いや、これまたランダムの可能性すらある。



 宇宙意思イタクァ×5

 クタアトの魂片×1

 神域細胞クタアト×2

 

 宇宙意思はクトゥグアと同じく、生き残ったプレイヤーに与えられる難易度の高い鉱石だと思う。

 討伐者にも与えられるものなのかと困惑しつつ、ハンバーグ君の顔色は明るい。



「素材! 手に入ってました。イタクァの魂片!」


「おめでとう。でも素材としては集めるの苦労しそうだね?」


「そうですね。それにこう頻繁に召喚されても両陣営共に堪らないでしょう」


「そこは探偵さんに自供してもらい他ないさ。こっちの召喚門が複数人が複数回使える様に、ノーデンスもまた複数人がシェアできるかもしれない」


「もしできなかったら?」


「あると思ってた方が夢があるじゃない?」



 もしそれが出来なくとも、何か対抗策は用意されてる筈だよ。

 私はそう締めくくった。

 

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ