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Atlantis World Online -定年から始めるVRMMO-  作者: 双葉鳴
三章 お爺ちゃんと古代の導き
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赤の禁忌探索⑤

「答え合わせですか?」



 私の白々しい言葉に、おババ様は「そうじゃ」と頷く。

 ならばと持てる限りの情報でお相手するしかない。

 それにどうも質問自体が曖昧だったし、正解しなくてもお咎めなさそうな気がする。ここは気楽に行こうか。



「そうですね。一応こちらの認識としてはあなた方は我々地上人の『導き手』であると同時に『裁断者』の側面を持つ」


「何故そう思う?」


「それは深海で見つかった試練がそういった類のものだったからです。舞台が空に移った先、あなた方が現れた。つまり次に私達地上人に試練を課してくる存在があなた方であると私は考えます」


「すると御主は古代ムーからのメッセージを受け取った代理人であると言うのじゃな?」


「ええ。お陰で封印されていた災獣と戦うハメになりましたが、古代の代理人となる事でそれを無事討伐し切りました。勿論、大勢の味方の力あってですが」


「ふむ、嘘はついとらん様じゃの。して、この部屋に隠されたワードはなんと書いてあった?」


「我は鍵にして門、天空の……までは解読出来ました」


「合格じゃ。ようこそいらっしゃった、古代の意志を継ぎし者よ。我ら天空人は御主を歓迎する」



 おババ様はにこりと笑い、今までかけていた威圧を解いてくれた。合格したから良いものの、本当に意地が悪いんだから。

 そこで解答者には特別サービスじゃぞ? と言いたげな体で話しかけてきた。



「さて鍵を求めし者よ、何処へ行きたい?」


「そうですねぇ、取り敢えずこの空域から近いところでお願いします」


「あいわかった。では聖獣様の予定地に設定しとるでな。外で待ってるが良い」



 え、設定ですか?

 そんなオートドライビングモードが設定できる生物兵器だったんですか、聖獣様って。


 ああ、いや。違うな。

 普段の聖獣様は敵対心剥き出しでランダム設定。

 対して出題の正解者には目的地を告げた上での目的地までオートドライブモードの至れり尽くせり状態になるのだ。


 聞かされた時はちんぷんかんぷんだったが、理解して仕舞えば早い。単純にこのルートに来れる特殊なプレイヤーが私を除いて居ない時点である程度察するべきだったか。


 一気に体力を持っていかれた心地で遺跡の外を出る。

 既に動き出していた様で、風景が目まぐるしく変わっていく。

 乗り物特有の背景が後ろに流れていく景色を見つめながら、ついでにLPを見ていく。


 現状特に減っては居ないね。

 杞憂だったか?


 二羽は重苦しい遺跡内から開かれた空間に出るなり、私の肩から飛び去った。

 ある程度の高さまでいくと、そのまま後方に流されそうになっていたので突撃する様に滑空してこちら側に滑り込んできた。

 何をやってるんだか。



「何してんの、君たち」


『いやー、鯨の真上から動いてる姿を空撮してたら置いてかれそうになって』


「チャレンジ精神があるのは良いけどね、途中リタイヤは困るよ?」


『すんません』



 バン・ゴハン氏は心に響いてなさそうな返事をする。

 まあ、無理もないか。私と一緒に居るから多少無理をしてでも撮っておきたかったんだろうね。ムッコロ氏は重力無視を手に入れたが、彼はまだだ。

 だから雲の上には乗れないし、今がチャンスとばかりに飛び立った。空導力が思いの外強すぎて勢いをつけすぎてしまったと溢していた。多分まだ微調整しきれてないのだろうね。

 それでも物にしようとしてる姿は素直に称賛物だよ。



「気持ちはわかるが焦りは禁物だ。先遣隊としての目的は違えない様に」


『あれ、俺らそんな崇高な目的ありましたっけ?』


「そう言えばただの散歩だったね。どうもおババ様からもたらされた情報に混乱していた様だ」


『らしくないですね』


「そうかな?」


『そうだな。アキカゼさんはいついかなる時も堂々としてるイメージ』



 二羽に茶化されながら私達は短くもない時間を聖獣様の上で過ごした。そして……



 ガチリと何かがハマる感覚。

 何かが変わった!?

 いや、私は今一度街の周辺景色をスクリーンショットを使って覗き込み、そしてカシャリと映し出す。



[一の試練・風波:そこに陸路はない。吹き荒ぶ風の波に抗え]



 試練、試練か。フィールドそのものが試練で、この街の風景はまるで到着した場所の特性によって形を変えるのか。



「着いたよ、ここが一番近い場所さ。降りてくかい?」


「帰ってくるまで待っていてもらっても?」


「勿論、しかとこの目で実力に足るかを目定めさせて貰うよ」



 おババ様から認められたと思ったらまだまだだった様だ。



「君たち、置いてくよ」


『見た限り何もない雲だけだけど? 本当にここ?』


「私の翻訳機能ではここが第一の試練だ。場所の特定は出来ないが、私の移動範囲を調べて割り出して欲しい」


『よくわからないけどわかりました』


『頑張ってください!』


「程々に頑張るさ」



 二羽に見送られながら、私は突風吹き荒ぶ雲に向かって歩き出した。

お読みいただきありがとうございます。

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