08.奥は…呪いが深かった。
オオカミたちと一緒に洞窟の奥に突き進む。
5m幅の道を進むのだが、どうも影がどんどん濃くなっていく。
奥に進むと呪いが濃くなっていくのか?
もしや、この奥に呪いの原因があったりして。
俺、お祓いとか無理なんだけど。
目で確認できる影を、浄化しながら突き進む。
…が、しばらくすると通路にまた黒い影が増えてくる。
見ていると壁から染み出しているように見える。
気持ちが悪い。
オオカミ達は影が濃くなると、苦しそうに口で呼吸をしている。
体もフルフルと震えてもいるようだ。
何とかしないと、これはダメだ。
どうすればいいかな?
浄化をしても、どこからともなく現れる影。
寄せ付けないようにするには、確か漫画では…結界かな…。
あれは魔物からの攻撃を防ぐためだったかな?
呪いにはどうかな。
とりあえずしてみよう。
まずは俺とオオカミと犬を覆う結界を頭の中にイメージしてみよう。
…動き回るから1匹1匹を、大きい風船で囲う感じかな…。
結界の中に呪いがあったら意味がないから、結界と同時に浄化も発動するように…
「結界」
おお~うっすらきれいな青い膜に覆われたとおもったら、消えた。
でも、俺たちの周りには影は近づかない。
どうやら、成功したみたい。
これって影だけではなく物理的な攻撃にも有効かな。
ここって魔法の世界なんだよな。
俺も使っているし。
となれば、姿を見せずに攻撃される可能性も。
結界を強化ってできるかな?
まぁ、とりあえずしてみるか。
えっと物理的攻撃と魔法攻撃に対応できるイメージ。
…難しい。
結界に攻撃されたイメージをして、それを跳ね返すイメージでいいかな。
ん~攻撃を跳ね返すイメージ。
…剣も刀もナイフも銃弾も爆弾も魔法も結界にあたって、そして。
あれ?倍返しみたいなイメージになったけど、…まぁいいか。
「強化」
キューンっという音が道に響く。
そして結界に様々な色が走りまた透明に。
…成功?
オオカミたちがみんな俺を凝視している。
ん? 何かあったのか。
「あぁ、結界を強化しただけだから大丈夫だぞ」
なぜかみんな複雑そうな顔をした。
あれ? 強化失敗したのかな。
これは攻撃されないとわからないな。
それも嫌だな。
とりあえず進もう。
やはり奥に原因があるのか、影がどんどん濃くなる。
視界が悪い、イラつくな。
歩きながら何度も浄化を繰り返す。
結構歩いて、ようやく奥の壁に到達。
そして次の空間に続くと思われる、出入り口を発見。
この洞窟、俺の想像を超えるデカさのようです。




