表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
浄化は基本!
76/672

76.ガルム アイ

-犬で間違いないアイ視点-


長い時、見えない敵と戦い続けた。

仲間が飲み込まれて襲いかかってきた時、自分を見失いかけた時。

その都度何度も最期と覚悟しながら生きながらえてきた。


それでも限界が見え始めた時、周りを見ると仲間の数はかなり減りあとわずか。

少しでも休める場所を探して森をさまよい、1つの洞窟にたどり着いた。

王の誰かが作ったであろう場所で、最後の最後まで魔眼と闘おうと仲間と寄り添う。


どれほどの日が過ぎたのか不意に心地よい風が洞窟内を流れる。

飲み込まれそうになっていた意識が解放されふっと軽くなる。

何が起きたのか。

周りを見るが洞窟の中ではわからない。

今の森では1つの変化が恐ろしいことにつながるかも知れないと緊張する。


何とか立ち上がり警戒をしているともう一度風が流れる。

魔力を含んだ風。

心地よく体の隅々まで癒すような優しい魔力。

体から魔眼の力が完全に消え去る。

他の仲間も同じようで、少し軽くなった体に驚いている。


ずいぶん体力を奪われているようで、立ち上がることはできるが動くことがままならない。

森がどうなったのか確かめたいが、今の状態では無理だと判断。

もう少し体力を戻してから森を確認しようと仲間と確かめ合う。


……


最初の変化から何日過ぎたのか、あまりに体力を奪われすぎてなかなか動けない。

それでも何とか森を確認すれば、森に溢れていた魔眼の力が消えていた。

しかも、あの日の癒してくれた魔力が森全体を守っていることがわかる。


脅威は去ったと考えるのは早すぎるかもしれないが、それでもホッとする。

仲間の数匹がすでに限界に近い。

何か獲物を狩ってきたいが体力的に今は無理だ。

ここ数日は癒しの魔力が風に乗って届くようになった。

その魔力のおかげで僅かずつだが体力が戻りつつある。

あと少し体力が戻れば最低でも小さなモノは狩れるだろう。


……


小さい獲物を狩ることができた。

まさかたったそれだけでぼろぼろになるとは思わなかったが。

癒しの風に感謝だ。

あれのおかげで治りが早く体力の戻りもいい。

まだまだ完全ではないため自分を癒せないのがつらい。


数日の休憩日。

洞窟の入り口で音がする。

動ける仲間と警戒をしながら様子を見る。


王の一角のフェンリル。

その横はダイアウルフ?

なぜ、種の違うものたちが?


…あれはアルメアレニエ?

糸を持つアルメアレニエなど聞いたことがないが。

感じる気配はアルメアレニエだ。


人間?

なぜ、人間が!

人間は敵だ!


威嚇するとフェンリルとダイアウルフが怒りを露わにする。

ダイアウルフの姿に驚いた、巨大化?


人間に意識を奪われたがここに居るのは俺たちより強者ばかり。

降伏して様子を見る。


人間が近づいてくる。

恐怖を感じ襲いかかりそうになるが、フェンリルが守るように殺気を送って動きを封じてくる。

動けないでいると魔力が4度体を通り過ぎる。

その魔力に驚く。


癒しの魔力と同じ。

魔力にはそれぞれ特徴が出るため同じではない。

確かにこの人間から、癒しと魔眼を払いのけてくれた魔力と同じものを感じる。

そして一気に体から抜けた体の不調。

そうかこの人が、我々を救ってくれた魔力の持ち主なのか。


フェンリルが仕え、ダイアウルフが限界突破の力を得て、

アルメアレニエが新たな進化をするほどの魔力を持つ主。


自然と尻尾が振れてしまう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ