72.岩は岩…冒険はわくわく
巨大な鍋を作った。
煮込み料理が食べたい、ついでにフライパンも大小さまざま。
小鍋も作ってみた、家で見た調理器具をそろえて自己満足。
スプーンとフォーク、大き目のお玉も。
持ち手部分には銀の鉱石を巻きつけて火傷対策。
あと、巨大な網と鉄板、バーベキュー用。
後回しにしていたふわふわが喜んだ赤く光る鉱石と青く光る鉱石を採取。
加工部屋で魔力を通したり、溜めたり検討…結果は不明。
ただ綺麗な色のついた鉱石。
加工をすると光る現象がなくなったがまぁ気にしなくてもいいだろう。
透明感もあるのでビンに加工した。
蓋は銀の鉱石で作成。
こちらもサイズがいろいろ、透明の鉱石を探し中。
ビンを見せたら周りが引いた?
ふわふわはなぜか固まっていた。
他の洞窟や穴からも気になった岩や鉱石を採取。
岩と鉱石を並べてみた。
…俺の中での区別はグレー系が岩、きれいな雰囲気が鉱石。
岩と鉱石の違いが判らないので俺流。
そもそも日本で岩や鉱石と触れ合ったことはない、なので理解不能な存在。
ただ、役立つ岩だけ名前を付けた。
鉄もどきの岩を鉄。
家を作り、炭に代用している岩を万能岩。
名前は聞いて、わかるのがいい。
今のところ岩はこの2つを利用している。
鉱石は今のところ4つ、こちらは今のところ色分け。
分かりやすいのが一番!
集めた岩には青い何かが混ざっている岩や、赤黒い色が混じった何とも言えない岩がある。
今のところ必要がないので置いておく。
時間ができたら調べよう。
……
冒険!
この響きはわくわくする。
見つけた迷路のような洞窟に再挑戦。
コアとチャイが俺の前を歩いて洞窟へ
上には子蜘蛛…変化?した2匹。
糸を出して天井からぶら下がっている。
びっくりした。
親玉さんも子蜘蛛も糸を出す種類ではなかった。
親玉さんの走るスピードはすごい、コアが本気で走りまわっても遜色ないレベル。
そのスピードで木から木へ飛び移るから…ちょっと恐怖が。
追いかけられていた獲物がものすごい表情だった。
あれは確かに怖い。
蜘蛛は糸が絶対にあると思っていたから驚いた。
今は糸を使っている姿に驚いた。
進化なのか、変化なのか不明。
ただ、子蜘蛛も成長している。
俺が両手を広げるより強大な体が天井からぶらぶら。
糸が切れないか不安になる。
問題ないみたいなので洞窟の奥へ。
この洞窟は他とは少し違う空気がある、淀んでいる。
洞窟の入り口からは少し下りその先に迷路のような道へと続く。
…天井に子蜘蛛がいるので誘導をお願い。
問題なく奥へ進めるのは便利だ。
途中罠があった、槍が飛んできて壁が迫ってきて落とし穴があった。
槍は子蜘蛛が空中でキャッチ、壁はコアが破砕、落とし穴は風魔法で空中散歩。
チャイは風魔法が使えるのか、初めて知った。
初めての空中散歩はビビった。
腰が引けていたが問題はない、絶対。
時間をかけずに奥へと進む一団。
…俺はただ、みんなの後ろを歩くだけ。
ちなみに俺の後ろにはシオンとサミ、肩にはリスが1匹。
俺は何もせずただただ歩くだけ。
ちょっと思っていた冒険と違うな、これ。




