07.5匹…みんなで奥に
覆っていた影が白く発光すると、スーッと光の欠片となって消えていく。
姿を現したおびただしい数の死骸も、ふわっと淡く光って空気中に消える。
もとが死骸なので何とも言えないが、ある意味とてもきれいな一瞬となっていた。
光が最後まで消えるのを見届けて、生きているオオカミたちの確認をする。
ここに連れてきたオオカミと似ているが、ちょっと小型のサイズのオオカミが4匹。
どう見ても種類が違うオオカミ…犬?が1匹。
顔が怖すぎるが犬か?
犬だろう。
最初に出会ったやつに比べれば怖くない。
最初の奴は正直、パニックの時にあったので衝撃が少なかった。
それ以前に頭、パンク状態だったからね。
今のちょっと落ち着いた状態だったら、どんな粗相をしたか、想像もしたくない。
うん、未来がこっちでよかった。
「汚いな」
俺の言葉になんだか全員が情けない顔をする。
俺の言葉がわかったのか?
知能は高いのかもしれないな。
そういえばオオカミって頭が良い動物だったはずだ。
さて汚れはクリーンできれいに。
するとサラサラな毛をもった、きれいなオオカミと犬にご対面。
白銀といえる毛並のオオカミが2匹。
黒の毛と白の毛のオオカミが1匹ずつ。
犬は全体的に茶色で、黒い毛がところどころに混ざっている。
並ぶと犬のサイズは小さいほうのオオカミぐらい。
ちょっと隣のオオカミにビビっているか?
「仲良くしろよ」
全員のしっぽが振られているので、大丈夫だろう。
こいつらの気になるところは、痩せすぎなところだろうな。
これは今すぐには、どうすることもできない。
さて、これからどうするかな。
洞窟内の浄化をすると、そこは結構な大きさの空洞。
横にも縦にも50m以上はあるだろう。
正確にはわからないが。
そして入ってきた外からの入り口以外に、どこかに続く出入り口が2つある。
「何があるか、わかるか?」
俺は2つの出入り口を順番に指さして、オオカミに聞いてみる。
オオカミが首を振る。
言葉を理解しているような…。
確実とは言えないが。
ほかのオオカミと犬を見ても同じ反応。
言葉の理解力は分からないが、聞きたいことは理解しているようだ。
これなら、頼りにしてもいいかな。
さて、ここにいても仕方がない。
広いとはいえ入口ともいえる場所ではちょっと落ち着かない。
何かに襲われた時のことを考えないとな。
奥に何があるのか、もしくはいるのかを確かめないと。
後ろから襲われたら笑えない。
とりあえず2つあるうちの1つに近づく。
6匹も、あとに続いてついてくる。
一緒に来てくれるらしい、頼もしい。




