63.要らないので…心配かけました。
子蜘蛛と子アリに木の実を見せて木まで案内を頼む。
シオンとクロウにササをお供に森の中を駆け抜ける。
足が速いと便利。
ただし、躓かなければ。
木の根って嫌な奴だ。
ん~確かにほしい実をつけた木が密集している。
ただしその大半が結界の外。
なるほど呪いがある場所にほとんどあるのか。
どうしようかな。
結界を広げようとしたら、コア達に反対された。
なぜかは不明。
そこまで意思疎通ができていない。
でも首を振って雰囲気的には大反対。
しかし、欲しいものが目の前に。
なのであとで謝ろう。
一つ深呼吸。
目を閉じて結界を全身で感じる。
上から結界を見るイメージを作って魔法で実行。
…うまくいったな。
そこから結界を広げるイメージを作る。
どこまで広めようかな。
倍ぐらい…もう少し、今の3倍ぐらいにしよう…あ!
上から見るとちょっと気になる植物を発見。
呪いの影で見えにくいが、もしかしてもしかするので。
それを期待して結界は5倍ぐらいに。
え~仮の結界をイメージ、その中を「浄化」
浄化したものはまとめて2倍ぐらいに強めて「返却」
要らないものは持ち主に返すのが一番。
土の中も結界をじわじわ広げていく。
最初の結界と同じぐらいに下へ結界を伸ばして「浄化」
そして「返却」
「結界」を本格起動してついでに「強化」
川や湖を1つ1つ上からチェック。
水の中の呪いを「吸収」して「返却」
今まで境にしていた結界を消して、新しい結界内をもう1度「浄化」
結界内にある木の根から葉の先まで綺麗に。
最後に「返却」
大満足!
目の前には瑞々しい木々が生い茂る森が。
呪いの影はどこにも見当たらない。
浄化の技術レベルにニンマリしてしまう。
シオン、クロウ、ササを見ると周りを見回している。
さて、本来の目的の種を収穫して帰ろう。
帰り道に獲物が出たが、シオンが威嚇してササが仕留めてあっけなく終了。
仲間になった犬も何だかとっても強い気がする。
頼もしい、俺も修業した方がいいかな。
……
家に帰るとなぜか全員集合。
ちょっと不安そうにしているが何かあったのか?
周りを見るがいつもと変わらない風景。
何かが襲ってきたとかではないらしい。
コアが近づいてくる。
頭をなでるとじっと俺を見て、しばらくすると尻尾を振りだした。
すると緊張感が消える。
もしかして禁止されていた結界を広めたから怒っていたのか?
「ごめんな、心配かけて。大丈夫、結界はうまくいったから」
心配をかけてしまったのかな。
でも、必要だったから許せ。




