62.名前を決めよう…種を割りまくる
チャイの仲間の7匹も元気になったようだ。
最初のころのふらふらな姿は見ていて本当に心配した。
今では作られた池の周りを走り回っている。
池…イメージがあまり良くないので1日1回清掃魔法をかけておいた。
そういえば池の周りが庭のように日々変化している、農業隊かな?
池にはいつの間にか魚の姿が。
他にもエビに似ている不思議なモノも。
顔を出しているのは…気にしないことにした。
元気になったら名前を決めたい。
7匹はオスが3匹、メスが4匹。
色合いはチャイと一緒が多く、オスの1匹が茶色に白いまだら模様。
メスの一匹が茶色に赤いまだら模様で瞳も赤かった。
オスは「茶也」、「茶多」、白いまだらが「茶流」。
メスは「茶羽」、「沙茶」、「茶美」、赤いまだらが「姫茶」。
チャイの茶を基本に考えてみた。
自己満足度は100%です。
きっと気に入ってくれたはず、たぶん…だよね。
チャイとコアは最初の頃、チャイが少し遠慮していたが最近はともにいることも多い。
狩りをするときも一緒だ。
チャイの仲間が増えたのでどうするのか見ていたが、変わらないみたいだ。
コアとチャイは一緒に出掛けている。
2つの種に分かれてしまうかと心配したが大丈夫のようだ、安心。
変わったことと言えば俺の近くにたえずオオカミが2匹と犬が1匹。
護衛なのかな?
ありがとう。
ちび蜘蛛2匹、ちびアリ2匹、子蜘蛛2匹もありがとう。
俺は護衛がいっぱい付くぐらい力が弱いらしい。
頑張ろう。
……
ある日思い出した。
島を開拓する番組で椿の種から油を搾っていたことを。
この世界にも油がとれる種があるかもしれない。
油があれば揚げ物が食べられる。
木の実の中にはナスに似たような実やかぼちゃに似た実がある。
俺の中では実ではなく野菜として認識。
その野菜を素揚げして、魚醤を少し垂らして食べたい。
きっと、うまいはず。
と言っても種にもいろいろある。
とりあえず種を集めないと。
1日目、数十個の種を集めてつぶしてみたが収穫なし。
2日目、数十個の種を集めてつぶしてみたが収穫なし。
3日目、朝起きたらテーブルの上に多種多様な種が…100個以上。
子蜘蛛と子アリが総出で種を取ってきてくれたらしい。
ありがとう。
その日は1日種を割って割って割って…魔法なので疲れないが飽きる。
お、種を割ると指先に違和感。
指先を見るとツヤッとしている、ような…。
俺の頭ぐらいある大きな実。
その中にはネバッとした甘い匂いが強い果肉、その中央に種がぎっしりと詰まっている。
そういえば…油のとれる種ってどんなものなんだ?
そもそもそれを知らない。
果肉をちょっと食べてみる…後悔。
すごい渋みが…ササが驚いた顔で見ている。
もしかして渋みを知っていたのかも。
とりあえず何でも挑戦。
大きな実の種を絞ってみよう。
その前に、この実をもう少し収穫しよう。




