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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
後片付けまでしっかりと
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9.今がその時。

オウ魔界王の言葉に驚きながら、彼を見つめる。


「最初は小さな違和感だ。前に会った時より微かにだが、力が揺れていた」


力の揺れは、不安定な状態になっているという事だ。

俺の力が不安定?

全く気付かなかった。


「ただ、問題になるほどでは無かった。本当に小さな揺れだから」


まだ、それほど問題視しなくても大丈夫か?

でも不安定な力は世界に影響を与えてしまう。

対策が必要になってくるかもしれないな。


「だから疲れているのかと思った」


疲れか

確かに力が不安定になる要素の1つだな。

でも、原因が魂だと気付いた。

何がきっかけで、バレたんだ?


「力の微かな揺れを、それほど重要の事だとは思わなかった。疲れる事なんて、この地位にいれば当然だ。解決方法は休む事だからな。でも俺が『寿命』に対する考えを話した時に、呪界王の胸のあたりに、何かが見えたんだ。そしてそれが魂で、しかも傷がついているのが分かった。たった一瞬だったのに、はっきりと見えたんだ」


寿命の話の時に?

あの時にオウ魔界王が焦った様子だったのは、俺の魂が見えたせいか。


でも、どうしてあの時なんだ?

……何も無かったよな?

あの時の俺は、オウ魔界王の話を聞いて、寿命と死について考えていただけなんだから。

そう、魂の消滅についてもだな。


「「あっ」」


オウ魔界王と創造神の声に、2柱を見る。


「今だ」


今?

創造神の言葉に首を傾げる。


「今、魂の姿がはっきりと見えた」


「今? 魂の消滅について考えたが……」


俺が言葉を発した瞬間、2人の視線が微妙に動いた事に気付いた。

もしかして、また魂が見えたのか?


「また?」


「あぁ、その様子だと無意識みたいだな」


オウ魔界王の言葉に、頷く。


どうして、魂が見られる状態になっているんだ?

それも「魂」の事を考えただけで。

あっ、という事は今も?


オウ魔界王と創造神を見る。


あれ?

今は、2柱とも反応していない。

魂の事を考えたら、見られるようになるのでは無いのか?


「今は、見えないか?」


「「えっ?」」


創造神とオウ魔界王が首を横に振る。


「そうか」


「魂」の事を考える事が、切っ掛けでは無いのか?


「呪界王。力の揺れが消えているみたいだ」


「えっ?」


創造神を見ると、安堵した様子で俺を見ている。

揺れ。

つまり、力が安定した?


「あっ、そうなんだ」


んっ?

揺れが無くなり力が安定したら、魂が姿を見せなくなった?


つまり魂が見えてしまう条件は、力が不安定で魂の事を考えた時?

力の安定を意識しておく必要があるな。


それと力が揺れた事に気付けなかった事も問題だな。

今までなら気付けた。

これも魂が傷を負ったせいなのか?


「呪界王? なぜ魂がそんな状態に?」


オウ魔界王の言葉に肩を竦める。


「元人間には、神の巨大な力に耐えられなかったんだ」


俺の説明に、2柱が息を飲む。

そして戸惑った表情をした。


「それはつまり……」


「あぁ。近い将来、魂の消滅を迎えるだろう」


俺に言葉に、2柱が悲壮感を漂わせる。


「そんな顔をしないでくれ。まだ当分は問題ないから」


当分がどれくらいなのか、俺は知らない。

もしかした、明日なのかもしれないけどな。


「そうだな、わかった。手助け出来る事があったら、何時でも言ってくれ」


「ありがとう」


次の呪界王の事を支えて欲しいと、言ったら……さすがに今は駄目かな。

これは、またの機会にしよう。


「随分長く話し込んでしまったな」


ここは異空間で、集まっているのは世界の王だけ。

時間が進んでいる感覚は、全く無い。

でも、おそらく夕飯の時間は過ぎてしまっただろうな。


「そうだな。そろそろ、仕事に戻るよ。大量の書類が待ってるし!」


創造神の嫌そうな表情にオウ魔界王と笑ってしまう。

こればっかりは手伝えないから、頑張ってもらうしかないんだよな。


「頑張れ、ほどほどにな」」


俺の言葉に、苦笑する創造神。


「また」


創造神が神国に戻るのを見送る。

オウ魔界王が、ポンと俺の肩を軽く叩くと魔界に戻っていく。


「さて、戻るか」


目を閉じ、皆を思い浮かべる。

あっ、このイメージは駄目だ。


「「うわっ」」


コアと飛びトカゲの驚いた声。


「「ひゃっ!」」


これは子供達だな。

おそらく桜と紅葉?


「えっ? 主?」


ヒカルだ。


うん、やってしまった。

仲間をイメージしてしまったから、皆がいるウッドデッキに出てしまった。

いつもは、驚かせないために家の玄関をイメージしているのに。


「ごめん、間違えた」


早く皆に会いたいなって思ったら、イメージが仲間になってしまったんだよな。

気つけていたのに。


「おかえり~」


元気な声で太陽が俺の下に駆けて来る。

ポンと頭を撫でると、嬉しそうな表情になる。


「あれ?」


太陽を撫でていた頭を、ポンポンと撫でる。


「太陽、背が伸びた?」


「うん! 成長期だって、きっとすぐに主を越せるぞ」


それは、嬉しくない。

でも、間違いなく俺より大きくなるだろうな。


この子達は神の力が子供返りしているから、数日で大人の姿になったとしてもおかしくない。

大きくなるにしても、ゆっくり成長して欲しいよな。


「主?」


リーダーの声に視線をむけると、首を傾げて俺を見ている。

どうしたんだろう?

あっ、魔力が揺れているな。


安定した力をイメージすると、体の中に流れる力がスーッと流れていくのを感じた。

良かった揺れは収まったな。


「大丈夫ですか?」


リーダーの言葉に、ポンと頭を撫でる。


「大丈夫」


あれ?

今、微かな力の揺れに、気付く事が出来たな。

どうしてさっきは、気付けなかったんだ?

もしかして、無意識に彼等に助けを求めたんだろうか?


「分かりました。すぐに夕飯を準備しますね」


「ありがとう」


リーダーはきっと何かに気付いている。

証拠はないが、あのリーダーが俺の状態を見逃すわけが無い。

でも、俺が自分で話すまで、我慢してくれているんだよな。


今が話す時、なんだろうな。


「主、準備が出来ました」


リビングのテーブルに、今日の夕飯が並んでいる。


「ありがとう」


ウッドデッキからリビングに入ると足を止める。

そして振り返って仲間達を見る。


「……コア、飛びびトカゲ」


「どうした?」


寝そべっていたコアが顔を上げる。


「俺について話があるんだ。あとで時間を作ってくれないか? 他の仲間達にも声を掛けて欲しい」


俺の傍にいたリーダーの体が微かに揺れた。

俺がなぜ彼等を集めるのか、分かったのだろう。


「分かった。子供達はどうする?」


あっ、あの子達はどうしようかな?


「皆に話を聞いてもらってから、考えるよ」


「俺達は参加するからな」


クウヒの言葉に視線を向けると、ウサとヒカルがいた。


「あぁ。頼む」


反対されると思っていたのか、俺の反応に驚いたみたいだな。


「主、先に食事にしましょう。その間に、皆は集まるでしょう」


そうだ。

せっかく用意してくれたんだから、温かいうちに食べてしまう。


「分かった」


食べている間に、俺も覚悟しないとな。


俺の傍にいたリーダーの体が微かに揺れた。

俺がなぜ彼等を集めるのか、分かったのだろう。


「分かった。子供達はどうする?」


あっ、あの子達はどうしようかな?


「皆に話を聞いてもらってから、考えるよ」


「俺達は参加するからな」


クウヒの言葉に視線を向けると、ウサとヒカルがいた。


「あぁ。頼む」


反対されると思っていたのか、俺の反応に驚いたみたいだな。


「主、先に食事にしましょう。その間に、皆は集まるでしょう」


そうだ。

せっかく用意してくれたんだから、温かいうちに食べてしまう。


「分かった」


食べている間に、俺も覚悟しないとな。


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― 新着の感想 ―
報告します。 最後辺りが 重複してます〜
[気になる点] 一番最後の「俺の傍にいた~覚悟しないとな。」の部分が二回繰り返しているのでは?
[気になる点] 文章の繰り返しが2箇所ありました。 何かの表現方法なのか?ただのミス?なのか。
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