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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
後片付けまでしっかりと
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7..近況報告。

創造神とオウ魔界王と会う場所は、前に作った異空間。

ただその異空間は、創造神とオウ魔界王にそれぞれの力を足してもらった。

これで、3柱の内1柱に何かあっても異空間は維持できる。

まさか、最初に「何か」あるのが自分だとは、その時は思いもしなかったけどな。


「悪い。待たせたか?」


異空間に入ると、既に創造神とオウ魔界王の姿があった。

もしかして約束の時間を間違えていたかな?


「大丈夫。少し早く来てしまっただけだ」


創造神の言葉にホッとする。


「俺はちょうど来たところだ」


オウ魔界王がさっと手を横に振ると、テーブルとソファが現れた。


「どうぞ」


「「ありがとう」」


3柱がソファに座ると、創造神がテーブルの上に手を翳す。


「今日はお土産があるんだ。俺の護衛をしてくれている2柱が、自分達が管理している星で人気のお菓子を買って来てくれたんだ。どうやら呪界王とオウ魔界王に食べてもらいたいらしい」


テーブルの上には、お皿に載ったオレンジ色したゼリーのようなお菓子が現れた。


「これ、焼き菓子なんだよ」


焼き菓子?

透きとおったオレンジ色だから、ゼリーのような物だと思った。


お皿から1個を手に取ると、想像よりしっかりした硬さを感じた。

ちょっと香りを確かめてみるが、ほぼ香りはしない。


「いただきます」


一口食べると、ふわっと花の香り広がった。

それに少しビックリする。

食べるまで、花の香りなんて全くしなかったのに。


「不思議なお菓子だな。それに、美味しい」


甘さもちょうどいいな。


「気にいてくれたみたいで良かったよ」


創造神に「ありがとう」と伝えると、嬉しそな表情をした。


「食べながら、まずは近況報告をしようか」


オウ魔界王の言葉に、創造神が頷く。


「神国の復興を本格的に始めたため、神達がかなり忙しそうだ。あと闇が現れないから、アルギリスは探せていない。それとアルギリスを支持している者達の一部が判明したので、確保した。数名はこちらの動きを察知して逃げ出したので、探し出すように言ったぐらいかな」


少し考えこんだ創造神は、「あっ」と小さな声をあげた。


「どうした?」


「壊れた星を修復するか完全に破壊するかで、少し神達が争っているんだ。呪界王、オウ魔界王は、どちらがいいと思う? 破壊された星の中に、生命体が確認されているところもある。ただ、修復となると神にかなり負担を掛ける事になる」


「生命体が確認されている星は、神に負担がかかっても修復の方がいいだろう」


オウ魔界王の言葉に、創造神が神妙に頷く。


「修復は、そんなに負担になるのか?」


俺の言葉に、情けない表情になる創造神。


「通常なら問題ない。ただ今は、……神が足りないんだ」


「そういえば、神の数が足りないと言っていたな?」


「あぁ。そのせいで軽い問題には目を瞑っている状態だ。まぁ、罰を与えるまでに少し猶予があるだけだが」


俺の言葉に頷く創造神。

罰という言葉を言った時に、微かに見せた苛立ちがちょっと気になるな。


「それなのに奴等は許されたと思って、神族達に横暴な態度を取る。本当に愚かだと思わないか」


あぁ、なるほど。

だから苛立ちが見えたのか。


「悪い。呪界王達は話を聞いてくれるから、つい言い過ぎてしまうな」


創造神が少し恥ずかしそうに言うので、オウ魔界王とつい微笑んでしまう。


「そうだ。星の移動はいつ頃がいい? 復興が終わるのを待っていたらいつになるか分からない。だから2柱が希望する日を言ってくれたら、それに合わせるつもりだ」


「そうだな、1週間後ぐらいでどうだ?」


オウ魔界王の言葉に、創造神が頷く。


「呪界王は?」


「魔界に星を移動させて、神国に影響が無いか確かめた後でいいぞ」


星の移動なんて初めて事。

問題無いとは思うが、実際に移動してみたいと分からない事もあるからな。


「分かった。問題がなければ?」


「ん~、2週間後ぐらいかな」


魔界に星を移動させてから1週間ぐらい開ければ、神国もゆっくり準備が出来るだろう。


「分かった。1週間後と2週間後に、星を移動させるよう準備していくよ」


もう少ししたら、呪界に星が増えるのか。

今から楽しみだな。


「魔界には変わった事など、あっ、大木に咲いた花は命花で、数日前に新しい魂を誕生させたよ」


「えっ? 魂?」


オウ魔界王の言葉に、創造神が目を見開く。


「それに関しても俺も報告がある。呪界でも命花が咲き、新たな魂が生まれたようだ」


創造神が、俺とオウ魔界王を見て神妙な表情をした。


「そうか。既に変わっているのか」


創造神の言葉に首を傾げる。


「神国の命花について、魔幸石が管理する事になった事は知っているよな?」


「あぁ、魔幸石には意思があるから、これまでのように神が好き勝手する事は出来なくなるんだろう?」


オウ魔界王の言葉に創造神が苦笑する。


「いろいろな制約があるから、今までも好き勝手出来たわけではないんだけど。でも、今までの事を考えると……好き勝手と言われても仕方ないか」


創造神が渇いた笑いをこぼす。


「魔法石が命花の管理を始めてすぐ、異変に気付いたそうだ」


異変?


「新しく育ちだした命花の数が、過去の数よりかなり少なかったんだ」


数が少ない。

もしかして呪界と魔界で新しい魂が誕生するから?


「調べたら、命花の咲く場所が増えている。しかも、咲く場所を調べると1つは呪界に、もう1つは魔界に繋がっていたそうだ」


繋がっていた?


「もしかして命花の咲く場所は全て繋がっているのか?」


オウ魔界王の言葉に創造神が頷く。


「魔幸石の話ではそうらしい。そして、魔幸石の話では星で一生を終え戻って来た魂の扱いが、以前と比べると大きく変化したようだ」


あっ、これはエルフの下に誕生した新しい命に繋がっている話では?


「どう変化したんだ?」


「……どうも、神達は信用されなかったようだ」


眉間に皺を寄せる創造神は、なんとも言えない表情をする。


「神の力で作られた魂は、一生を終えると傷ついている事が多々ある。だから神は、その傷を癒して綺麗にしてから輪廻に戻す」


以前に聞いた内容だな。


「一生を終えた魂は、生前のしがらみを切ってから帰って来るのが普通。でも中には、生前のしがらみに絡みつかれている者達がいる。彼らのほとんどが、生前に多くの怨みをかった者達で怨みというのは凄い執念があり、対象の人物が死んでも切れずに一緒に戻って来てしまう」


これも聞いた内容だな。


「その中に呪いに落ちる魂がいるんだったよな」


「そう。魂に絡みついている怨みはとても厄介で、神の力では癒す事が出来ない。怨みは、魂をゆっくり侵食しながら苦しめていく。そして怨みの濃くなった魂が、呪いに落ちる」


創造神が、1つため息を吐く。


「3つの世界が新しい関係を築いた事で、怨みが絡みついている魂はすぐに呪界に」


「えっ?」


怨みが濃くなる前に、呪界に来るのか?

まぁ、問題がないならいいけど。


「そして、傷を負った魂は魔界に送られる事になったんだ」


「あれ? 神国に残る魂は?」


不思議そうにオウ魔界王が創造神を見る。


「信用されなかったと言ったのは、綺麗な状態で戻って来た魂だけを扱うようになるからだ」


「「あっ」」


そうか。

傷を負った魂は魔界に、怨みが絡まった魂は呪界に。

残りは綺麗な魂か。

おそらく魂を神達に利用させないため、だろうな。


エルフに新しい命が誕生したのは、怨みの絡まった魂が呪界に送られたからか。

絡まった怨みはどうなったんだろう?

新しい命を少し見守る必要がありそうだな。


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― 新着の感想 ―
[一言] 一話前ですけど今日会う相手が創造神ではなくアイオン神になってますよ。
[一言] 呪界王と創造神は名前が付かんのに、魔界王だけオウって付くんがスゴイ違和感…(;´∀`)統一しなはれ
[気になる点] 破壊された星の中に、生命体が確認されているところ〔の〕ある。 確認されているところ〔も〕ある? 新しい関係を気付いた事で →築いた? エルフに新しい祈りが誕生したのは →命が誕生?…
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