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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
隣人とは……適度な距離が必要!
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95.見えない存在。

アイオン神が、話があると呪界に来た。

俺は魔界に落ちた神族の事だと思ったけど、アイオン神の様子を見る限り違うようだ。


「どうしたんだ?」


アイオン神の神妙な表情に、魔族達と保護している神族の子供達と親達が、キッチンからリビングを覗いている。

少しは遠慮をして欲しいが、彼等の足元には一つ目達までいる。

全く、しょうがないなぁ。


「神国は終わりかもしれない」


アイオン神の言葉に、聞いていた魔族達と神族達が驚いている。

そしてなぜか、神族が嬉しそうな表情になった。

おかしい、普通は不安そうにするのでは?


あっ、こら。

勝手に呪界に移住する計画を立てない。

魔族も一つ目達も、楽しそうにしない!

というか、なんで魔族が神族を魔界に誘っているんだ?

神族も旅行ならって、おかしいだろう。


「翔?」


「悪い。どうして終わりなんだ?」


「神国にとって、異常な事が続いているのは知っているよな?」


「あぁ、そうだな」


魂の生まれる場所で見つかった呪いを籠められた魔石。

それに、神国を守る結界が破壊され、修復されない事だよな。

おそらく俺が知らない事も多くあるだろう。


「それで、創造神に疑いが掛けられた」


まぁ、そうなるだろうな。

特に結界が壊された後、すぐに修復しなかったことが問題だ。

あれは創造神の管轄だろうからな。

というか、未だに結界は修復されていないんだよな。

創造神は何をしているんだ?


「落ち神の処理は後回しにして、神国の現状と創造神を調査する事になったんだ。これは創造神の主導ではなく、カルアタ神が属してる組織が主導して行った」


まぁ、調査される者が主導する事は出来ないよな。


「それで?」


「それが……創造神の力が失われているという事が分かったんだ」


「んっ? それはどういう意味だ?」


「神や神族の調整は出来た。でも創造神は、神国の制御は出来なかった」


調整? 制御?

調整については、今は考えないようにして、制御とは自分の思うままに支配することだよな?


「創造神は何をしようとしたんだ?」


「世界を短時間止めてもらおうとしたそうだ。これが一番分かりやすいらしい」


世界を短時間止めてもらおうとした?

「呪界、ストップ」とか?


カチン。


「えっ、出来た? いやいや、解除」


動いて!

カチン。


「あれ?」


アイオン神が不思議そうに周りを見る。


「気にしなくていいよ」


焦った。

あんな簡単な一言で止まるなんて思わなかった。


「マジかよ」


俺の言葉に、頷くアイオン神。

あっ、誤解された。

俺は自分の力の事を言ったんだけど、えっと……創造神が神国を制御出来なかったんだな。

つまり結界が破壊されたまま修復しないのは、創造神が制御出来ていないからなのか。


「いつからだ?」


「おそらく、前創造神の時からだと思う。ただ落ち神が創造神を利用していたから、記録があやふやな部分もあって正確には分からないんだ。でも、その前の創造神の時代には色々と記録が残っていたので、問題ない事が確認できている。力も一気に失ったわけでは無く、徐々に弱まっていたようだ。2月前に出来た星の移動が、今は出来なくなっていたそうだ」


「星の移動?」


「問題を抱えている星の近くに別の星があると影響を受けるので、創造神が安全な距離まで離すんだ。それが出来なかったと聞いた」


そんな事も出来るのか。

呪界には、ここ以外に星が無いから知らなかったな。


それにしても失った力、か。

ん~、失ったというか、奪われたかな?


俺は、この世界には見えない存在がいて。

その存在が、ぎりぎりのところで全ての世界を守っていると思っている。


それに意志があるのかないのかは、分からない。

でも、神達が強くなると同時に魔神達も強くなった。

まるで、どちらの世界も滅びないように調整されたみたいに。

そして呪界が出来た時も、なぜかどの世界も同じ大きさに調整された。

だから失われた創造神の力も、その存在が世界を守るために奪ったような気がする。

前の創造神は落ち神に良いように利用されていたみたいだから、利用されないように力を奪った。

まぁ、全て俺の想像だけど。


「翔はどう思う?」


「ん~、そうだな」


見えない存在については俺の考えで、本当にいるという証拠はない。

だから、そんな話をして混乱させても悪いよな。

特に神は、そんな存在を認められないだろうし。


「創造神が力を失って、神国を制御できなくなったという事は分かった。結界も修復されてないからな」


「創造神は、何度も修復しようとしているが無理みたいだ」


「そうなのか?」


放置しているわけではなかったのか。

それが分かっただけでも良かったかも。


「修復が出来ない事から、神国の現状調査だけでなく、創造神についても調査されることが決まったんだ」


「そうか」


神国を制御できない創造神か。

あぁ、だから魂を生み出す場所に、力の弱い神が入り込めたのか。

これがずっと不思議だったんだよな。


だって、俺だったら入り込んだ瞬間に気付けるから。

同じ力を持っているはずの創造神が、気付かないはずがないと思っていたんだよな。

しかも呪いを籠めた石まで置いて行かれている。

もし、入り込んだことに気付かなかったとしても、石から呪いが溢れたら絶対に気付く。

世界の王には、それだけの力があるんだから。


「創造神の力がどうすれば戻るのか、分からないんだ」


まぁ、初めての事だからそれは仕方が無いだろう。


「このまま制御が出来なければ、神国はいずれ滅ぶと思う」


「そこまで?」


確かに、色々な面で影響が出るけど、滅ぶかな?


「特に問題なのは、結界と命を生み出せない事だ」


確かに、その2つは大きな問題だな。

まぁ、結界に関しては魔界が落ち着いているから、すぐに修復しなくても大丈夫だろう。

ただ命に関しては駄目だな。

魂はいずれ消滅を望むらしいから、生み出せないと影響が確実に出る。

でも、おそらく滅ぶことは無いだろう。

見えない存在が、それは防ぐはずだ。

まぁ、そんな存在が本当にいたらだけど。


「今、やるべき事は」


創造神の力が戻る事が重要だよな。

どうやったら戻るんだろう?


「そういえば、創造神は自分が神国を制御できない事に気付かなかったのか?」


普通は気付くよな?


「気付いてはいた。ただ、自分の力不足が原因だと思ったようで、かなり思いつめていた」


力不足か。

そう言えばロープが、「今の創造神は覚悟が足りない」と言っていたな。

でも創造神に必要なのは、覚悟ではなく相談役だな。

誰か1柱にでも相談していれば――。


「相談した神も悪かった」


相談する相手はいたのか。


「どう悪かったんだ?」


「創造神の周りにいた神達は、身の回りの世話をする神族達に『役立たず』だと噂を流させて、創造神を少しずつ追い込んでいったんだ。自分達の思い通りに動く創造神を作りあげるために。神国を制御出来ない事で悩んでいたから、つけ込まれてしまったんだな」


ん~、やっぱりちょっと頼り無いなぁ。


「なんでそんな事をしたんだ?」


「創造神を蹴落として、自分が創造神になる為だな。今の創造神を決める時に、最後まで候補に挙がった神だったらしい」


はぁ、権力争いか。

今、何が重要なのか分からない者に、創造神は無理だろう。


「追い込んだ奴らは?」


「全員、牢だ」


それは良かった。


そう言えば俺は、創造神が間違った方へ行こうとしていると思ったんだよな。

でも、それは違うみたいだ。

創造神は、自分のせいだと追い込まれるほど真面目な性格?


「今の創造神に必要なのは……」


同じ存在かな?


「会ってみようかな」


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― 新着の感想 ―
あぁ… ラストシーンへの布石はこのあたりからだったんですね(・o・)
[気になる点] 以前、神国と魔界は同じぐらいの大きさで、呪界は二つの国より大きい…みたいなのを読んだ気がしたんだけど、記憶違いだった?
[良い点] どんなに優秀な部下がいても王の苦悩は王にしか理解できないのよね [一言] 主も一回自分の力の範囲を認識する修行しましょう
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