52.芋を植える…魔物から石

シュリが帰ってきた。

ありがとう。

…随分大量だね。

想像以上です。

まずは芋みたいなものが10種類、100個近く。

食べられるの？

ジェスチャーで聞いてみた。

子アリが首を縦に振る。

全員で一斉に首を振るのはちょっと…。

とりあえず、芋は耕した畑に植えよう。

畑と言えば肥料だと思い、有機肥料を作ってみた。

これは無理やり親父につき合わされた知識が役に立った。

大き目の穴を掘り、木枠をその穴の上に。

その中に生ごみ、枯葉、草などを入れて踏んで固める。

また枯葉や生ごみなどどんどん入れていき、踏み固める。

枯葉が乾燥していたので少し水分を足す。

森から土着菌と言われるものを探してきて混ぜ込む。

異世界だったので土着菌があるか不安だったが見つけた。

たぶん…大丈夫だろうと。

で、ここで発酵を半年…待てないので時間を1年分早送りしてみた。

魔法はいいね、肥料作り完成。

そしてあれは土着菌で間違いなかった。

色々な意味でよかった。

土に肥料を混ぜ込みながら畝作り。

育つか不安だが何事も挑戦。

芋を植えると…作った畝の半分が芋になった。

畝の数は最終的に100個。

親玉さん希望の数。

100個も作ったのに開拓した場所全体の半分以下。

広すぎないかな？

畝の数多すぎないかな？

次に何か分からないが種。

これも食べ物か確認。

悪いけど子アリの中で1匹だけ代表を決めてほしい。

ちょっと怖くなってきた。

種を植えて、植えて、植えて…まだある。

植え終わるまで半日。

おかしい、思っていたのと全然違う。

目指したのは家庭菜園。

目の前には農場が広がっているように見える。

何処で間違ったんだろう？

……

シオン達が獲物を銜えて帰ってきた。

いつも思う自分より大きな獲物を…？？

あれ？　シオンちょっと空中に浮いてない？

気のせいかな？

…まぁそんなこともあるか。

最近スルーに磨きがかかったような気がする。

解体、気が付くと獲物が2匹シュリの家に。

うん、ご苦労様。

子アリたちもありがとう、しっかり食えよ。

子蜘蛛たちはちょっと待って、最近焼いた方が好きだもんね。

解体中、また獲物から石が。

全ての獲物から出るわけではないが9割ぐらいの確率で石がある。

これ、何だろうね。

日本では動物の中から石は出ない。

出ないよね…出ないはず。

なので異世界だからこそのものなのだろうけど。

ん～今までの石もためてあるから結構な数がある。

何かに使えないかな？