05.行くとこなし…一緒に行こう!
それにしても魔法には驚かされる。
これってこの異世界に魔法があるからできるんだよな。
もとの世界には、なかったし。
すっごい力を持った魔法使いとかいるのか?
会ってみたいが怖そうだな。
その前にこの場所がどこかわからない以上、どこにも行けないけどね。
オオカミは伸びなどして体をほぐしている。
どこかに行くのか?
一緒にはいてくれないらしい。
残念。
あれ?
ここに置いていかれたらどうしたらいいんだろう、俺。
ん~、ここにいる理由って、別に求められているわけではないし。
つまり…。
うん、深く考えない方がいいかな。
あいつら、次にあったら殴る。
で、この森を抜けるにはどっちに行けばいいのかな。
というか、今気が付いたけど、黒い影が多すぎて先が見えない。
どんだけ強い怨霊…呪い…呪いでいいか。
黒い影が呪いだとすると…この森って呪いの森だな。
怖いね~…そこに居るけどね俺。
はぁ、支離滅裂だな。
どうしよう。
あ、オオカミが行っちゃった。
「さみしい」
ん?
ちょっと離れて止まったな。
俺を見ている?
…ついていってもいいのかな?
道案内ってやつか?
でも、どこに行くのはわからないのだが…。
といっても、ここにいてもどうしようもないし、ついていくか。
とりあえず走って…えっ、追い抜いた!
…えっと、俺はこんなに速く走れるはずがないのだが。
というか通ってきた道には、ちょっとでこぼこの岩があって登り道なのだが。
まぁいいか。
楽に進めてラッキーってことで深く考えたらダメなやつだな、きっと。
何事もいい方向に考えよう、特に今は!
オオカミはちょっと俺の様子を見てから走りだした。
俺は隣を、一緒に走ってついていく。
10mぐらいの崖を4、5歩で駆け上がれたときは、気持ちがよかった。
うん、もう何も考えない。
これでいい。
目の前には、2mぐらい先にある入口。
洞窟みたいだが、洞窟内は影が覆っていて全く見えない。
この呪い、いい加減、うっとうしい。
オオカミは中に入りたいみたいだが、呪いが邪魔みたいだ。
俺に視線を向ける。
「入るの?」
じっと見つめられると何とかしたくなる。
ということで、浄化。




