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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
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11.珍しい獣人はかっこいい

「主、誰か気に入らない者でもいたのか?」


えっ?

意味が分からずコアを見る。

コアは速度を落とすことなく、ちらりと俺を見る。


「どういう意味だ?」


なぜそんな質問が出たのか、さっぱり分からない。

俺の態度か?

確かに、グダ達にちょっと失礼な態度をしたかもしれないが……。


「誰かを不敬罪にしたいのではないのか?」


「……はっ?」


なんで不敬罪?

それも俺が?

思いがけない言葉を聞いて、走っている速度が少し落ちる。

それに合わせて、皆も少し速度が落ちる。

本当に、この子達は自然に俺に合わせるよな。

じゃなくて!

不敬罪?


「もしかして、言葉にしてたか?」


無意識に口から出てしまっていたのかもしれない。


「あぁ、誰かが主を不快にさせたのだろう?」


「いや、違うから。どうして俺が……」


あぁ、森の神と呼ばれているんだったな。

「神」だ。

王より上の立場になるのか。

なんでこんな当たり前の事がすぐに分からないかな。


「主?」


「誰も俺を不快にはさせてないから。ただちょっと考えただけだ」


「そうか」


コアは腑に落ちない雰囲気だな。

でも、俺にこれ以上の説明は無理だから、諦めてくれ。


それにしても、「森の神」か。

神ね。

神じゃないんだけどな。


なんだろう。

何だか、妙な感じがする。

どう表現すればいいのか分からないが、違和感?

いや、少し違うか。

胸につっかえているみたいな感じが近いか?

……まぁ、気にするほどの事でもないか。


そんな事より、早く用事を済ませよう。

足に力を入れて速度を上げると、反対側にある門へ急ぐ。


…………

「主、先ほど見たのと似たような門が見えてきた」


先頭を走っているチャイの言葉に、前方を確認する。

かなり遠くに、小さく壁が見えた。

遠すぎて、門は確認できないが。

たぶん、チャイが似ている門というなら、そうなのだろう。


「ありがとう」


ダダビスは、門の近くの村に居るんだったよな。

これって、門がある村にはいないという事だよな。

ダダビスがいる村の名前を聞いてくればよかったな。


「まぁ、門のところにいる獣人に聞けばいいか」


「獣人なら、10人ほどいるようだ」


10人か。

やはり多いな。


「チャイ、コア、親玉さん。威嚇は控えるようにな」


なんでちょっと残念そうなんだ。

無駄な争いは却下だ。


あぁ、壁も門もはっきり見えたな。

獣人達も……ん?

こっちの門にいる獣人達は、随分と体格のいい者が多いな。

それに持っている武器も、多種多様だ。

さっきの門のところで会った獣人達は、剣を持っている者が多かった。

でもこちらは、剣が多いが、弓や槍……あれは、槍か?

俺が知っている槍よりかなりデカい。

あれを持っているのは……あっ、獣人達が俺たちに気付いたようだ。

あれ?

さっきの槍の持ち主が立ち上がったんだが……2mは軽く超えてるよな。

他の獣人達の頭が肩のあたりって……デカすぎない?

あれ?

顔がそのまま犬だ。

今まで見てきた獣人とは違う。

あんな獣人もいるんだな。


「珍しいな」


コアが楽しそうに、槍を持つ獣人に視線を向ける。


「何が?」


「獣人の多くは、尻尾や耳を生やした人型だ。彼のように見た目がそのままの獣人は少ない」


そうなんだ。

確かに、彼以外にはいないみたいだな。

それにしてもかっこいいな。

黒い毛並みも似合ってるな。

顔も鼻筋が通って、すっきり顔だ。


「犬だと思ったけど、オオカミかな?」


「彼はオオカミの獣人だろう」


あっ、オオカミなのか。

オオカミと言えばチャイだな。

チャイに視線を向けると、横顔が見えた。

……獣人になると、表情は穏やかになるのかな。


それにしても、コアはあの獣人がオオカミだとよくわかったな。

どこで、オオカミと犬を区別したんだろう?


「コアは、あの獣人がオオカミだとどこで分かったんだ?」


「匂いだ」


そうか、匂いか。

その方法は俺には使えないな。

残念。


「このまま走って近くまで寄っていいか?」


「あまり近づかないようにしよう。さっきみたいに混乱されても困る」


「分かった」


コアが頷くのを確認してから、獣人達を見回す。

獣人達の様子を見る限り、さっきほど混乱している様子は無い。

ある程度の距離を開ければ、問題ないだろう。


「チャイ、そろそろ止まろう」


「分かった」


先頭を走っていたチャイに、コアが指示を出す。

チャイがゆっくりと速度を落として、止まる。

門まで30mぐらいかな。

これだけ離れていたら、彼らも慌てたりはしないはずだ。


「主、獣人が来ます」


「みたいだな」


こちらに向かって歩いてくる獣人に、軽く手を挙げる。

3歩分ぐらい離れたところで立ち止まった獣人が、頭を下げた。


「森の神様にお会いできて光栄です。俺は門を守る国結界警備隊 隊長のスワと申します」


ここでも森の神か。


「スワか。よろしく」


「只今、ダダビス団長はこちらに向かって来ていますので、暫くお待ちください」


「こっちへ?」


もしかして、グダからでも連絡が来たのか?


「グダ隊長から連絡があり、すぐにダダビス団長へと伝えました」


「そうなんだ。ありがとう」


グダに感謝だな。


門へ視線を向ける。

グダがいた門の獣人達より、こちらの獣人達は落ち着いている。

事前に来ると知らされていたからか?


「森の神様。休憩場所を用意しましたので、どうぞ」


さっきとは違い、獣人達は騒がしくない。

これならゆっくり休憩が出来るかも。


「親玉さん、森でゆっくり休んでてくれ」


傍にいる親玉さんを見上げる。


「分かった。何かあれば……すぐに駆け付けるから、安心してくれ」


「ありがとう。まぁ、何も起こらないと思うけどな」


それより親玉さん、言いながらスワを見たよな。

見られたスワの体が、微かに震えたぞ?

一体、どんな視線を送ったんだ?


「じゃ!」


親玉さんの体がふわりと浮く。

そういえば、親玉さんは浮くことが出来たっけ。


「後で」


手を振って、森の中にふわりと移動する親玉さんを見送る。


「あの、チュエアレニエ様は、どちらに?」


ん?

チュエアレニエ様?


「森で待機してもらう事になっているんだ」


俺の言葉に神妙に頷くスワ。

その反応に首を傾げる。


「スワ殿。主を休憩場所に案内するように」


「ひっ」


……ひっ?

スワを見ると、目を見開いて一つ目を見ている。

やはり、岩が話すのは怖いのか?


「この子は、怖くないから大丈夫だ」


「あっ、失礼しました」


なんだか、親玉さんを見た時よりビビってないか?

一つ目を見る。

……どこが怖いんだ?


不思議に思いながら、スワの後を追って門に近付く。

さすがに近付くと、少しざわついているな。

左右に分かれた獣人達の間を歩きながら、彼らを見回す。

さっきの獣人は、近くで見ると存在感が凄いな。

あっ、視線が合った。

あれ?

体を縮こまらせた?


「……申し訳ありません。不快な者を視界にいれてしまい……」


不快な者?

スワを見ると、微かに悔しそうな表情をしている。

というか、不快な者とは誰の事だ?


「不快な者って、誰の事を言っているんだ?」


「えっ?」


俺の言葉に、通り過ぎた門から微かに動揺した気配がした。

振り返ると、あの獣人が俺を見ている。

深い青い目をしているんだな。

黒い毛並みに青い目か。

どこまでもかっこいいな。


「あの……」


「なに?」


「ギルスを不快に思われたのでは?」


いや、ギルスって誰だよ。


「ギルスとは誰なのか知らないが、俺は彼がかっこいいなと思っただけだ」


そう言うと、先ほどから気になっている獣人を見る。

驚いているのか、口がぽかんと開いている。

それがちょっと間抜けっぽくて「ふっ」と笑ってしまう。


「そうでしたか。そうか。そうなんですね」


えっ?

繰り返す言葉にスワを見ると、安堵した表情をしていた。

それに首を傾げる。


「あっ、彼がギルスか?」


あの珍しい獣人がギルスで、自分達と違う見た目という事で不快な対象になってるのかも。

コアが珍しいと言っていたから、数も多くないんだろう。


「かっこいいのにな」


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