35.森を探索…親蜘蛛?子蜘蛛?
まさかの岩人形。
3階、2階にも板を用意して床貼りをお願い。
猫の手ならぬ岩人形。
……
手が空いたので森を探索することに。
獲物を狩るソアたちとは別れて森の中を調べる。
お供はコア。
野菜と調味料になるものがほしい。
岩から離れると大木の様子が少し変わる。
まだまだ影が影響しているようだ。
岩の近くの木々よりかすかに黒い影が濃くなる。
結界内の木々の内部にしっかりと染み渡るように「浄化」
いつもより優しい光が木々を包みこんでいく。
数秒後にはふわっと光が空中に集まってどこかへ飛んでいく。
飛んでいった方向を見る。
初めて浄化のあとの光を見た。
いつもはもっと眩しくておさまったときには何もない状態だった。
飛んでいった方向に呪いの元凶があるのだろうか。
なんか怖いな。
木々を確かめると影の影響がなくなったのか色が鮮やかになっている。
よかった、それにしてもでかいな。
木の上に実がなっていても収穫は難しそうだ。
……
1本の木の前。
上を見ると赤い実がたわわに実っている。
初めて見た、この世界の赤い実。
問題は食べられるかどうか、そして収穫方法。
とりあえずどうするかと考えていると親玉さんが来てくれた。
木を登って…
???
親玉さんがいっぱい。
8匹、あれ?
あの子たち、まさか子蜘蛛たち?
あ、羽がない。
大きさが最初にあった時より大きい。
親玉さんぐらいあるように見える。
成長?
ここ数日で?
……
驚いていると子蜘蛛たちが赤い実を1つ取ってきてくれた。
手の中の赤い実。
ありがとう。
8匹の500円玉サイズの子蜘蛛たち。
大きくなったね。
持ってきてくれた実は小玉スイカぐらい。
銀色鉱石のナイフで切って食べてみる。
サクサクしていて味は…桃のようにみずみずしく甘い。
「うまっ!」
数日ぶりの肉以外の果物。
しっかり熟しているので甘くなんだか癒される。
みんなで完食して収穫再開。
……
赤い実を数十個収穫してくれた子蜘蛛さん。
どうやって持って帰ろうかな。
この世界に飛ばされたときに持ってきたものはその時に着ていた服と靴。
財布とスマホ、あとは肩から下げる黒の布バッグ。
収穫があればとバッグは持ってきてたが。
小玉サイズの果物は1つしか入らない。
このバッグ、有名なロボットのポケットみたいにならないかな。
あれだと、どれだけでも収納可能なのに。
バッグがふっと軽くなる。
びっくりしてバッグを見ると入れていたはずの赤い果物がない。
「あれ?…消えた?」




