32.木の加工…微調整は難しい。
目の前に立つこの森に相応しい大木。
その大木がおかしな状態で立っている。
床に敷き詰めるため加工をしようと思い魔法を使用。
何処で間違ったのか。
目の前の木は皮をむかれおそらく乾燥もしていると思う。
うろ覚えの木の加工方法。
皮をむいて乾燥させて必要な厚さに切る。
乾燥が重要なはず。
そのままをイメージして…今の状態。
皮がむかれ、見た目ではわからないが乾燥され厚さ25㎝にカット。
成功と言える、ただし立っていなければ。
失敗。
大木を切り倒す最初の工程を抜かしてしまった。
完全に忘れていた。
目の前の大木、どうやって横にすればいいかな。
すでに数十枚の板になっているため間違うとばらばらに倒れそうだ。
とりあえず切らないとな。
通常の風の力でそれは大丈夫か?
そのあとは横にするイメージで瞬間移動。
何とか挑戦。
コアに安全な場所に移動してもらい、風魔法。
同時に移動する場所をイメージして「瞬間移動」
魔法は結構自由度が高い、イメージさえうまくいけば何でもできそうだ。
まぁ、そのイメージが難しいんだが。
結果は木が長すぎて横になりきらなかった。
森の木に引っ掛かって…ばらばらに。
大木のうちに長さも切る!絶対。
……
4階の部屋につみあがった木の板。
大木5本分。
なぜだろう、やたら疲れている。
コアには何度となくあきれた顔をされた…ような。
気のせいであってほしい。
が、何とか4階に移動完了。
あとは並べるだけ。
ここからは簡単、床にそのまま並べる。
…簡単なはずなんだが。
隙間なく並ばない。
瞬間移動では1㎜単位での調整が非常に難しい。
というか苦手だ。
そんなに大雑把な性格ではないと思うんだが…。
長さをあまり短くしなかったため、
敷いてからの移動は遠慮したい、視界の隅に板の山。
無理です。
「見ながら調整できれば一番だよな~」
木を見ながら考える。
大きなものを移動するのに何がいいか。
日本だったらクレーンだよな。
コンテナの移動風景が思い出される。
利用できるかな。
持ち上げるのはクレーンゲームの要領で
「上昇」
移動は、手で押してみる。
お~楽しい。
まさかできるとは…
「降下」
隙間を埋めるように手で微調整しながら木の板を下げる。
うまくいった。
…板の山と部屋の広さを見て、ちょっとめまいが。




