03.犬…いやオオカミ?
後ろからどうやら威嚇されている…
逃げたいけど…無理だよな。
刺激をしないように、静かに振り返って何がいるのかを確認する。
でかい!
あ、この犬も黒い影が…大丈夫なのか?
…犬なのかな?
随分恐ろしい顔をしているけど。
犬には見えないな、オオカミかもしれない。
確かに犬にしては厳つすぎる。
うん、オオカミに決定!
…現実逃避はこのぐらいで、さてどうしようかな。
オオカミと闘う…ハハハ、なんて無謀な計画。
この場合はそっとこの場を離れる、もしくはそっと歩き去ってみる。
もしくは、一目散に逃げる。
あ、だめだ走ったら襲うってテレビで…あれはクマか?
うん、パニックです。
離れてみようと足を動かすと、顔がもっと怖いことに。
唸ってる! 呻ってる?
あれ、ちょっと違う??
あ~怖い!
巻き込まれて、落とされて、オオカミ!
今日は最悪の1日だ!
あれ? でもよく見てみると、なんだかふらついているような気がするな。
足に力が入っていないし、すごく痩せてもいる。
…大丈夫か?
あ、俺はエサか!
なるほどなるほど…やっぱりここは逃げよう。
足をもう一度動かすと…さっきより唸り声が大きくなった。
やっぱり逃げるのは無理か?
お…倒れた、やっぱり何かおかしいな。
倒れた瞬間、足に纏わりついていた黒い影がオオカミの全身を覆いだす。
…気持ち悪いな。
足をバタつかせて、かなり苦しそうだ。
あ~これってもしかして、怨霊が原因?
黒い影が多いが…全部が怨霊の呪いってどんな森だよここ。
…はぁ、今の問題はそれではないだろう…。
…ダメだ、俺。
本当にパニックになってる。
意味不明だ。
落ち着こう。
って何度目だよ…ふぅ。
まず、やることは。
苦しそう…だから助けたい。
動物が好きなんです、ちなみに家には大型犬が3匹。
可愛かった。
だからかな、唸られたけど…怖いけど、助けたい。
そっとオオカミに近づいてみる。
すっごい唸られた……まじで怖い!
でも、負けないぞ~っと。
さっきは浄化の魔法でうまく消えてくれた。
なら今回もうまくいく…大丈夫!
手を近づけて、腰が引けているけど気にしない!
「浄化!」
オオカミを覆っていた影がふわっと光になって消えた。
お~成功!
ところで怨霊なんだろうか?
呪いなんだろうか?
…俺は冷静になれているのか?
ゆっくり更新中。




