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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
綺麗になったら修復です!
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57.神の子供

今年が何年なのかは、一つ目のリーダーが調べに行ってくれたと他の一つ目が教えてくれた。

何処に調べに行ったのかは分からないが、悪い事をしてしまった。


「気にする必要はないです」


一つ目のサブリーダーが言ってくれるが、あんなに慌てさせてしまった。


「あれの生きがいなので」


「えっ? 生きがい?」


一つ目リーダーの生きがい?

それよりサブリーダーは、リーダーの事を「あれ」呼ばわりなのか?

仲、いいんだよな?


「仲が悪いのか?」


「いいえ? とても仲良しですよ?」


俺の言葉に不思議そうなサブリーダーの一つ目。


「そうか。仲良しならいいんだ」


首を傾げていると、サブリーダーが「ふっ」と鼻で笑った。

仲がいいんだよな?

どう見ても、今の笑いはリーダーの一つ目を小馬鹿にしているような気がするんだが。

チラリとサブリーダーの一つ目を見る。

なぜか俺をじっと見ている。

それに首を傾げるとまた「ふっ」と笑った。

何なんだ?


「いいんです。あれは、あれが幸せなので」


幸せ?

リーダーのあの行動が幸せにつながるという事か?

どう見ても、俺に振り回されているように見えるが。

サブリーダーの一つ目を見ると、俺の事をいまだにじっと見ている事に気付く。

何だろう。

追及しないほうがいいと、勘が訴えてくる。

追求したら何かやばいものが出てきそうな……いや、一つ目たちに何か裏があるとは思わないが。

……とりあえず、幸せだと言う言葉を信じよう。


「幸せならいいんだ」


そう言えば、他に何か訊きたい事があったような気がする。

何だったかな?


「あっ、そうだ。アイオン神に聞きたい事があるんだった」


お茶とお菓子を楽しんでいるアイオン神に視線を向ける。

と言うか、なぜそんなに寛いでいるんだ?


「なんだ?」


俺の言葉に首を傾げるアイオン神。


「再現の説明はしてくれないのか?」


確か再現は出来ないはずだと言っていた。

再現が出来るのは、こちら側だとも。

こちら側が何なのかも気になる。

何となく予想は出来るが……知りたくないが知っておかないと駄目だという気がする。


「再現か……あれが出来るのは神だけなんだ」


あ~、やっぱりこちら側って神側か。

知っておかないと駄目だと思ったが、その答えは要らなかった。


「そうなんだ。神以外に再現は出来ないのか?」


俺の言葉にアイオン神が頷く。

出来ないのか……残念だ。


「神同士の間に生まれる子供は、生まれた時から神力が強い」


神同士で子供が生まれるんだ。

それはびっくりだ。

何となくイメージで神は結婚とかしないと思っていたからな。


「神も結婚するんだな」


「結婚? いや、しないぞ」


俺の言葉に不思議そうな表情のアイオン神。

俺もアイオン神の言葉に首を傾げる。


「でも、子供って……」


「あぁ、なるほど。子供がいるから結婚という発想が浮かんだのか」


その通りなので、アイオン神の言葉に頷く。


「神は結婚はしない。はるか昔は結婚をした神もいたそうだが、長い時を生きる我々では上手くいかなかったそうだ。特にこれまでの神は、永遠を生きていたからな。いつからか結婚という形は取らなくなったと学んだよ。私がこの地位に就いた時は、既に今の形が当たり前だったから、結婚と言う物にまったく馴染みが無いかな」


「そうなんだ」


短い人生でもすれ違いや色々な要因で離婚する。

それが永遠ともなれば、結婚という形は合わないか。


「それに子供と言ったが。神は力が強いせいか子供は出来にくい。それでも長く生きていれば、30人ぐらいは出来るけどな」


多くないか?

いや、永遠を生きてきた神から考えると少ないか。

そうだよな、永遠の中の30人。

そうとう子供ができにくいという事か。

寿命ができたから、もっと少なくなるのかな?


「その中に数人、強い力を持って生まれてくる子供がいる。再現にはかなりの力が必要となる」


確かに1回だけだが、ごっそりと力が抜けた感覚がしたな。

すぐに戻ったから、俺にとってはそれほど重要な事ではなかったが。


「制限を掛けてなかった時に、力を持った子供が、親の持つ星を操る力を再現し、親が守る星を滅ぼそうとしたことがあったそうだ」


はっ?

滅ぼす?


「なんでそんな事に?」


何があったら親の守る星を滅ぼそうなんて考えになるんだ?


「原因は分からなかったが、親子喧嘩が発端らしい」


親子喧嘩。

神を親に持つと、喧嘩のスケールもデカくなるのか?


「そういう事が数十件起こったから、再現には制限が掛けられたんだ。神として認められた者以外は再現させる事は出来ないと」


えっ?

神として認められた者?

と言う事は、俺は誰かに神として認められているという事か?

いやいや、誰が俺を神として認めたって言うんだ?


「制限に抜け穴は無いのか? ある事をすれば再現が出来るみたいな」


神として認められていない者も、何かあったりなんて……。


「それは無いな。この制限は、創造神がすべての世界に掛けたからな」


無いのか。


「俺は誰かに神として認められているという事か?」


俺の言葉に、視線が泳ぐアイオン神。

じっと見ていると、観念したのか頷いた。


「それが誰なのか調べられるのか?」


「それは不可能だな。気持ちを覗く事はタブーだ」


アイオン神の言葉に、ため息を吐く。

一つ目達や仲間たちの暴走を止めたばかりなのに。

まさか、既に誰かに神だと認められているとは。


「まぁ、悪い事ばかりじゃなかったからいいじゃないか」


アイオン神の言葉に首を傾げる。

悪い事ばかりじゃないって、どういう事だ?


「神として認められているから、闇の魔力を再現出来たんだし」


言われてみればその通りだな。

確かに、再現できなければケルベロスたちに力を与えられていないからな。

とは言え、神か……アイオン神を見る。

ため息が出てしまった。


「なんだか、馬鹿にされたような気がするんだが」


アイオン神の言葉に肩を竦める。


「気のせいだろう」


誰かに神として認められた事は、もう諦めよう。

再現出来てよかったという事でいいや。

うん、そうだ。

ケルベロスたちの力が再現出来てよかった。


「神として認められたとして、何かが変わったりするのか?」


何かあるなら知っておいた方がいいよな。

特に知りたいとは思わないが。


「悪い、分からないんだ。なんせ、神以外の者が神と認められたことが無いからな」


そうか。

前例なしか。


「ただ、特に変わる事は無いと思う。帰ったら、創造神に話をして確かめてもらうよ」


「ありがとう。助かる」


「いや、もとはと言えば神たちが見習いを使って罪を犯したのが原因だからな」


何だか色々な事が起こり過ぎて、まだ1年ぐらい前の事なのに遠い昔のような気がする。

この星に飛ばされて来てから、色々な事がギュッと詰まり過ぎだ。


「そろそろ、戻ってくるようです」


「えっ?」


不意に聞こえた一つ目の声に、視線を向けるとリビングとウッドデッキの間にある窓が勢いよく開いた。


「お待たせいたしました!」


息一つ乱すことなく現れたのは、一つ目のリーダー。

その迫力に、びくりと体が震える。


「すみません。すぐに答えられなくて」


リビングに現れた勢いのまま、ずいっと俺に近付く一つ目のリーダー。

その少し異様な迫力に、体が引く。


「いや、謝る必要は一切ないから」


俺の言葉に少し勢いが落ちたが、それでもまだ何か異様な圧を感じる。


「落ち着いて」


「……はい、すみません。もう大丈夫です」


俺の言葉に何か考えると、ふっと部屋全体に掛かっていた圧が消えた。

良かった。


それにしても、帰って来るのが早いな。

飛び出していってから、まだ2時間ぐらいしかたってないよな?


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― 新着の感想 ―
危険な子供を放置するのだから’共’でいいのでは。
[気になる点] >闇も魔力 多用する文字列は辞書登録しておくと誤字も減って効率的で良き
[一言] サブタイトルの「神の子供」が「神の子共」になっています。
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