24.森、森、森…人。
目の前にあったドローン千里眼の映像を切る。
ほぼ5日。
そう5日。
拠点ができたので森の中、そして森の外を捜索しようと考えた。
ここで活躍したのがドローン千里眼だ。
コアたちはいるが、やはり人を探して情報がほしい。
これは仕方がない。
誰か俺に情報をプリーズ!と、いう気分で捜索を始めた。
ワクワクしながら、ドローン千里眼をかなりのスピードで操作。
時速は不明だが結構速かったと思う。
影があって見えにくいが、森の中は薄く見ることができるので、見落としはないはず。
動物らしきものは多数発見した。
森の随所に濃い呪いの場所もあった。
が、探し物は見つからない。
「人がいない」
そう、まさかの人の影が1つもない。
森の中だから、村もしくは集落があるかと期待した。
なのにまったく映像に映ってこない。
しかもずっと森の映像が続く。
人もいないが、森も抜けない。
嫌な予感を感じ岩山の上空にドローン千里眼を飛ばしてみた。
いけるところまで、上へ上へ。
高く上がりすぎて細かくは見えないが全方向、見渡す限り森。
ドローン千里眼を、ゆっくり旋回させながら少しずつ下降させる。
森の中に道や開けた場所を探すが、見当たらない。
俺が巨大な森の中にいることは、理解した。
そしてこの森には人がいる可能性が低いことも…わかりたくはないが。
まだ、探せていない場所があるので、そこに期待しよう。
1つの不安が頭をかすめる。
それは、この世界に人がいない可能性だ。
頭の片隅にも考えたことはなかったが、ここは地球と違う異世界だ。
…あり得るのか?
…いや、探していない場所にきっと人はいるはずだ!
諦めずに探そう。
床をごろごろと、転がってみる。
そんな気分の日もある、特に今日は!
つるつるの床は転がっても痛くない、色々考えて熱くなった頭には気持ちがいい。
人探索は、2日目で既に暗雲が立ち込めた。
気分転換に3日目から、探索をしながら気持ちの切り替えに、住処を加工してみた。
1階の気になる部分は、銀色の鉱石とは違う金色の鉱石だった。
加工をするときに鉱石部分で失敗。
魔力が通りにくいみたいなので、鉱石部分を岩山からすべて取り出した。
チャイが取り出した瞬間、なぜかビビっていた。
鉱石の裏に何かあるのかと、俺も一緒にビビった。
何もなかったが、あれは何だったのか?
……
床の加工は難しかった。
ちょっとでも滑るようなイメージで加工すると、床が恐ろしいほどに滑らかになった。
スケートができると、滑って転んでお尻をぶつけた痛さに、身悶えしながら思った。
滑らないように加工をすると、次はざらざらになって微妙な床に。
魔法での微調整が苦手だ。
何とか頑張って、マンションエントランスの床のようになった…はずだ。
ちょっと滑るけど、問題ないレベル。
壁はレンガのイメージで蜘蛛さん対策。
レンガはざらざらでも問題ない!
次に自慢!
1階から4階までの階段。
1階から3階は上につながる坂を階段に加工した。
これは元があったので意外にも簡単にできた。
3階から4階は加工というより穴掘りに近い。
岩の塊を1m弱の四角に切り取って、3階の部屋に瞬間移動。
足元は階段になるように岩を切り取って段差をつけていった。
階段の加工で、瞬間移動の技術に磨きがかかったようだ。
好きな場所に移動可能になった、ちょっと遠くても問題ないレベル。
これは解体でも活躍した。
火を燃やし、そこに内臓や血管を瞬間移動できるようになったのだ。
これは大変、喜ばしい。
色々見なくても済む。
ただ瞬間移動は失敗すると、
火の中に岩が移動して焼いていた肉を駄目にしたり。
階段づくりを始めようとして、岩の上に内臓がのっていてビビったり。
ちょっとした惨事を生み出した。
瞬間移動の前に、内臓や岩と特定すると問題が解決した。
瞬間移動だけだと、前に使用した魔法が影響するらしい。
岩にのった大量の血管はカオスである。




