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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
片付けは隅から隅まで!
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50.こんな日も……遊ぼう?

「増えているし。デカくなっているし。……ついでに光ってるとか、理解の限界だ」


どれから突っ込んだらいいんだ?

というか、3馬鹿の対応で限界だから他の事で驚かすのは止めて欲しい。


湖に到着してみれば、以前確認した浮かぶ島……だけではなかった。

それにプラスして2つ島が浮いていた

なので湖の上には島が3つ。

増えるのか……どこまで増えるんだ?

まさか、このままどんどん増えたりしないよな?

この世界は3馬鹿が作ったからな、ちょっと不安だ。


しかも、最初の島はどう見ても大きくなっている。

そして何より、島全体がうっすらと緑に光っている。

浮かぶ島に、いろいろ詰め込み過ぎだろうと思う。

まぁ、コアもチャイも慌てていないし、感じる魔力はアメーバ達のモノだし。


「これは無視して通っても問題ないよな? ないと思って突き進もう」


色々気になるが今は3馬鹿の対応が先だ。

これ以上動揺する光景が無い事を祈ろう。

……本当に頼むから!


空中にある3つの島を横目に、神力を探知した場所を目指す。

何処を見ても木々ばかり、本当に見分けがつかないな。

ポケットから魔物の石を取り出し、力を込める。


「神力、捜索」


手の中にあった魔物の石が淡い光を発光すると、空中に浮かんだ。

そして周辺をくるくると回って、しばらくすると森の中を飛んで行く。

その後を追うのだが……少し速すぎる。


「ゆっくり~!」


意思が通じたのか、少しだけゆっくりと進むようになった石を必死に追う。

魔法を発動する時のイメージに改良の余地ありだな。

速すぎる!

しばらくすると、石はピタリと空中で動きを止めた。

何とか見失わずに済んだようだ。

それにしても、疲れた。

この体になってから、初めて呼吸が乱れたような気がする。

全身で呼吸しながら周りを見ると……石像?

人の石像なのだが、ずいぶんと整った顔だな。

誰だろう?

そう言えば、俺は3馬鹿の姿を見たことがない。

声だけだったからな。

もしかしたら3馬鹿の誰かだろうか?


「……あいつ等の誰かだったら潰したいが、誰なんだ?」


とりあえず手を(かざ)して、力を調べる。

間違いなく3馬鹿から感じた神力だ。

しかし、なんでまた像なんだ?

これにどんな意味があるんだろう。

そういえば、昔読んだ小説に像を動かすと台座の下から階段が現れるなんて話があったな。


「動いたりして」


像に手を掛けてグッと力を込める。

さすがに動くわけがないか。

残念。

ん~、……壊していいかな?

家に移動させるとか面倒くさいし、知らない人物像とか気持ち悪いし。

石像を見る。

綺麗な顔をした人物だ。

ただよく見ると、少し人を見下したような表情に見えるような……。


「……よし、潰そう」


何だか見ているとイラッとした。


神力に勝るのは新しい力だな。

掌に新しい力の玉を作り出す。

破壊するイメージを作って……。


「粉砕!」


掌を前にして、作っておいた力の玉を勢いよく石像にぶつける。

……ん?

何も起こらない?


ピシッ


あっ、ヒビが入った。


……ピシッ、ピシッ……ビシビシビシッ


石像に入ったヒビが、どんどん広がっていく。

その度に、すごい音が森の中に響く。

3mぐらいの石像なのだが、こんなに音が響くものだろうか?

もしかすると、壊すと何か仕掛けが発動したりして。

やばい、考えていなかったな。


「ちょっと、無謀すぎたか?」


潰す前にいろいろ調べた方がよかったか?

まぁ、今更手遅れなんだが。

目の前では、石像がどんどん粉砕されていく。


「…………何も起きない?」


石像が完全に崩れ落ち、辺りに森の声だけが聞こえるようになる。

魔物達の声、川の流れの音、木々を揺らす音。

それ以外に音はなく、何かが発動する様子もない。

本当に石像があっただけ?

まぁ、確かに神力を調べた時にこの場所の光はかなり弱かった。

似たような場所があと3ヶ所あるが。

今までの事がある為、なんとなく何かあるだろうと考えてしまうのだが。

いや、もしかしたらこれから何かが起こるかも知れない。


しばらく様子を見るために、警戒しながら周りを見る。

……本当に、何も起こる様子がない。

静かな森だ。

今まで色々あったので、ないのはうれしいがこれはこれでなんとなく納得できない。

いや、何も起こらなかった事を喜ぶべきなのだろう。


石像があった場所に、警戒しながら近づき周りを見てみる。

残骸があるだけで、問題となる物は一切ないようだ。

……まぁ、よかったんだ。

うん、何もない事が一番だよな。

そうだ、そう納得しよう。


んっ?

残骸の中に神力とは違う力を微かに感じとった。

何だろう。

知っている力の様なのだが。

何だっけ?


グルル


……コアとチャイの唸る声が隣から聞こえる。

昨日に続き、どうしてこうビビらせるかな。

いや、2匹とも俺をビビらせようと思っているわけではないはずだ。

ただ、俺が勝手にビビっているだけだ。

大丈夫。

そっと隣を見ると2匹の視線は残骸に向いている。

それにホッとして体から力を抜く。


……あっ、分かった。

微かに感じる力は卵から感じる力と同じだ。

なるほど、だから反応したのか。

もっと早く気が付けば、ここまでビビる事もなかったのに。

もしかして、また卵?

残骸をそっとよけていく。


「これ?」


手の中にすっぽり収まる大きさの、黒光りしている石。

ちょっと見た目が異なるが、魔物の石だろうか?

出て来た石を手に持ってみるが、特に何も起こらない。


グル?


コアの唸り声が少し変わった。

見ると、首を傾げて石を見ている。

どうやらコアも、まさか石が出て来るとは思わなかったようだ。

予想外の声は、意外に可愛い。

まぁ、低音なので通常の唸り声と比較してだが。


「これ、どうしようか?」


間違いなく感じる力は卵と一緒だ。

そう言えば、卵の中の犬もどき達? ……でいいのか?

あれは1匹なのか3匹なのか。

って、また無駄な事を考えているな。

えっと、1匹だろうきっと。

で、あの子は少し弱っている印象があるんだよな。

この力、役に立たないかな?

せっかく助けた? のだから産まれて……ほしいような、ほしくないような。

親玉さんが本気で威嚇していたからな~。

とはいえ、拾った以上は責任を持たないとな。

役に立つ可能性を考えて、あの子達にあげよう。


とりあえず、今日はこれで終わりだ。

予想外に簡単だった。


「ぅわっ!」


気が緩んでいたのか、不意に背中を押されてしまう。

力が強かったため、土から出ている木の根っこに顔面強打。

さすがに痛い。

顔を手で押さえて呻く。

コアとチャイが、周りをくるくると歩き回っている様子が窺える。

心配してくれているのだろうが、ちょっと待ってほしい。

痛みが引くまで。


「ありがとう、大丈夫だ」


ヒールの魔法を思い出したので、急いで発動させる。

痛みがスーッと引いて行く事にホッとする。

手を見ると、赤い。

どうやら鼻血が出ていたらしい。


「……クリーン……はぁ」


何が突進してきたのかと、確認するが。

……えっと、アメーバ。

ん?

アメーバ?

あれ?

何度も瞬きをして確認する。

……アメーバの気配なのだが……知っているアメーバと姿が違う。

透き通るような透明感は同じなのだが、姿がクリオネにそっくりだ。

まぁ、3m近い大きさなので可愛らしさはちょっと足りないが。

そのクリオネもどきが羽をパタパタと動かして、空中に浮いていた。

今日は浮いている物に縁があるようだ。


「アメーバだよな? でも、姿が違うし……」


どうしていいのか分からず、とりあえず触ってみる。

アメーバを触った時と同じような触り心地だ。

蒟蒻こんにゃくを柔らかくしたような、何気に気持ちがいいのだ。


アメーバも進化したという事か?

まぁ、これが進化といえるかどうかは不明だが。

考え込んでいると、目の前のクリオネの姿がドロッと崩れていく。


「えっ? あれ? ちょっと!」


さすがに目の前で溶けるように崩れたので慌てる。

しかも、崩れ方がちょっと気持ち悪い。

ドキドキと困惑している間に、解けたクリオネ? が新しい形を作り出す。


「あ゛~! 本当に何!」


様子を見ていると、現れたのは透明の蜘蛛。

目の位置や体の形から考えて、親玉さんを真似たようだ。

現れた蜘蛛は、クルクルと空中を楽しそうに飛んでいる。


「もしかしてアメーバに遊ばれているのか?」


そう言えば、このところ3馬鹿の対応でアメーバ達と遊んでいないな。

もしかして遊ぼうと誘われているのか?

目の前で飛んでいる透明の親玉さんは、俺を見て首を傾げている。


「でも、よかった~。また何か新しい生き物でも生まれたのかと焦ったよ」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主に怪我をさせたのにスルーなんだ?
[気になる点] 主人公の行動が、終始ふわふわしてる点。 思考が全く纏まってないというか、すぐにあちこちに思考が飛ぶので読んでてついていけない。 情緒不安定なのかな……? いきなり叫んだりするし、…
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