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異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
片付けは隅から隅まで!
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09.違う生き物だ!……急には止まれない。

……やってしまった。

目の前の巨大ムカデが、俺の様子に気が付いたのか落ち込んでしまったようだ。

俺から距離をとるように後ろに下がり、雪に中に隠れようとしている。


「待った!」


さすがに俺の態度は悪すぎる。

この子は日本のムカデとは違うのだから。

日本のムカデに挨拶された事なんてないから!

夜中、布団の中に現れてビビらされた事はあるが……あれは怖かった。

それにしても、落ち込む姿が何気に可愛い。

ムカデが可愛く見える日が来るとは。


落ち込む姿に、混乱していた頭が冷静さを取り戻した。

もう一度、全体を見ると真っ白い体が光に反射してキラキラ綺麗だ。

しかも、光る銀色の鱗が見える。

……鱗?

鱗はしっぽ?に近い所にぽつぽつと点在している。

巨大ムカデに近づき銀色の部分をよく見ると、鱗に似ているが少し違うようだ。

触ってみると、硬く感じるのに柔らかい、でも硬い?

……何とも表現できない不思議な触り心地だ。

巨大ムカデが体を捻って後ろに居る俺を見ている。

不思議なモノだな、冷静になると先ほど感じた怖さが無い。

ムカデは苦手だが、こいつは怖くないと言うか随分と愛嬌がある。

銀色の部分を撫でると、体がちょっとフルフルと揺れるのだ。

嫌がっているようには見えないので、大丈夫だと思っておこう。

名前を付けようかな?

見た目はムカデなんだよな……ダメだ、全然思い浮かばない。

だからと言ってムカデと付けるわけにも……あっ!


「ムーってどうだ?」


やはり形がムカデなので、そこから離れられないらしい。

俺の頭も頑固だよな。

まぁ、ムーが気に入ってくれたみたいなので問題なしとしておこう。

小さい子ムカデ達は……サイズの違いぐらいでは見分けがつかない、諦めてください。


……


クウヒとウサを連れて雪山へ。

今日はアイ達が一緒だ。

何故かアイと同じ種の犬が、みんなでついて来た……雪山で遊びたいのかな?

一つ目達に、木を加工して作ってもらったそりも一緒だ!

雪と言えば滑る……単純な俺の思考回路だが気にしない。

一度は滑ってみたいのだ。


クウヒとウサに、そりの使い方を俺が使って説明していく。

2人とも最初は戸惑っていたが、俺がそりで雪を滑ると声を上げて喜んでいた。

ちょっとそわそわと落ち着きがなくなったので、どうやら早く挑戦したいようだ。

2人にそりを渡すとさっそく乗り込み……その後ろにアイが乗って滑りだす。

……やはり滑りたかったのだろうか?

今度はアイ達のためのそりも、作ってもらった方がいいのかな?


後ろからツンツンと突かれる。

後ろを見ると、ムーが俺に向かって背中を見せている。

……撫でてほしいのだろうか?

撫でてみるが、どうやら違ったらしい。

何だろう?

ムーがそりに乗って遊んでいる2人に視線を向ける。

そして自分の背中を見て俺を見る……まさか、乗れと?


「ぅわ~……!」


雪山の頂上からムーに乗って滑っている。

と言うかムーすごい!

足を浮かせて胴体で雪を滑るのだが、すごいスピードだ。

想像を超えているスピードだが……ジェットコースター好きにはたまらない。

しかも胴体にあるくぼみを掴んでいるのだが……正直飛ばされそうで……ドキドキワクワクする。

……安全装置の無いジェットコースターだな。


ん?

これって止まる時どうなるんだ?

あっ、やばい、考えてなかった!


なるほど、ムーが止まる、俺は吹っ飛ぶ……ふわふわの雪でよかった~。

ムーが慌てて駆け寄ってくるのが何とも可愛いな。

しかしこれ、面白いのだが。

ん?

クウヒとウサがこちらを見ているな……真似をしたら危ないよな。

もう1回挑戦したいが……やめておこう。


「ムー、ありがとう。楽しかったぞ!」


あっ、また!

ふわふわがムーのマネをして滑ってくる……俺に向かって!

何だろうこの先の未来が見える。

舞い上がった膨大な雪で全身が雪に埋まった。

ムーが慌てて雪から引きずり出してくれた。

ありがとう。

……ふわふわに乗って雪を滑った。

雪山ではマシュマロばかりを相手にしていたので、拗ねていたらしい。


続きが気になると思っていただけたのならば、

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